スピリチュアル、自己解放の道の落とし穴。1

スピリチュアルなことに興味を抱き、学んだり、実践したりしていくうちにはまる心理的(一部霊的)落とし穴があります。

そのひとつが傲慢さで、もうひとつが逆の、あせり、あるいは無力感です。

ところで、数の上でも、ある区切りを示す「10」を持つマルセイユタロットのカードは「運命の輪」であり、そこには輪にまたがる2匹の動物が描かれています。

実はこの2匹の動物が、さきほど申し上げたふたつの落とし穴の感情を表していると言ってもよいものです。(これも「運命の輪」のひとつの見方に過ぎません)

さてまずは、「傲慢」の落とし穴。

これは、ほかの学びの分野全般にも言えることですが、知識が入ってくると、「自分は人より進んでいる」という意識が生じてくるもので、それが自分の発展を必然的にストップさせてしまう結果となります。

特にスピリチュアルなことに関心を持つ人の間では、こうしたことが結構あります。

学習しているうちにグループを形成していくことも多いので、そのグループ全体がこうした傲慢さでもって他人を見下すようになることもあります。

新興宗教の組織などではよくあることで、人を見下しているのがわからず、「他人は救われていない」と意味を変換させて、自分が救済者の役割を洗脳されて演じようとします。

やっかいなのは、これは知らず知らず、見えない病のように進行していくことで、気がつけば、とんでもない傲慢な人間になっていることがあるのです。

小規模の成功を収めたり、講師などをして、人にモノを教えていくようになると、「先生」などと呼ばれることもあって、ますます拍車がかかります。

このようなことは、レベルが違いますが霊的修行などでも起こり、それは極めて危険な状態である言われています。昔の人はこれを「天狗つき」と呼んでいました。

私自身も注意を払い、謙虚さを忘れないよう、戒めを持つようにしています。

有り難いことに、人によってはその傲慢状態や天狗つきになる前に、天使(的存在・エネルギー)からシンクロニシティや、インパクトある経験として、警告を起こしてくれるのですが、それに気がつかないと大変なことなるおそれがあります。

うまく行かないこと、ショックなことでもそうした警告としての側面もあるのです。

マルセイユタロットでは「正義」のカードが、結構そのような役割を象徴的に担うことがあります。(ほかのカードでもあります)

ともかく、うまく行きすぎているような時は実は注意すべき時で、自分が傲慢になっていないか、自分(たち)だけが(神や天使に)選ばれているとか、進化しているとか思わないことです。(思うことで大きな仕事や社会的使命を果たせることもあるので、一概には言えませんが)

だいたい選ばれている感覚をもたせるというのは、悪魔(ネガティブ)存在・低次的存在がよく使う手でもあるのです。悪魔にも天狗にも「」があることを忘れてはなりません。シルエット的にはあなたの信じている「天使」に見えるかもしれないのです。

霊的向上や、深くに自己解放の道を進もうとすると、それを阻んだり、それ以上進ませないようにしたりするための役割を持つ存在(あるいはエネルギー)がいます。

これは究極的には自分の分身でもあると言えるのですが、別存在として実在すると考えることもできます。(この矛盾構造を理解するのが、宇宙のからくりを解き明かすヒントだと見ています)

機能的には、段階的にひとつひとつ達成して初めて次に進めるという安全装置の面もあり、一概に「悪」とは決めつけられません。

いずれにしても、傲慢な自己世界の罠(落とし穴)にはまってしまうと、もはや冷静に自分と周囲を見ることができなくなりますが、これの怖ろしいところは、自分や同じ罠にはまっているグループの人たちの間では、自分たちが一見、とても進んでいたり、気持ちの良い状態にいると錯覚してしまうことです。

そのような人たちの書く文章や口から発する言葉は、いいことを書いている(言っている)ようで、どこか非常に上から目線の嫌悪感や傲慢さが見え隠れするようなものになっています。

何かあまりにも快楽的に気持ちが良すぎていたり、気づきが少ないままよいことばかり起き続けていたり、自分と仲間以外、友人やつき合う人がいなくなっていったりする場合は注意が必要です。

とはいえ、多かれ少なかれ、スピリチュアルなことを志す人は罹患してしまう過程ですし、完全にこれから逃れられることも難しいと思いますが、自覚をやはり常に持ち、折に触れ自身を省みる必要はあるでしょう。

人は皆、全員先生であり、生徒なのです。

またマルセイユタロットの場合は、自分を冷静に投影することができますので、これらのチェックを計ることもできます。

落とし穴のひとつの説明が長くなりましたので、もうひとつの落とし穴については、続き(明後日の記事)でお話いたします。

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