タロットリーディングトレーニング法

前回に引き続き、タロットリーディングの話になります。

今回は、タロットリーディングの具体的なトレーニング方法を少し語りたいと思います。

タロットリーディングの練習では、タロットを引いて、そこから何か意味を見出す訓練というのが一般的です。

しかし、タロットリーディングに限らずですが、何事も、ただ漫然とやっていては技術の(飛躍的な)向上は望めません。

たとえば、タロットを一枚引いて、そこから何か読み取ろうと、ああだこうだと考えていても、いつも決まった内容とか、少し覚えているそのカードの単語的な意味とかを出すというのがせいぜいです。

また、いつも毎回同じパターンの練習では、人間、飽きが来てしまうものです。

そこで、練習にも工夫がいります。

工夫の方法はいろいろとありますが、そのひとつとして、TPOと言われるように、時間・場所・状況によって、読みを変えていく訓練は比較的効果的です。

まず、「時間」です。

リーディング練習をする際、時間(制限)を設定することです。

限られた時間内で、いかに読みををするのか、あるいは発想・アイデアを出すのかの訓練は、いわば、パソコンでいうと、処理速度を上げるようなもので、それだけタロット的頭脳の回転が向上し、読みの力が増します。

また同時に、数を挙げる(出す)方法と併用すると、さらに効果的です。例えば、5分以内で、20の言葉を思いつくみたいな感じです。

次に、「場所」です。

自分の部屋ばかりでやっていても、気分や波動が同じになって、読みもワンパターンなものになりがちです。

そこで、思いきって、カフェで練習したり、他人の家で行ったりなど、場所を変えてみるのです。

また電車や車の移動中に、例えば、スマホやタブレットに入れたタロット画像を起こしてイメージし、読むという方法もあります。

別に機器やカードがなくても、イメージさえしっかりできれば、数の順番に言葉を思いついていく訓練をしていってもいいです。大アルカナだけでも22枚ありますから、時間つぶしにも結構使えるものです。

さらに自宅で行う場合でも、反対側(クライアント側)から見てみる(自分のポジションのチェンジ)というのもいいかもしれません。

最後に「状況」です。

これは状況・シチュエーション・問いを設定するというもので、皆さんもよくやっていることかもしれませんが、やはりリーデイングトレーニングでは役立つものです。

そもそも、何も問いや設定がないとタロットは読みにくいものです。

特に初心者ほど、問いは細かく設定したほうが読みやすい傾向があります。

それは、問いがはっきりしていると、そのことについてカードから情報を得ようと集中する(意識がフォーカスされる)ので、的が絞りやすくなるためです。

ただ、上達してくればしてくるほど、問いにはあまり意味を持たなくなってきますし、抽象的な質問からでも、具体的なものを導き出すこともできるようになります。しかし、最初のうちは問いを絞ったほうがいいです。

なお、トレーニングでは、ただ問いを設定して読むというのではなく、逆にカードを引いてから、設定や問いにあてはめるという方法も効果的です。

例えば、一枚引きをしても、「恋愛」だったらどう読むか、「仕事」の相談だったらどう読むか、「心理」的な葛藤の問題だったらどうか、というように、問題や問いの種類、状況の設定ごとに読み分けていくことをします。

これは小アルカナと併用して、四大元素・4組別に、大アルカナのカード一枚を分けて(分野ごとに分けて)リーディングするというやり方もあります。

すなわち、剣・杯・杖・玉(ソード・カップ・ワンド・コイン)別に、大アルカナを一枚ずつそれぞれにおいて、「剣の意味だったらどうか」「杯だったらどうか」と読んでいくのです。(この場合、小アルカナ4組の意味は、具体的で単純な言葉に置き換えてもよいです)

簡単で、かつ、リーディングトレーニングによって、自己を整理したり、確認したりするという一挙両得の方法としては、大アルカナ一枚について、行動・現実、感情や心理、魂・スピリチュアル(霊性)という階層別(性質・次元別)に読むという方法があります。

例えば、「自分は何をすべきか?」「自分はどういう状態か?」という質問で、「手品師」が出たとします。

「手品師」の現実的な意味では、そのまま「仕事せよ」「働くこと」「収入を得よ」ということかもしれません。

心理的には、「新しい自分になりたい」「散らかった心を整理したい」「優先順位を決めたい」ということかもしれません。

魂的には、「あなたのやっていることは必要ない」「「すでにそのレベルにはない」「霊的な入り口に来ていること」かもしれません。

※これらの読みは、あくまでひとつの例に過ぎません。タロットは象徴ですから多様に読むことが可能です。

もっと簡単に、占い的に、「どうなるのか」という問いに答えて読む場合と、解決的に「どうすればよいか?」に答えて読む場合とに区別してみるのもいいですね。

あと、少々他人が見ていると滑稽になりますが、一人でやる場合だとできる方法で、タロットの人物になりきって(カードの絵柄が人物ではなくてもできます)読むというのがあります。

自分が、例えば「世界」のカードの中央の人物になったようにイメージして、感情や思考を書き留めます。

実はイメージだけではなく、本当にタロットカードの人物のようなしぐさ、態度を自分が模してやると、よりカードの気持ちになることができます。(だから人がいると恥ずかしいものになるのです・・・(笑))

これは、カードのメインの人物だけではなく、細かな象徴の動物とかモノでさえも、慣れたらできるようになってきます。

カードを生命のような息づく存在として感じる訓練でもあります。

頭や思考で何とか意味をひねり出そうとしても限界がありますので、むしろ、こうしたイメージとか感情に浸るようなアプローチが、斬新な意味を見出したり、実際のリーディングの場でも、伝えたいことが感じられたりして、有用なこともあるのです。

それから、何もカードを引くことばかりがリーディングのトレーニングとは限りません。

カードを引かない方法もたくさんあります。

つまりは、カードに描写されている象徴性を、他の分野の印象から呼び起こすというようなものです。

絵画の鑑賞、映画・小説など、ストーリーになっているもの見たり読んだりすることで、カードの象徴性を思い起こし、どれに該当するのかを確認していきます。

簡単に言えば、外側のもの(自分の外で起きたこと、経験していることなど)をタロットに置き換えて見るという方法です。

この方法は、実は特別な修行(タロットを現実の力と結びつかせる作業)に近いものなのですが、それは考えなくてよいです。(笑)

いずれにしても、書き留めるということは大切です。

トレーニングで、やりがちなのは、カードを読んだり、意味が思いついたりすれば、それで終わりというパターンです。

ただ頭に浮かんだことで、やった気になってしまうというものです。

自分ではトレーニングしているつもりにはなっていても、積み重ね、蓄積、データとしては残りにくいのです。

人は忘れやすい生き物です。

ですから、やはり、せっかくトレーニングして、出た言葉とか意味とかは、ノートや資料などに書き込んでおくことです。

それを繰り返し読み直すことで、自分の中で、印象だけではない確かな言葉・知識・データとして固まってきます。

ここにご紹介した方法(の一部)は、すでにやっている方もたくさんいらっしゃると思いますが、それでも皆さんのトレーニングの何かの参考になれば幸いです。

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