相談するというスタイル
カモワンタロットの特性を考えて、じっくりと腰を据えて、落ち着いたスペースで相談をしてもらうべく、しばらく自宅でのリーディングを行っておりましたが、この度、そのスタイルを変更することにいたしました。
正直な話、なかなか自宅での鑑定ともなりますと、皆さまのほうで身構えてしまい、どうしてもおっくうになるでしょうし、気軽に相談・・・という感じではなくなります。もっとも、こちらのほうが大きい要因ですが、私自身の力不足、アピールの欠如など怠慢な面もあったことも事実で、「たとえどんな所だろうと、相談に訪れたい」という魅力がなかったことも感じております。本当に反省しきりです。
ということで、当面は私のほうからクライアントさんのご指定の場所におううかがいしてリーディングする方式と、もっと気軽に相談してもらうため、あえてメールでのリーディング相談も受け付け、今までの相談形態を改めさせていただくことにしました。
今の日本には、なかなか自分が困った時にかかりつけ医のように、話を聴いてもらって、心の負担の面倒をみてもらうような場所がありません。普通は友人か家族に相談するものでしょうし、ましてや有料で悩みを聴いてもらうなど、病気でもないのにありえないと感じられる人が大部分でしょう。日本人の責任感の強さや、コミュニケーションスタイルにも関係しているかと思います。
しかしながら現在、かつてのムラ社会での近接的な地域での関係(みんなで助け合う、面倒をみる)や、大家族あった時代からは移り変わっています。一方でメディアの発達や、携帯やメールなど新しい通信機器でのコミュニケーションの爆発的な発展はあるものの、孤独感や本当の意味での語らいができない人間関係の恐れと飢餓感も増え続けています。従って、たとえ人とのコミュニケーションが時間的に増加したからと言っても、自分の心のうちを開放してストレスを和らげるということは、日常的には少なくなってきているともとれ、精神的ストレスはますます増加の一途をたどっているのではないかとも想像されるのです。
そのような社会においては、身近に自分のことを相談できる専門家や場所を確保しておくことは、大切になってくるかと思います。もちろんそれは、相談を生業とする私自身でさえもいえることなのです。
今まで一般的には、「高齢者の方のお話し相手」というものに関心がありました。高齢社会になる日本では、これからもその需要は大きなものがあるでしょう。しかしながら、そこまで年のいっていない人にも、話し相手は必要な時代にさしかかっているのです。それはもはや、恥ずかしいことでも何でもありません。誰もが不安を抱えています。不安は誰かに話し、サポートを受けているという実感を得られるだけでも非常に軽減されることがあります。家族や友人に話せない、あるいはそうした人が身近にいないなどのことでお困りのことがあれば、私のところに限らず、相談できる人や場所を探してみてはいかがかと思います。そうして、「日常生活において困ったり、疲れたりした時は相談する」というひとつのスタイルが多くの人に確立されていけば、リズムの変調も少なくてすみ、本当のやりたいことや、するべき事柄に集中できる環境が生まれやすくなるでしょう。また自分に余裕ができれば、人に思いやりをもてることもでき、いずれはもっと穏やかな社会へと変わっていくことも期待できるのではないでしょうか。