「神の家」を例にしたタロットのシステム

タロットには「神の家」というカードがあります。


一般的なタロットカードの名称では、「」という言葉で通っているため、そちらのほうが有名でしょう。


「神の家」と「塔」では名前も違いますが、意味合い的にも違いが大きいです。


私のようにマルセイユタロットで「神の家」と意識している者と、「塔」という名前で覚えられている方との大きな相違点は、このカードがネガティブと解釈するかどうかのところでしょう。


もちろん「神の家」でもネガティブの要素もありますが、「塔」と呼ぶ方では、かなりネガティブとしてしか読めない人も多いと聞きます。


これは使用するタロットの絵柄の違いの要因が大きいことと、そもそものタロットの使い方の設定によるところもあります。


占いで吉凶的に使う場合は「塔」のような解釈になることがほとんどでしょうし、そういう使い方や設定が間違っているわけでもありません。


単にそういう設定である、そのような決め事でタロットを使っているということです。


タロットはいかようにでも使える優れたツールです。つまりは(最初の)自分の設定によって、タロット一枚一枚の意味や解釈も異なってきますし、もっというとタロット全体の意味も変わってくるのです。


「タロットはゲームだ」と設定すれば「タロットとは遊戯道具の意味になる」ということです。


さてそんな「神の家」なのですが、私の場合は上述の設定(タロットにあてはめる意味と目的、解釈)をひとつだけではなく、複数採用してリーディングしています。


つまり、時には吉凶的要素や占い的な要素も入れることはあるということです。それはどういった基準によって使い分けているかといえば、最終的にはタロットの霊とのつながりような感覚です。


「そのようにタロットの霊がささやいた」(と感じる)場合、「神の家」が一般の「塔」的な解釈と使い方になることがあります。


それとは別にタロットを自己の向上、霊的進化の道だと考える技法(設定)においては、(カードの)「悪魔」との関連でリーディングすることがあります。


マルセイユ版の「神の家」の絵柄では、雷光のような光が降りてきてはいても、建物は堅固であり、崩れているようには描かれていません。


ただ二人の人間が逆さまになっている様子は描かれています。


このことから建物(組織なども象徴します)から人物が出ている(落ちている)とも解釈できますし、反対に建物を積み上げていく(完成させていく)ために二人が足下を見ている(モノを拾い上げている)、勢い込んで転ぶほど入りたがっているとも読むことができます。


ということは出るか入る(積み上げる)かで、まったく別の解釈が浮上してくることになります。同じカードなのに矛盾していますよね。


どちらの解釈を選択すればよいのか。


実はタロットでは「神の家」に限らず、一枚の中にこうした矛盾する読みが同時に出ることはよくあることです。そこがタロットの面白いところでもあり、常識から解放するきっかけにもなるのです。


判断の方法はいくつかあるのですが、「神の家」の場合は隣の数を持つ「悪魔」との比較、または「星」と比べることによって可能な場合があります。


簡単にいえば自分の準備や心構えによるということです。


「神の家」を活かすも殺すも実は「悪魔」(のカード)が大きく関係してきています。


タロットにはいろいろな解釈が成り立つので、そこで学ぶ者にとっては混乱もするのですが、それについては画期的ともいえる非常にわかりやすい整理方法とシステムを私は開発しています。


それは今までの講座でも少しずつ場面によって解説はしていたものですが、体系的に説明するのは今度の秋期講座 からが最初になります。


これを学ぶと今まで複層的に解釈できていたタロットの意味を、どの場面でどのように選択リーディングすればよいのかの整理がついてきます。


いずれにせよ、タロットは複層に読むことができるのが当たり前であり、その訓練が自分の人生での解釈と生き甲斐、意味の解読にも役立つのです。

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