本当のバランスとは?
タロットカードでも「正義」のカードの天秤が示すように、バランスということが大切だと強調されています。
ほとんどの方はそれはその通り(バランスが大切)だと認識されていることでしょう。
しかしながら、バランスについては私たちは本当に理解しているのでしょうか?
たとえば、バランスのよい食生活ということで、野菜や肉・魚などいろいろな要素を含んだ食事をそれこそ「バランスよく」三食食べることがよいと思われています。
けれども中には肉ばかりの食事で健康的な人もいますし、ベジタリアンの人は野菜中心で生活されています。食事回数も二食や一食で十分であり、そのほうが調子がよいという人もいます。
いやいや、「やはりきちんと調べてみれば、偏食をしている人は何か問題があるはずだ」と主張される方もいらっしゃるでしょう。
でも食事だけではなく、運動やスポーツを適度に「バランスよく」していたほうが健康だとか、仕事と趣味(遊び)をバランスよく配分したほうが充実するとか、世の中にはバランス賛美、バランス至上主義みたいな考えがあふれかえっているように思います。
ところが、先述したようにおよそ「バランスがよくない」と思われる人でも、普通に生活してできているどころか、成功したり、人生を謳歌していたりするように見える人が大勢います。
これはなぜなのでしょうか?
私は実はこういった人も本当はバランスが取れているのだと考えています。
言って見ればバランスという概念をどこまで拡大できるかという点がポイントだと思います。
狭い視野でバランスをとらえようとすることに問題があるのです。
それこそ食事でいえば「肉か野菜か」だけのことになり、極端にいえば「肉と野菜を毎日半々食べていればバランスが取れるのだ」と考えてしまうようなことです。
バランスを考える時、できれるだけ広く見ていくことが必要で、できれば宇宙的な規模まで拡大すれば本当のバランスというものがわかってくるのではないかと思います。
まあ、実際には宇宙的と言っても大変なので、やはり普段から視野や視点を広く持つこと、知識を入れて選択や幅を広げて行くことが大切だと感じます。
そうすれば不均衡なのに充実しているように見えていた人でも、やはりバランスが取れていたのだということがわかるのではないでしょうか。
ですからこのことを逆に考えれば、私たちは自分の思いこみで人のバランスを取ることは危険でもあるということになります。
その人なりに実はもうバランスが取れているかもしれないのです。それをお節介のごとく、あくまで自分の考える「バランス」によって他人に押しつけてしまうと、逆に問題になることもあるのです。
おそらくタロットカードの「節制」はそのことをよく理解したうえで人を救済していると思えます。
結局のところ、宇宙の真理・バランスを知ろうと努力することが自他ともに救済につながっていくとタロットからも考えられるのです。
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