・・・ぽい、という表現。
最近の人、特に若い人で「○○ぽい」という、何かの様子を表現する際に「ぽい」という言葉を使うようです。
その使い方のよしあしについは言及しませんが、これにはなかなか面白いところがあります。
しかも「タロットリーディングに役立つ」と言われたら、あなたも興味深くなるかもしれません。
タロットの絵柄は象徴でできています。細かい絵柄の部分もあれば、一枚そのもの、またカードの集合・コンビネーションによっても象徴があります。
象徴の概念を説明すると難しくなるのですが、あえてシンプルに言えば、「本質を理解するためのたとえ」です。
「それそのものではないけれど、それを形や状態で表現しているもの」と言ってもいいでしょう。
ですから、実は人が「・・・ぽい」と言っているのは、象徴を使っているのと同じことになるのです。
「たとえば、「あの人、猫っぽい」とある人が話したのなら、猫という動物からその人が思い浮かべるものを相手にイメージしているということになります。
ここで重要なのは、猫に似ているということではなく、猫の中にある「何か」、話した人が猫に抱いている本質ともいうべき「何か」を相手に見たということなのです。
まあ、もちろん相手が本当に猫そっくりの動きや顔をしていたということもあるわけですが・・・(笑)
しかしたいていは、猫そのものを言っているのではなく、猫の持つ何かのことを当てはめているわけです。
この「何か」にあたるのがタロットでいえば、カード一枚一枚の本質・元型です。
それに近づくためには、それこそ「・・・ぽい」と、最近の若者よろしく皆さんもカードのことを表現してみるとよいでしょう。
「愚者って○○ぽい」「正義は□□ぽいよね」など語ってみてください。
私のマルセイユ基礎講座(ハイクラス)では、この感覚を引き出すための練習を、ある方法をもって最初に行っています。
最初から意味や言葉でダイレクトに覚えてしまうと、カードの本質を把握することができなくなります。それはやがて早い内にリーディングの固定化、限界を迎えたり、ひどい時にはタロットへの興味を失ってしまったりすることもあります。
そのためには、カードを様々な感覚で表現することが重要なのです。
カードを自分の言葉で表現できてくると、カードの持つ本質が次第に自分の「感覚」としても身に付いてきますので、今度は「●●って愚者っぽい」というように、カード自体があらゆることの表現の元となってきます。
そうするとかなりカードのことが理解できてきたと言ってもよいでしょう。
この過程で、自分にとってわかりやすい(表現しやすい)カードと、そうでないものが出てきます。これも自分の状態や心を見つめるうえでは関係し、重要なことになります。
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