タロット、占星術、カバラー
占星術では惑星を象徴として見立て、様々な事柄・出来事などと対応させます。
言ってみればタロットのカード(の絵柄)のようなものです。
古典的には月や太陽も入れての7つの惑星、すなわち月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星を使いますが、現代ではさらに外惑星の3つ、天王星、海王星、冥王星も使用し(先頃、冥王星は天文学的には惑星ではなくなりましたが・・・)、さらには小惑星や仮説上の惑星も使われることがあります。
いずれにしても、だいたい7とか10という数が導かれます。また黄道十二宮といわれるように、太陽の通りの道から導き出されたサイン(星座)の数は12です。
もし10と12を合わせるとすれば22となります。
こうした数がタロットの構成枚数とつながってきますので、数の面から言ってもタロットと占星術は関連させやすいものになっています。
一方、カバラーというユダヤ(教)発祥で西洋に広まった密儀・神秘主義思想があります。
これ(主としてクリスチャンカバラー)の核となるものに「生命の木(樹)」という図があります。
ここにも10個のセフィラー、22本のパス(小径)という象徴の数が出てきます。
このため、やはりカバラーもタロットと関連づけられ、特にウェイト版などはカバラーの生命の木と強く関係させていると想像できます。
おそらく、アストロロジャー(占星術師)やカバリストたちは、それぞれにタロットは取り込まれる(タロットが後からそれぞれを取り入れた)ものだと主張されるでしょう。
歴史的に見ても、タロットのほうがそれらふたつより後発であることは、たぶん事実ではないかと思います。
ですからタロットが占星術やカバラーの影響を受け、教義などをその画像に象徴させたことは十分考えられます。
とはいえ、私が個人的に思うのは、占星術にしろ、カバラーにしろ、タロットにしろ、それぞれが別個で完成された象徴体系であるというものです。
どの分野においても、ある意味究極の目的である「宇宙との合一」のようなものの秘儀が伝えられているのではないかと感じます。
いわばゴールや登山における頂上は同じでも、ルートや道筋・方法が違うのだということです。
同じ目的があるので、長い歴史の間にはそれぞれの道と比べ合うこともあったでしょうし、結局ルートの特徴を把握したり、効率化を図ったりするうえで、それぞれの分野で教義の混交も生じたと考えられます。
その鍵(つなげる骨子)となるのが、最初にもご紹介したように、まずは「数」ではなかったかと考えられます。
古代における数は、現代でも「数秘術」として数を象徴的に見る方法が一部伝わっているように、今の私たちが考える「数字」とは異なる思想を持っていました。
そしてもうひとつが次元やレベルの考え方です。これはヘルメス哲学にも述べられていることでもあります。
タロットと一緒に占星術やカバラーを学べば、それだけ頂上へのルートを比較検討しあうことにもなり、自分がどのあたりにいるのかが逆に明確になることもあります。
また純粋に知的好奇心が満たされ、知識としても増えます。タロットにおいても、占星術的なリーディング、カバラー的リーディングも加わって、よりシンクロニシティの幅が拡大されるでしょう。
これは同じタロットを使っていても、道具・ツールとして重さや奥行きが異なってくるということでもあります。
しかしながら、無理矢理すべてを関連づけようとすると、もともとは別個の体系(これは私の個人的思いですが)だったと考えられますので、どこかに矛盾や相容れない部分が出てくるでしょう。
そうするとタロットそのものを変える(例えばカードの順番などの変更)か、ほかのもの(占星術やカバラー)をタロットに強引に結びつかせるか(例えば占星術の惑星とサインを大アルカナに配当させるなど)しないと自分の中で整合性がとれなくなります。
ですから、私自身はタロット(マルセイユタロット)はそれ独自で完成された体系だと認識するようにしているのです。(ほかのものは関係ないとするのではなく、根源及び資料的に関連するという見方をしています)
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