数に関する当たり前で特別な効果。

タロットでは一般的に大アルカナ小アルカナというカードの構成に分かれます。


このふたつがどのように関係するのかは一概には言えないのですが、マルセイユタロットの場合は大アルカナと小アルカナ、特に数カードと呼ばれる小アルカナのパートは明らかにスタイル(絵柄)が異なるので、大と小の使い方や考察にも自ずと違いが出てきます。


一方で大と小は同位であり、何の違いもないという考え方もあります。大でも小でも絵柄や構図は均一という種類のタロットカードもあります。


それはともかく、私の観点では大アルカナは抽象的・統合的なものを表すのに対し、小アルカナは具体的・個別的なものを示すととらえています。


そして小アルカナの中でも先述した数カードの場合は、「」と名前がついているだけに、数と関係してきます。


長々とタロットの構成の話をしてきていますが、実は今日の話題は「」の話なのです。今までは前振りでした。(^_^;)


小アルカナが具体的なものを表すということならば、数カードは数に関係した具体的な事柄が象徴できるということです。


数に関係する具体的なものと言えば、まずは数値であり、数量であり、月日や時間となります。


本当はここに「質」や「様態」ともいうべきものも入るのですが、それは「数」の概念について古代の考え方を説明しなければならず、今回はあえて省きます。(いわゆる「数秘」的な考えはこちらの範疇に入ります)


要は、私たちが数字を見れば思いつく身近なことです。たとえば今月は1月なので、「1」という数が今月を示すという単純なものです。


単純ではありますが、数(数字)だから具体化・個別化できるという点が大切なのです。


数と物事が結びつくことにより、ある特定のものを具体的にピンポイントで示すことができるからです。


先の例でいえば、単なる歳月(としつき)という概念があって、それに「1」という数字が合わさることによって、「1年」なり「1月」が特定できるわけです。


また数量としてみれば、図式化することで「」になり、グラフのようにして一目瞭然に目で認識することも可能になります。


何が言いたいのかといえば、私たちは忘れがちな事や、言葉ではわかりにくい事柄を、数字によって表すことにより、心に留めておくことができる(記憶しやすい)ということなのです。


今日は1月17日です。1.17といえば神戸では今日の日を指し、阪神大震災の祈念日になっているのです。


同様に、昨年起こった3月11日の東日本大震災による数々の被災・被害も3.11として皆の記憶に残るものになっています。アメリカの9.11もそうです。


単なる日付ではありますが、特別な意味を込めることができ、この日付という数があるからこそ、風化はあれど毎年月日は巡って人々の印象を促すのです。


それはつまるところ、「数」の具体化から来る象徴のおかげです。


私たちが1.17や3.11を通して震災のことを想い、亡くなった方々を悼み、命のありがたさを感じて防災や復興に意識を向け、日本や世界の変革を思う時、それはもう大きな象徴へと数が変化しているのです。


タロットでいえば小アルカナから大アルカナへ移行し、心や魂を大いなるものへ融合して高めていく作業と同じです。


その時数は、単純な数値を超え、全体としての心のシンボル・象徴ともなりうるのです。


私たちは、このように「ある日付によって象徴される特別な日(内容)」は、少なくとも忘れないようにしたいものです。

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