タロットを学ぶために読む本とは?

タロット講座でも時々質問があるのですが、「(テキスト以外)どんなタロットの本を読めばいいのですか?」と聞かれることがあります。


これがウェイト版(ライダー版)の場合は、結構解説書の類がたくさん出ていますので紹介しやすいかもしれませんが、私の扱っているタロットはマルセイユ版なので、数が非常に限られています。


ですから適切な本というのはなかなか紹介しづらいのが実状です。


でもタロットとして一緒でしょ? と初学者の方は思われるかもしれませんが、タロットの種類が違えば絵柄も象徴も体系も異なることがありますので、ほかのタロットの種類の本を最初のうちから読んでしまうと、余計混乱することにもなりかねません。


たとえて言えば、日本語しか知らない人が、初めて英語とフランス語を同時に学ぶようなもので、外国語・アルファベットとしては共通していますが、個性・具体さでは違っているものなので二つが混交してしまい、学習の障害になることもあるのです。


タロットの場合は、タロットが表す全体性の象徴(タロットの種類にほとんど関係なく根源的に象徴されているもの)がある程度理解できなければ、ほかのタロットを同時に学ぼうとしても難しいわけです。


逆にいえば、ひとつのタロットでタロットが示す大きな象徴がわかってくれば、ほかのタロットを理解することも可能になりますし、その違いも一緒によく見えるようになります。この段階では、どのタロット本を読んでも参考になるでしょう。


ではマルセイユ版を学ぶ場合、日本ではどうすればよいのかということになりますが、私がお勧めしているのは、タロット本からあえて離れることです。


タロットの象徴を把握し、理解を助けるものとしては、実はタロット以外の事柄・知識とタロットとの関連性を見い出すことにあります。


タロットそのものの意味をいくら暗記したところで活用性は薄いです。


タロットに血肉や心を入れるのはあなたの自身であり、それは自分の体験や経験、自分の知識になります。


ですから、何もタロットの本を読むのではなく、いろいろな各方面の本を読めばいいのです。心理や精神世界の本がタロットとリンクをつけやすいので、そこから入るのもよいです。大切なのは、タロットと結びつきをつけていく姿勢です。(段々自然にできるようになります)


そしてマルセイユタロットの背景にはヨーロッパ関連の様々なことがあり、もっと遡ってギリシア・ローマ、エジプト・メソポタミア、イスラエル(ユダヤ)などの歴史・教え等もあります。さらには中東方面・インドや中国、日本の宗教・哲学なども関係させることもできます。


そうした本を読んでタロットで思考していくことのほうが、よほどタロットの理解と活用につながります。


本だけではなく、実際にマルセイユタロットの故地などを訪ねるなどもよいでしょうし、旅が無理ならば映像や写真を見るだけでも効果があります。


簡単にいえば、日本を含め、多(他)文化に関心を寄せてみてはいかがでしょうかということです。多文化というのは、横(国・地域の関心)だけではなく、(時間としての関心、つまり歴史など)の文化の多層さも意味しています。


マルセイユタロットは実によくできている象徴体系なので、タロットを理解するために多文化を調べると、逆にタロットにより多文化を理解することにつながるという特性もあります。


それができるのは、優れたタロットの象徴性があるからなのです。

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