タロットの枚数がたくさん出る効果。

マルセイユタロットで、カモワン流と呼ばれる流動スプレッドでは一度にたくさんのカードが出ることがあります。


私独自のスプレッド(タロットの並べ方)でも少ない数のものもありますが、多く出るスプレッドもあります。


カードがたくさん出るスプレッドでは、それだけ情報量が多くなりますので、リーディングが難しくなることがあります。しかし反面、利点もあるのです。


またケルト十字など場所に意味が固定されているもので、カード単体が中心のスプレッドよりも、カード同士が組み合わさるコンビネーション的なもののほうが、さらに情報量は倍加していきます。


そうなると、結局、莫大な情報量をどう処理するかにかかってくることになります。


その鍵となるのが象徴による同質性の発見になります。


象徴というのは具体的なものではなく、抽象的な概念です。ある形やものがひとつの固定された意味を持つのではありません。


たとえば赤い丸があれば赤信号にも見えるでしょうし、太陽や日の丸に見えたり、時には血に見えたりすることもあるというのが象徴の働きです。


これを逆にいえば、「赤丸」によって、「太陽」も「血」も「信号」もつながりがもてることになります。


つまり絵や形に象徴的な意味をもたせることで、無関係だったものがつながってくるわけです。


それが象徴による同質性の発見であり、グループ化と言ってもよいでしょう。


ですから情報量がたとえ多くなっても、象徴をしっかりと理解できるようになれば、多くの情報の中から、クライアントや自分にとっての問題・テーマに結びつくものを取り出すことができるのです。


むしろ情報が多ければ多いほど、根拠となる同質的象徴の資料も増えることになりますので、データ的説得力が増します。これは論理的でもあるのです。


タロットといえば非論理的、直感の代物のよにう思われがちですが、このように象徴によって偶然出たカードの多く(の情報)から同質性を見て、メッセージを論理的に受け取ることもできるのです。


マルセイユタロットの場合は、これが極めて精巧になるよう作られています。


そして、またこの訓練(たくさんのランダムに見える情報から共通点や同質点を見つけ出す)を重ねていくと、私たちが暮らすこの世界での情報を、自分にとって価値あるものへと理解し直すことができるようになります。


それは無秩序で膨大なものから、共通したつながりや意味を見い出し、世界を秩序化して再構成することに似ています。


自分にとって意味があり、秩序ある世界となりますと、自分のオーダーも通りやすくなるのです。


こうして創造的な生き方やスムースな人生に向かって進むこともできるようになります。


このための訓練道具として使用できるのがタロットであり、占いに使うより、こうした使い方のほうが本来のタロットに近いものではないかと私は考えています。

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