「運」について考えてみよう。
運がよくなることというのは、占いでもメインテーマといえるほど人々にとっては重要です。
占いで相談をされる方は、皆運がよくなりたい、運の良い方向に自分を導きたいと思っていると言っても過言ではありません。
そりゃそうですよね、誰も運を悪くしようとわざわざお金を払ってまで占いをしようとは思いませんから。(笑)
そして実際に、私たちは自分でも運がよい時、悪い時というものを実感しますし、世の中や他人を見ていても、「この人、きっと運が悪かったんだ…」「あの人って、とってもついてるよね!」などと思います。
ということは「運」というものは目に見えないものではあるけれど、確実に、少なくとも人々の思いの中では存在しているものだと考えることができます。
事実、すべての事象を象徴的に表していると考えられるタロットカードにおいても、「運命の輪」という「運」の名前を冠したカードが一般的に存在します。
こうして見ると、古くから「運」というものは象徴化されたり、時には神(女神が多いです)として擬人(人物)化されたりして、この目に見えない不確かな現象・「運」というものをとらえようとしていたことがわかります。
つまり今も昔も「運」は人々の大きな関心を引き寄せているものなのです。
逆にいえば、「運」を解明したり、会得したりすることができれば、この世の中の仕組みのかなりの部分を理解したことになると言ってもいいのかもしれません。
それゆえ、マルセイユタロットの「運命の輪」は大アルカナの中でもほぼ中間の「10」という数がふられており、個人的にはこの数があてがわれていること、大アルカナの位置としても非常に興味深いところがあると考えています。
ただ反対に考えれば、運がわかったところでまだ半分の過程でしかないということにもなります。
ですから「運」に関心を持つことはこの世のからくりを解明するうえでとてもよいことである反面、それに囚われすぎても、せいぜい半分程度の悟りにしかならないということであり、まだもう半分もの重大な秘密とプロセスが大きな意味では隠されていると見ることができます。
ところで、皆さんは「運がよいこと」というのは発生するものだと思いますか? それとも、もともと起こっているものを何らかのことで発見できたものだと考えますか?
後者のほうは何のことを言っているのかわからないかもしれません。
そもそも「運」という言葉だけを見た場合、それには「幸」とか「不」とかの文字がついていないですから、つまりは幸運でも不運でもないとなります。
ということは幸運でも不運でもない「運」という状態やものがあるのだと考えられます。
それは何なのか? どちらでもないのですからニュートラルなものだとも推測できますし、また中間に留まるだけではなく、どちらかに変化するものであるとも想像できます。
先の話に戻りますが、「運がよい」ということは、運に「よい」という字や意味が加わっているのですから、「運」だけの意味や状態とは異なっていることがわかるでしょう。
従って、「運がよい」ということは運がどちらかに傾いている(またはどちらかが多くなっているように見える)か、運そのものが変化していることだと思うことができます。これは「運が悪い」ということでも同じですね。
ここからは難しくなります。
運がどちらかに傾いているのと、変化しているのとではどう違うでしょうか?
悩みますね。。。私の考えでいえば、実はどちらも同じだと思います。
そしてそのことが、運の良さ(悪さ)は発生していると見ることもできますし、もともとあるものを見つけたと言えることにもなります。
幸運には「ツキ」「ついている」という言葉がありますが、不運のほうにも「ツキモノ」「憑いている」という表現があって、面白いですね。
そしてタロットカードの「月」と「運命の輪」のふたつのカードを見ることも、「運」について考察する材料を与えてくれます。
今回はあえて「運はこういうものだ」とか、「このような意味だ」など明確には説明しません。
それはそのこと(明確になりそうでそうでなく、あやふやのようで規則があるように思えること)こそが運の本質だと私は思っているからです。
今日書いてきた中で、「運」についてはたくさんのヒントをタロットとともに出しました。もちろん私の考えや思いが正しいわけではなく、マルセイユタロットから見た単なる一考察です。
是非皆さんも、この魅力的な(笑)「運」について考えてみてください。
「運」が古来より「女神」で表現されているのも意味があることです。まあ、人によってはイケメンで象徴される方もいらっしゃるかもしれませんが。。。(笑)
最後にひとこと念を押しておきますが、運について考えることと、運に振り回されることとは別になりますので、ご注意ください。また運をコントロールすることが目的でもありませんよ。(過程になることはあります)
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