タロットリーディングの上達には。
何事も基礎からコツコツ積み上げることで、完成や一定のレベルに達することができます。
これはタロットリーディングにおいても同様です。それは「神の家」というタロットカード自体がよく表しています。
しかし最初からよく読める人もいないわけではありません。
その場合はたいてい現実的な理由と目に見えない精神的・霊的な理由があります。
現実的な理由というのは、ある技術や知識で相当なものがあり、いわばそれによって直観力がすでに備わっている人の場合です。
仕事ができる人、ある芸事に秀でた人などはこのタイプになります。
言ってみれば、自分のフィールドによって培われた経験によるカンがさえている人で、それは本質を見抜く目をもっていることになります。こういう人は実は何をやっても鋭くなります。
ですが、逆にいえばタロットによってそれを身につけることもできるのです。
もうひとつの現実的・常識的理由ではないものですが、これは正しいかどうか証明は難しいのですが、過去生ということをふまえますと、過去に自分の魂が似たような経験をしてきているというものです。
魔女や修行系みたいな人が多いかもしれません。
こういうタイプの人は直感力が働くのですが、同時に何か「これをやってはいけない」というような抵抗感も生じることがあり、せっかくの才能(経験)を殺している(抑えている)場合が見受けられます。
おそらくタロットや霊的な何かを過去していて、魔女狩りとか不幸な体験をした記憶があるのでしょう。
ただ私は、魂の輪廻転生は霊的な考え方のひとつとして信じていますが、純粋にひとつの人間の心が繰り返し転生するとは思っておらず、いわばそれぞれの記憶・データ(人生経験)の一部が取捨選択・複合されてまた新たな魂に組み込まれると想像しています。
ですからタロットに関連する過去生があったとしても、それは今の自分というより、過去の誰かの記憶や体験を有して生まれ持っていると言えます。
しかしここが肝心なのですが、そのデータを入力されて生まれる理由があったということが大事なのです。これがカルマのようなものだとイメージできます。
それはともかく、こうした過去生的なものの記憶と経験により、タロットを読む時、直感力が働くので最初から読める人もいるのだということですね。
あとこれは現実的な理由になるのですが、タロットと似たような象徴ツールを使いこなしている人、理解のある人はやはりタロットリーディングにはなじみやすく、特に西洋占星術・カバラは根としては同じものを共有していますので、相性はよいでしょう。
ところが、それらでも表面的な知識だけでいて、さらにそれが凝り固まった状態の人は、かえってタロットが読みづらくなります。それは象徴を象徴として理解せず、ただ暗記のような形で物事を覚えてしまっているからです。
当然ながら、占星術でもカバラでもタロットとは相容れない解釈の部分も出てきます。
特にマルセイユタロットはマルセイユタロットとしての独自性・孤高性があるため、後世によくある、占星術・カバラ(の生命の木)になぞらえてタロットが作り直されたというようなものでないと考えられますので、それが顕著です。それでもそれぞれを象徴として理解していれば、融合させることも可能なのです。
話がそれましたが、このように初めからタロットになじみがあって、たとえ比較的よく読めたとしても、やはり積み上げがないままではやがてすぐ限界が来ます。
うさぎと亀の競争ではないですが、結局は亀のようにコツコツ蓄積していったほうがよくリーディングできるようになります。
もともとなじやすい人の上に努力も続けられる人となると、相当すごいことになるでしょう。
しかしながらそういう人は、ほかの技術や分野で活躍することも多く、タロットそのものを極める時間と情熱はあまりないかもしれません。
いずれにしても、このように継続してタロットを追求いくわけですが、人によって蓄積されたものが爆発(解放)されるにはタイムラグ(時間のずれ)があります。
それが長い人もいれば、短い人もいます。
これは少しずつタロットが理解できたり、リーディングがうまくできたりするようなことだと思えるかもしれませんが、確かにそれはそうなのですが、リーディングの場合は、突如としてよく読めるようになることがあります。それに至る時間の(ズレの)ことなのです。
いわばコップに水を注いで、それがあふれ出すための時間ということになります。このあふれ出した瞬間こそが、突然にリーディングへの開花があったということを示します。
これはスポーツや芸事でのコツをつかむことにも似ています。
指導を受けながら努力を続け、それでもなかなかうまくいかない時もありますが、急にある瞬間にうまくできるようになる、コツがわかるというものなのです。それはもちろん積み重ねた努力あってのものです。
それゆえマルセイユタロットの「神の家」は内から爆発したようにも見えますし、外から衝撃を受けたようにもとらえられるうえに、下段からしっかりとしたブロックが積み上がっているのです。
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