わかちあい 「太陽」
タロットには「太陽」というカードがありますが、このカードは比較的タロットの種類にかかわらず、どれも同じような絵柄や雰囲気になっているカードのひとつだと思います。
とはいえ、一応ここで私がタロットといえば、特に断りがない限り、「マルセイユタロット」の絵柄ですので、今から「太陽」に関係する話を書きますが、それはマルセイユタロットの絵柄をもとにしていると考えてください。
さて、その「太陽」 このカードに限らず、どのカードにおいてもそれが表す一般的・普遍的意味合いはあるものの、タロットカードのよいところは、それ以外の個別的な意味も想像することができるという点です。
ただその個別性(その人その人に応じた意味合い)も、決してそのタロットの絵柄とは無関係ではなく、つまるところ普遍的な意味に通じるところがあるのです。
そのつながりを意識せずに、タロットカードの普遍的な意味と個別的な意味を考察しないで読むことは、タロットを活かしきれていないということになるのですが(リーディングそのものが目的ではないということを示唆しています)、その話は機会を改めてまた別にします。
さて「太陽」の話に戻ります。
このカードには、さんさんと輝く太陽のもとで二人の裸の人物が肩を抱き合っているかのような図柄が描かれています。
マルセイユタロットの場合、数が隣り合うカード同士を考察すると、もっと意味が深まることがあります。
「太陽」もまたしかりで、隣の数を持つ「18の月」や「20の審判」(「太陽」は19)と一緒に見ていくと、いろいろなことが見えてきます。
そうして「審判」に注目しながら「太陽」を意識しますと、私の中には「分かち合う」というテーマが浮かんできます。実は「月」と重ねてもそう感じます。
「分かち合う」と言えば、何かをともに分け合うということですが、よく、「喜びも悲しみも分かち合う」と表現するように、モノの分かち合いだけではなく、精神・心の分かち合いの意味も大きなものがあります。
人はうれしい時は誰かに話したくなるものですし、逆に悲しい時も気持ちをわかってほしいと人を求めます。
これを喜びと悲しみのふたつのパターンにわけて、改めて考えてみますと、
1.喜びの時に分かち合うと、その喜びは倍になる
2.悲しみの時に分かち合うと、その悲しみは半分になる
ということが、(象徴的にですが)言えるのでないかと思います。
うれしいことを報告する相手がいる、一緒に喜んでくれる人がいれば、自分のうれしさも、「それを喜んでくれる相手がいる」ということで倍増されます。
また相手の笑顔の反応を見て、自分の笑顔も増えますよね。まさに相乗効果です。
反対に自分が落ち込んだり、悲しい時にある時、それを打ち明ける相手がいれば、苦しいことを話す=放(離)すことにつながり、かなりほっとした気分になります。
さらに相手が、「そんことないよ」とか「よくやっているよ」「それは無理もないよね」など共感してくれれば(反応を返してくれれば)、こちらの気持ちをわかってくれていると感じ、当人は癒され、気持ちの整理がつきます。
つまりは悲しみや苦しみが半減する(消失することさえあります)のです。
まさにこのことが、「太陽」の絵柄で表されているように私は感じます。「月」が悲しみの半減で、「審判」は喜びの倍増と合わせて見てもよいでしょう。
もし「太陽」が指針としてカードに出たならば、こうした考え方(人と分かち合う)も取り入れるとよいでしょう。
それはすなわち、分かち合える相手を持つことであり、自分も分かち合える人になるということです。
それは何もパートナーや夫婦、恋人同士に限りません。友人や知人、職場の同僚など、あらゆる人間関係に可能性があります。
実際に会える人同士のほうが分かち合いの効果は高いですが、目に見えない存在や、なかなか会えない人、想像上の人でもよい場合があります。その場合は精神的世界でのイメージによる交流・分かち合いとなります。
日本語は不思議なもので、「分かち合い」と書きますが、「わかち愛」「和 価値 愛」とも当て字で書くことができます。(笑)
結局、相互に愛の交流があるということですね。
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