「運命の輪」はひとつではない。
マルセイユタロットの大アルカナと呼ばれるカードは人の意識の元型であったり、宇宙や世界の普遍的なシンボルであったりしますので、見ていてあきることがありません。
ただ見るだけではなく、感じる、考えるという思考と感覚、その他を総動員して観察することが大切です。
私の開催しているタロット講座(基礎ハイクラス)では、最初にこの「タロットを純粋に観察してみる」ということを受講者に行ってもらいます。
さてマルセイユタロットは人類の共通的な意識を表すと同時に、個人個人の感じ方・見方も映し出すという機能があります。ここがマルセイユタロットのとても面白いところです。
ということで、いろいろな知識を入れつつ日々タロットを眺めていると、毎日のように新しい発見や気づきがあるものです。
そうしたことで得た内容をひとつを披露いたします。
マルセイユタロットの大アルカナは多くは人物が描かれているのですが、人物以外で構成されているカードもあります。
その中で動きも面白いカードとして、「運命の輪」が挙げられます。
「運命の輪」には、文字通り「運命」を表す輪が回り、その輪には人物ではなく、動物(とおぼしき)生物が3匹が描かれています。
輪はそのほかにも時間を象徴していることがあり、そうするとこの輪は、一人一人の運命時間とでもいうべきものが象徴されていると言えます。
実はその鍵は、描かれている動物たちによるところも大きいのですが、今回はあえて省きます。
普通、「運命の輪」のカードを見ると、輪を一輪(ひとつの輪)だと見ます。しかし、私が得たタロットからの示唆では、この輪は複数あるということです。
それもまさに次元や世界、個人別にも存在し、さらには個人の中にもたくさんの「運命の輪」が回っているとスフィンクス(「運命の輪」の頂上に座る動物)は言います。
その個人にある複数の回転円とは何か? ということですが、この秘密はさすがにスフィンクスから口止めされている(気がします)ので、詳しくは言えません。
ただヒントを挙げるとするならば、人間は見えている肉体だけで構成されているのではないということになります。
この個人の中に回る複数の輪をいかにコントロールするか自覚するかが、まさに個人の運命に関わってくることになります。
少なくとも通常意識している「自分」というものだけで輪が回っていると思うと、この意味はまったくわからないと思います。
さらにいえば「運命の輪」はほかのカードの回転やビジョン(空間)ともつながっており、その二枚や三枚が出現した時に、どの回転や輪をコントロールすればよいかなどもタロットから提示されます。
このようにタロットと関係させなくても、私たちには普段意識しているリズムと意識していない無意識のリズムによって動かされていることを知ると、少しずつ気づきや覚醒が始まるでしょう。
恋愛や趣味志向など、何かに熱中したり、頭ではわかっていても動かされたり、逆に気持ちはあるのに体が動かなかったりするような時がありますが、それはあなたの中にある複数の回転の輪のバランスが乱れているか、どれかによって強力に支配・コントロールされているかでしょう。
「運命の輪」を理解することは、自分の運命をコントロールすることにつながります。
それゆえ、数ではひとつの段階の区切りを示す「10」というものを持ち、大アルカナでも半分の「11」の一歩手前にあるのです。
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