あなたの内にいる「たくさんの自分」たち

現実を変えるには、まず自分を変える必要があるとよく言われます。


しかしあまりに自分を変えることばかりに意識が向きすぎ、今の(これまでの)自分自身を卑下したり、否定したりすることになっては本末転倒です。


変えるために最初に行うのは、過去と現在、時には未来の自分も認めることであり、究極的には愛することでもあります。


とはいえ、自分の肯定は易しいようで、意外に難しいものがあります。


それはいいいところも悪いところもすべて受け入れなくてはならないからです。


いいところを認めるのは気持ちがいいものですが、悪いところは誰でも認めたくないものですよね。


また、人によってはいいところを認めることすらできにくい人がいます。


これはいつも自分が悪い、自分は不幸だ、自分はよいところが何もないと、まさに自己否定の人生を歩んで来た方、あるいは歩まされてきた方にいらっしゃいます。


そこまでではなくても、何かひとつやふたつのことがひっかり、自分を肯定することができないという人も少なからずいます。


こういう人は完璧主義であったり、長男長女的に真面目で親や周囲の期待に応えなければならないと生きてきた方にありがちではあります。


人から見ていい人、できる人、問題ない人で「なければならない」と、自分に縛りをかけてきたので、少ないものでも欠点として拡大解釈し、自己否定して落ち込むわけですね。


人には生きていくための仮面(ペルソナ)的人格が、多重性人格障害ではなくても、誰でも程度の差こそあれ存在していると言われます。そうしないと自分を守る上でも生きていけない面があるからです。


しかし、時に仮面が多くなりすぎたり、仮面の一部が強くなりすぎたりして、自分の本質がどれかわからなくることがあります。


ただ実はどの仮面も自分(の一部)ではあるので、すべては本質だとも言え、本質を特定することは矛盾することでもあるのですが、大切なのは仮面をコントロールする本体や制御装置のような自覚体を持つことだ考えられます。


仮面たちはあなたを守り、生きるために必要なものとして出現したきた者たちでもあるので、彼ら彼女らを認め、労いの言葉をかけることです。


最終的にはそれぞれの仮面の役割を認識し、今後も必要なのか、あるいはもう必要ないのか、必要であっても従来のままのエネルギーの仮面がいいのか、エネルギーを少なくすることが求められるのかなど制御していくことで、本当の意味であなたは変わることができます。


こうした自己の一部でもある仮面たちを否定、あるいは無視したまま変革を試みようとすると、必ずあとであなたは潜在する仮面たちに苦しめられることになります。(直接的な抵抗に遭う場合もあります)


このような仮面の抵抗によって改革が進まない時、マルセイユタロットでは「13」(逆)がよく出ます。それから過去を向くべきカードが解決に出たり、未来に行くべきカードが問題状態となったりすることもあります。


マルセイユタロットでは、こうした仮面たちそれぞれを、カード展開やカードそのもので確認することができます。


心理的にはあなたに内在しているペルソナを、絵のカードとして外在化させる作業と言ってもいいでしょう。


さらにはその仮面・ペルソナを受容させていく方法がタロット自体にあるのですが、それはまた講座等でお伝えできたらと思います。


とにかく急がず慌てず、あなたの内にあるひとつひとつを認めていく作業を試みていくと、それぞれの仮面たちが今度は天使・協力者としてあなたの作業の応援に回るようになりますので、決して自己を見つめることは無駄にはならないでしょう。


マルセイユタロットを学ぶひとつの意義は、この作業のツールとして活用するということなのです。

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