対人リーディングの本質改善に向けて
タロットリーディングは、実は意外に環境や設定に左右されるところがあります。
逆にいえば、どんな状況でも同じようにリーディングすることのできる技術があれば、それは普遍的で誰にでも使える技法ということになりますが、実際にはなかなか難しいところがあります。
そのため、多くのタロット教室などではカードの意味を暗記するようなことがあるのです。(その良し悪しはここでは述べません)
つまり暗記させられている言葉が普遍的な意味を持つので、それを適用すればすなわち誰でもある一定のカードからのリーディングが可能だということです。
しかし、実際はタロットカードというものは(カードに描かれている)絵による象徴ですので、カードの絵柄の違い(それはタロット種の違いにもなります)よって、感じ方も異なることがあり、従って導き出す言葉にも違いが出てくるのも、ある意味当然かと考えられます。
これとは異なり、たとえ創作系タロットでも伝統的なタロットをベースに作られている場合は、元が同じなので、絵柄の違いはあってもカードの表す根源的なものは同じであることがほとんとです。
要するに、おおざっぱな意味では同じでも、個性的には異なってくるということです。
そして、こうした絵柄の違いだけではなく、最初に述べたましたように、カードの展開法や人間の状態、場所の雰囲気など、条件によっても読み方は変わってくることがあります。
それはセッション(他人を相手するカードリーディング相談)にもなりますと、カードだけを相手にしているのではなく、まさに人を相手にし、人間が中心となってくるからなのです。
人間は感情の生き物と言われるように、たとえ正論であっても感情が納得しないと受け入れられないという側面を持ちます。
ここに純粋にカードの意味をリーディングすることと、人間を相手にしたカードリーディングを行うこととの違いがあるのです。
人間はまさにいろいろと感じる生き物です。それにはその人の経験したこと、学んできた知識なども含めて、モノの見方・観念・信念・思い込みとしても作用します。
また周囲が騒がしければ相談に集中できないとか、この場所は昔嫌な思い出があるので気分が落ち着かないとか、昨日仕事で上司に怒られたとか、前にタロット占いでひどいこと言われたとか・・・本当に様々なことで感じ方が変わってくるのも「人」なのです。
さらには、選択の吉凶判断が求められるもの、売り上げや経済的なことでプレッシャーのある中でのリーディングなどの設定でも、またやり方と気持ちが変わってきます。
ということで、人を相手にしたタロットリーディングというものは、人(の感じ方、思い)というものをよくとらえ、知っておくことが求められます。それはつまりは自分(自分も人です)を知る(知る必要がある)という意味にもなってきます。
自分に抵抗がある部分はリーディングにもやはりその傾向が出るのです。さらにいえば、それと向き合わされる同じような(全く同じというのではなく、象徴的に同じという意味の)クライアントや相談内容も引き寄せます。
そして対人リーディングの出発点でもあり、最終的な到着点とも言えるのが、人への信頼、人への愛というものです。
「人」と言っても低次の人の部分と、高次の人の部分、さらに詳しくわければ中位の部分も存在します。それらをひっくるめて、神性なる人として融合した受容ができるかということでもあります。
これは一見他人への方向性で言っているように聞こえるかもしれませんが、結局は自分(自分への方向)という意味です。
よく「答えは自分の中にある」という表現をしますが、本当にこの意味を理解するためには人(総合的・統合的部分)への絶対的な信頼が必要です。
思えば、私のリーディング指導も、その視点はあっても具体的な実践が少し欠けていたように思います。
今後これからタロットリーディングを学ぶ人はもちろん、これまでの修了者に対しても、もっと「人」を意識した、人に対しての信頼性をもった協同的かつ創造的なものを伝えていきたいと思っています。
修了者の方にはいずれメルマガ等で、そうした方法のリーディング勉強会や講座的なものをお伝えしますので、しばらくお待ちください。なお、このやり方はまったく占い(リーダーのリーディング能力に頼る当てるカード占い)向きではありませんので、その点はご了承願います。
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