「自分のためになる選択」のわな
人生を創造的に生きることを学び、そのように進んでいくことを決意すると、実際に現実も変わってきます。
それにはいろいろな理由がありますが、やはり意思に伴う選択がこれまでとは違ってくるからということが大きいと言えます。
そして、自分の人生の「時」の有限さに気づき、無駄なこと、好ましくないことは選ばないという姿勢になってきます。
たとえば、「自分の思いや志の違う人と関わっていても時間の無駄なので、自分のためになる人や物事だけを選んでいきたい」という具合です。
そうしますと、自ずと人の交際範囲もセレクトされてきます。
さて、ここまで書いてきて、何か気がつかなかったでしょうか? どこか違和感を覚えた人もいるかもしれません。
確かに、今まで人に気遣いすぎて自分を大切にして来なかった人、あるいは他人の評価を気にして、自分がいい子ちゃんであろうとしたいがために、いろいろと人に構ってしまっていた人などは、自分自身を取り戻す意味でも、時間の有効活用の意味でも、きちんと線引きと選択をしたほうがよいでしょう。
しかし、実は自分が思うほど、人は物事や人の、よい選択はできていないものです。
「自分のためになることだけを選ぶ」という態度を取っている人は、逆に自分の見たくないもの・好ましく思わない人と関わらされることが、ほとんど必ずと言っていいほど生じます。
それは、「自分の成長や発展のため」と言っても、結局のところ、「今の時点での」知識や思い込みによっての、「成長のためと自分が考えている選択」を行っているからなのです。見落としている分、バランス回復のためにも逆のことを体験させられます。
あなたはすべてがわかっているほど、神目線で物事や人の選択ができますか?
おそらくそうではないでしょう。
マルセイユタロットカードには、「恋人」というカードがあります。このカードがまさに、今日書いている記事内容を象徴しています。
人は自分の意思や思いで良かれと思って選択をしていても、その裏では通常の人智を超えた目に見えない存在や縁の働きかけがあるのです。
あなたがどう選択しようと、天の意思ともいえる調整が働き、最終的にはいつも大きな意味での「善い選択」が行えるよう、事件や人との遭遇が起こるのです。
その時点であなたがどのように選択するのかは、またそれはあなた自身によります。
ここで述べていることは、自分の意思による選択は無意味だと言っているのではありません。
有限な人生の中で、自分の発展や成長のためは、よい選択を自らしていくことは大切なことです。
ただその基準は、あなたのその時点の人間としての基準なので、必ずしも大きな意味でのよい選択とは言えないことも含まれていることを知っておいたほうがいいということです。
自分を苦しめたり、傷つけたりする人や物事と関わらない選択は重要です。
また必要以上に気遣い過ぎて、ほかに明らかに創造性を生むものがあることがわかっているのに、自分の足を取られる選択を自らがするのも愚かで問題です。
しかしながら、いつもいつもあなたの考えと選択が、ベストな状態、自らの発展のための最高の選び方をしているとは限らないのです。
自分の片方だけの見方による極端な選択は、いずれ修正を自然にもたらせますので、自分が望むものとはまったく逆や別の性質を引き寄せる(遭遇する)ことになります。
それが起こらない場合は、善い選択ができているということでしょう。
特に「私に幸運だけをもたらせてくれる」というような視点と基準で物事や人を選んでいると、落とし穴にはまることになりますので、注意してください。
要は自分が成している選択の基準の、自らの価値観を知ることが大切で、「このために私はこれを選んでいるのだ」という自覚がポイントなのです。
そして、あくまで自分の価値に沿った選択なので、それはよいとか悪いというものではなく(自分の価値に当てはめて、よい・悪いとなります)、どんな場合も宇宙はバランスや学びのために、自分の意思による選択以外の選択肢も用意してくれているという認識が重要だと言っているのです。
なぜならば、その思いでいる限り、いつも謙虚さに立ち戻ることができ、大いなるものへの感謝の念も生じるからです。
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