予測をする。仮説を立てる。
タロットリーディングに際し、私が(特に「発展コース」にて)指導しているところのひとつに、「予測や仮説を立てる」というものがあります。
クライアントや自分の質問に対して、何も考えずに漫然とただタロットを展開するのと、「問題はこういうことが原因ではないだろうか?」「もしカードが出るとすれば、おそらくこのようなカードではないだろうか?」など、イメージと予想をしながらするのとでは、その後の対応やリーディングに大きな違いが出るのです。
例えば質問の段階で、あるカードをイメージしていたとするのならば、実際にカードを展開した時にそのカードが出れば、「やはりそうか」と確信に至りますし、反対にそうでなかった場合は、自分の見当とは異なる何か別の本質が質問には隠されているのかもと思うことができます。
ある程度の予測と分析を行うことによって、検証とともに次なる作業が進めやすくなるのは、現実世界でも精神の世界でも同じだと言えます。
実はこの予想や仮説をリーディングの時に立てて行うのには、ほかの理由もあります。
それは、自分の意志とイメージ力の形成、及びその合一のためです。
私たちは普段は、日常生活をオートマチックのように過ごし、起こる現象や出来事に反応して生きていることが多いものです。
たいていの人は、新年や何かの始まりの時には、目標を立ててみたり、誓いを行ったりして意識的に未来のイメージを創造(想像でもあります)しようとしますが、三日坊主に終わったり、すぐに忘れてしまったりして、また元の木阿弥に戻ることがままあります。
それを防ぐために、切り替えのポイントを意識して設定し、その度に将来(近未来・先の未来)のイメージを新たにしておくのです。これがいわば、先のことを予測したり、仮説を立てたりするのと同じことになるのです。
これは現実と比較(検証)することも大切になります。自分が抱いたイメージがどれほど実現しているのか、それを確認するのです。
こうして、最初は弱い意志とイメージだったものが、次第に強くはっきりした力のあるものに変化していきます。
その力こそが現実を変える要素となりうるのです。
また自分が予測や仮説を立てられない時は、自分に迷いや混乱があったり、情報不足であったり、ある選択が自分の本質からはずれていることであったりすることが考えられます。
自分の人生は人や運任せであってはならず、まさに自身で設計し、実現させて行かねばなりません。またそうしたことが神(内なる神性)の意志(創造性)にも叶うことだと考えられます。
放置しておくと、人間は星々や環境、そして他人の思念などによって影響されてしまうロボット人間になってしまうのです。見えない体も含めて、そういうように私たちはできているからです。
どれだけ「自分」を覚醒させるか、自分をコントロールさせていくかによって、自分主体の人生(それは「自分自身」を生きている実感を伴うので「幸せ」と感じられるものでもあります)が過ごせるかがかかっていると言ってもよいでしょう。
リーディング時における予測は、こうした「自分を生きるための源泉」となるイメージと意志の力を鍛えるものでもあるのです。
なお、マルセイユタロットを学習している人は、「鷲」のシンボル(象徴)に思いを馳せるとよいでしょう。
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