タロットの理解と上達のための作業

タロットの理解やリーディングの上達には、意外にシンプルな作業の繰り返しが効果的です。

それは、すべてをタロットで考えるということです。

何事もタロットに当てはめてみるという言い方をしてもよいでしょう。

実際に見たり触ったりできる物事だけではなく、思ったり感じたりした心や感情の部分もタロットになぞらえて象徴させることです。

最初は思いついた時程度でも構いませんが、ある時期には徹底的にその訓練をします

つまり意識して、意図的に修練として行うのです。

「いつかできたらいいや」とか、「偶然タロットが浮かんできた時に考えてみます」とか、そういう態度ではいつまで経ってもタロット脳のようなものはできません。

タロットがわからないとか、読めないとか言う前に、タロットで考察したり感じたりする物理的時間が自分は少ないのではないかと、まずは自らを振り返ってみることです。

それが上達を滞らせている単純な原因になっていることもあるのです。

これはタロットを例にしましたが、ほかの分野でも同じだと思います。

たとえば西洋占星術ならばサインや惑星で徹底的に象徴させたり、当てはめてみたりする訓練をします。

カバラーならば、「生命の木」のセフィラーの象徴に当てはまるものを書き込んでいくなどします。

東洋ならば五行に当てはめるとか、そういうことをきちんとやってみることです。

なぜならば、そもそも象徴でとらえるということ自体、私たちは訓練されておらず、記号的ともいえる「ひとつの形や表現には、ひとつの回答や対応しかない」という考え方に慣らされてしまっているからでもあります。

タロットの大アルカナ22枚だけでも、しつこいぐらい、いろいろなものを当てはめ、分類してみましょう。

その際、知識の意味だけではなく、感覚や絵柄から来る直感絵そのものに似ているというようなことも含めて見ることです。

そうするとたった一枚のカードでも、本当に多くのものが当てはまること、象徴されることに気が付き、驚くことになるでしょう。

次に大切なのは、過去や未来などの時間を超え、イメージや感情で自分がタイムマシーンに乗って、カードで表現される事柄を味わうことです。

特に過去の出来事を一枚や何枚かのカードで象徴的にとらえてみましょう。

この作業は、やがてタロットの生身の体験を導き出します。現在進行形で悩んでいること、苦しんでいることも生身体験として象徴しやすいです。

そして、この「生身の感覚」こそが非常に重要なのです。

これはいわば、例を挙げると、「13」を見れば、かつてのつらかったけれども自分が大きく変わることができた経験として、カードを通じてあたかも再現されるかのような感覚となるものです。

この時、カードは生命を帯びることになります。時には「神の家」のような衝撃が走ることもあります。

またあなたは、カードを通して、「あぁ!」とか「うーん」とか、「そういうことだったのか!!」とか、「人生ってすばらしい!」とか、感嘆の言葉を(言葉にならない言葉のこともあります)を述べることになります。

これを少なくとも22枚の大アルカナで経験する必要があります。(レベルや強弱の違いはあります)

タロットは普遍的な原理を象徴しますが、同時にとても個別的であるのです。個別的なものをタロットから生(直)に体験しないと、全体へも飛翔することが難しくなります。

その前段階として、タロットに物事を当てはめ、整理していく作業が重要なのです。

これには感覚と同時に、タロットを知識的な面でも蓄積していくことが、作業を加速させることになります。

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