なじみのものを持つ意味。
外国に行ってしばらくして、日本のものに接する機会があると、とてもほっとすると思います。
外国ではなくても、慣れない土地に行った場合にも、やはり自分がなじんでいる土地のもの、人の言葉などに遭遇すると癒されます。
このように当たり前ですが、自分が長く過ごした場所、長く扱ったモノ、長く接してきた人には誰でも「慣れ」が生じていますので、未知の不安におびえたり、何が出るかと身構える必要もなく、安心することができます。
それが時には愛着にもなって、「いとおしさ」「懐かしさ」という感情も呼び起こします。
ということは、癒されるのには単純に、「自分がなじんで(なじんでいた)いるものに接する時間を持つ」とよいのです。
力強さや積極さ、変わること、結果や成功ばかり求められる昨今の風潮ではありますが、時には羽を休め、休息し、自分を充電させる時は必要です。
マルセイユタロットでいえば「吊るし」の期間ともいえるでしょうし、向かって左方向を向いている人物の大アルカナカードで女性と見えるものは、その傾向が強いと言えるでしょう。
余談ですが、この視点に立つと、面白いのはいろいろな視線と複数の人物が存在する「恋人」カードなのですが、それはまた講座でお伝えいたします。
それはさておき、なじみのものがあるということは自分を取り戻すにもよいのです。
人間は人間をもって癒されるのが一番なのですが、なかなか人物だと実際に会えないこともあります。
幸い今は、技術の発達により、遠方にいても画像や映像を見てバーチャルに会話したり、少なくとも声を聞くことはほぼどこでも可能にはなりましたが、それでもSFのごとく、テレポーテーション的にすぐに実対面できるというまでには至っていません。(笑)
ということで、便利なのはモノです。それも携帯することがが可能なサイズがよいです。
つまりはとても自分がなじんでいるもの、長年使用しているものなどを選んで持って行くとよいということです。
実は単になじんでいるからという理由だけではなく、目に見えない自分のエネルギーのようなものが蓄積されていることがあるので、それを持つと安らいだり、本来の自分に戻れたりするのです。
いわば、ゆったりしている自分を記憶している電池のような装置とでも言いましょうか。
ということは、霊的なツールだとかなり効果が高いということになります。
ここでタロットが登場するわけです。
タロットリーダーやタロットになじんでいる人は、自分のタロットにふれるだけでエネルギーが変わります。
そしてタロットは安らいだり、落ち着いたりするだけではなく、鋭敏な感性やインスピレーションが働きやすい状況にも自分を整えてくれることがあります。
「ことがあります」とあえて書いたのは、毎度毎度そのようになるわけではないからです。
それにはきちんとしたステップと条件が必要です。
とはいえ、タロットを一応学習して使っている人には、自分をセッティングする効果は働きやすいです。
タロットを単なるトランプのようなもの、占いの道具だと思っていては、なかなか本当に活用することができませんし、タロット自身、心を開きません。
いえ、占いで使えば占いの心は開きます。
ですが別の入り口や世界もタロットは持っていて、その鍵は、やはりそういう使い方を志すことから開示されるようになっているのです。
これは象徴的に述べているので、タロットに心があるとかないとかを言っているのではありません。
とにかく、簡単にいえば、タロットになじんでいないと、タロットを持っていても特別な反応に自分の心はならないということです。
これはタロットに限らず、当然のことですよね。
何の思い入れもなく、接する時間もかけていないものが、自分にとって特別になるわけがありません。
ここまで書くと、今回の記事の複数の意図が少しわかった方もいるかもしれませんね。
ヒントを言えば、一般の人向けと、タロットを学習したり、興味を持っている人向け、両方にそれぞれ別のメッセージを添えているのです。
コメントを残す