私たちは物理世界に生きています。
私たちは肉体を持ち、いわゆる現実という物理的な世界で生きています。
そのために物理法則は絶対として働きます。
また形無きものは存在できないようになっています。いえ存在はしているのですが、日常的にとらえることができないものとなるので、実際的に存在していないように感じてしまうということです。
ですから、モノ・形、目に見えること、感覚的に味わえること(五感で確認できること)は、重要なことなのです。
仮に形のいらない世界があったとしても、その世界では経験することのできない内容を、反対に物理的なこの世界では体験することができているのだと推定することができます。
というのも、おそらく宇宙は二元のエネルギーや質で表現されると推測できるからです。
これが陰陽になったり、昼と夜になったり、男性性・女性性になったり、能動と受容になったり、表と裏になったり・・とあらゆる局面でふたつの表れ方を示し、それらが多層に重なり合うために、一見とても複雑に世界は見えるのです。
しかし結局はふたつであり、最終的にはひとつです。
となれば、「形ある世界」と「形のない世界」というのも、セットや対で表現されるのではないかと想像することができます。
そして、そのどちらにも私たちは行くこともできますし、経験することもできるのでしょう。
しかし、昼に夜の世界を見ることができないように、物理的な次元では非物理的世界そのものを体感することは困難といえますし、逆の世界での特質をあえて表すことも無理があると言えます。
※(ただし、地球でも昼の時に夜の地域があったり、昼にも影があるように、別の次元を一部見い出したりすることも可能ですし、方向性と見方・観察方法を変えれば別の世界が見えてきます)
いわば、昼には昼の活動や表現方法があるので、昼を活かした自分を意識しようということです。
ですから、この現実世界では精神や心、霊などの目に見えない領域を探究するのもよいのですが、そちらばかりに氣を取られ、形で表現することを忘れてしまうのは、大変もったいないことだと言えるのです。
たぶん、あちらの世界(形のない世界)というのは、死後にいくらでも体験できるのではないかと予想できます。
従って今は夜(形なき世界)ではなく昼に生きているのだ自覚し、なにがしかの結果や形を求めていく(もしくは形を味わう・経験する)ことは大切だと考えられるのです。まさにこの物理的世界にいる間に、自分もその特徴に合わせて表現していくということです。
もしこちらの世界の逆の特質で自分を表現しようということは、旅行でたとえれば、アメリカに行ってもずっと日本のことばかり考え、食事も日本食で押し通し、現地でも日本語でしか会話せず、一切現地の人ともふれあわず・・・というようなものです。
ただ、日本的な思考で逆に海外にインパクトをもたらせたり、現地の人が常識と思っているやり方とは別の見方をしたりすることは可能です。
これが心の世界を知って、物理的世界に活かすみたいなたとえのひとつとなるでしょうか。
いずれにしても、せっかく物理的次元がメインの世界に来ているわけですから、郷にいれば郷に従えで、その世界に応じた楽しみ方(形・目に見えるモノ・結果を出す、残すなどでの実感)を自分なりに表してみることは、よい経験(つまりよい人生)になると思えるのです。
これはマルセイユタロットの「悪魔」が語ることです。つながれている喜びの発見(決してマゾではないですよ(^_^;))がわかれば、また「悪魔」も楽しです。
誤解なきよう願いますが、精神世界や霊的世界を知ることが悪いとかダメだとか言ってるのではありません。これはこれで物理次元だけで理解不能なことや、うまく行かないことへのカウンターになって、裏から見る世界を知ることで、現実の見方が変わり、よりよく物理次元を生きる智慧になります。
問題なのは、別の次元に逃避してしまうことです。今いるのは物理次元なのですから、これを無視して、別の世界に引きこもってしまうことは、実にもったいないということを言っているのです。
たとえ今いい結果や形が残せていなくても、味わうことそのものが目的だと思えば、必要以上に悩むこともなくなってきます。
そして精神や心の、目に見えない領域のことは、この現実と物理的世界をよりよく生きるためのヒント・別情報として知れば(学べば)いいのです。
男性だけでは難しいことも、女性がいればスムースに進むことあるというように、別の世界は自分の所属する状態を補完してくれるエネルギー・領域だととらえればよいでしょう。
物理次元・現実では女性(男性)が決して男性(女性)になれない(これは「思い」だけで形を変えるということを言っています)ように、反対のものに完全変容・移行しようとするのは困難を伴って、川の流れを逆行するようなものなのです。
自分の今ある本来の状態をよく自覚することで、スムースな生き方ができるのです。
コメントを残す