夢・ロマンを語って、バランス回復
この世の中は何事もバランスが自動的に働くようにできていると感じますが、それでも私たちは自力によるバランス回復・バランス調整ということも行っています。
それもつきつめれば何(者)かが、自分の意志と衝動として導き、バランスを計らせているということが言えるかもしれません。
人間が普通に生きていけるように整えられていること自体、それはすごい機能と力がいつも働いている証拠です。そこに神なるものを見ても不思議ではありません。
さて、そうしたバランス調整の話のひとつになるかもしれませんが、今日は「夢を語る」ということをテーマにしてみたいと思います。
人の話は、大きくわけると現実的なものと非現実的なものにわかれるのではないかと思います。
もちろんその他のタイプにわけていくことも可能で、自分に関すること、人や社会に関することという二つのもので分けることもできます。
いずれにしても、私たちはシリアス系とメルヘン・ロマン系の話のふたつをしたがるものです。
そして、これもうまくできたもので、自分が現実やシリアス系の少し冷めた厳しい見方をしていると、どこかでそれとは正反対のロマンチストの話を聞かされることがあります。
逆に自分が少し非現実的とも言える夢を語っていると、誰かが批判したり、「それは無理だよ」とたしなめる人が現れたりします。
結構多いのは、夫婦間とか家族間、職場の人間関係でそういう組み合わせになることは多いですね。
けれども間違えないでほしいのは、誰でもシリアス派になりますし、反対のロマンチストにもなるのです。その両方・二面は皆が共通して有しているものなのです。
しかしながら、立場の違い、自分の今の関心、育った環境(親の影響が大です)、さらにはこの世における自分が魂的に選択している自己表現タイプなどによって、どちらかに傾いたり、表れ方が異なっていたりするわけです。
また同一人物内でも、例えば職場では現実的でまじめな話ばかりする人が、自分の趣味の世界では人一倍夢を語っているという場合もありますし、夫が昨日は厳しいこと言っていたけれど、今日はあほらしいこと言っていると感じて、その分、妻であるあなたが今日は家計簿でシリアス派になっているということもあります。
このようにバランスは本来取られているものではあるのですが、自分の中で、特に気弱になっていたり、ナーバスになっていたりする時は、できるだけロマンや夢を人と語り合うとよいです。
これは自分の中が過剰に深刻(シリアス)になっているため、今度は誰かほかの人とともにロマンのエネルギーを採り入れて、バランスを自力回復させるというものです。
おそらく自分が深刻になっていても、どこかで楽になる要素が隠されてはいるのですが、それを見つけるのは自分の状態が落ち込みがち(ネガティブ)になっているので難しいと言えましょう。
ですから人を頼るわけです。
この時、SNSの「いいね!」ボタンではありませんが(笑)、特に聞いている側は否定をせず、「それいいね!」「それはすばらしい!」「いいと思うよ」「それ、できるんじゃない?」など肯定評価をし続けることを心がけるとよいでしょう。
また普段から、自分を肯定してくれる(肯定的に話を聞いてくれる)友人・相手をもっておくとよいです。
そのためには自分が相手を肯定するという態度を忘れてはなりません。自分がしてほしいことを相手にまず行うのが自分の希望が叶えられる黄金律なのですから。
夢・ロマンの肯定評価は、想像以上の効果があります。時には自分の思い込みや枠組みを解放してくれることもあります。
大切なのは拡大する意識なのです。自分ができない、無理だと自分をある範囲で限定してイメージしていれば、それ以下の人間と現実しか現れません。
しかし自分を大きくイメージできれば、その分現実の許容量も拡大していくのです。
たとえばあなたが日本でしか生きられないと考えているのと、外国でも住むことができるという考え方やイメージができた時、それは今までの自分を超えたことになり、文字通り世界が広がったのです。
もちろんこの時点では想像や思考だけですので現実化はしていせんが、少なくとも想像の世界・精神の世界ではチェンジが図られたのです。
思考や考え方、イメージがいかに広げられるかが非常に現実的にも重要なのです。(マルセイユタロットでは「女帝」と深く関係します)
現実の制約が働く前に、制限を取り払ったイメージの世界ででも実現しておくことが大切です。従って、最初は空想や妄想レベルでもOKなのです。
しかしすぐに否定されては、イメージで作った拡大意識もまたすぐ破壊されてしまいますので、できるだけいい気持ちで拡大イメージが持続できるよう、語る相手を選ばなくてはなりませんし、聞く方もそれを意識する必要があります。
話がバランスのことからはずれてきましたが、要は人と人、自分と他人によってもいろいろとバランスを調整していくことが可能なのだということです。
そして制限のない夢を語る会が、実は大きな力を持っているということをお伝えしたかったのです。
特に日本では否定やシリアスが、職場や他人との会話では多くなりがち(これももちろんよい面もあります)ですので、務めて夢・ロマンを語る、見るという行為が日本全体のバランス回復にも役立つと考えられます。一人一人(の意識と行動)が全体(の変化)につながっているのです。
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