タロットリーディングの隠された意味
私はマルセイユタロット伝える講師ですので、マルセイユタロットに関係する総合的な知識を講義しています。
時には、タロットとは直接関係ないようなこともお話しますが、私の真の目的はマルセイユタロットそのものを皆さんに学んでもらったり、記憶してもらったりするということではなく、別のところに存在するからでもあります。しかしそれを示唆するのには、マルセイユタロットをツールとして使うことが、私にとっては最適なのです。
そのことと今日は関係する内容です。
さて、マルセイユタロットをお伝えしている中で、やはりタロットリーディングの技術も教えています。
ただこれには、「タロットリーディングができるようになる」という表の目的とは別の、裏のことが隠されています。
それはタロットリーディングによって、自分を知る、自分を発展させていくというものです。
タロットリーディングと聞けば、人様にタロットを読んであげて、まさに人のためにタロットを活用していくという印象が強いですが、結局のところ、それは自分のためでもあるのです。
タロットリーディングを講座中に練習していく時に、いろいろなことが起こり、気づくことが出てきます。
その大きなものとしては、「コミュニケーション」が挙げられます。
自分リーディングの場合は、自分とのコミュニケーション、他人リーディングでは、まさしく人とのコミュニケーションがテーマとなって、隠されていた自分の特質が浮上してくるのです。
もし複数の人数で講座を行っている場合は、他人と他人のコミュニケーションを見ることにより、さらに自分の気づきが増えます。
「私はなぜうまく伝えられないのだろう」とか、「本当はこれを言いたいけれども、強く言ったら嫌われたり、トラブルになったりしそうだからやめておこう・・」などというケース、あるいは「こういうことを言わなきゃ、絶対ダメ!」と何かに強くこだわっている自分を見る場合もあるでしょう。
先程述べたように、他人と他人とのやり取り(リーディング)を見る内に、どちらか、あるいは両方の問題点か、逆によい点を発見することもあるかもしれません。
さらには、コミュニケーションばかりではなく、リーディング時の問い(質問)の内容によって、他人の体験や気づきから自分の経験の意味が深まったり、新たな覚醒が起こったりすることも少なくありません。
人の経験はまったく同じに自分も体験することはできませんが、タロットカードという象徴を通して、感情的・感覚的、もっというと心魂的に共有することができ、クライアント(相談者)のそれを、リーダー側が目に見えない領域で追体験しているということもあるのです。
もちろん実体験には劣りますが、少なくともタロットリーダーは真剣な相談を受ければ受けるほど、またリーダー側も真摯にそれに向き合うほど、追体験感覚の深度は高まります。
大げさにいえば、タロットリーダーになるだけで、人生経験が増えるということです。
占い師の方でもそうですが、実際に世間・巷に出て、多くの人の悩める相談を受けていると、とんでもないと自分が思えるような相談を受けることがあります。
私自身もそれを実感しました。まさに「ありえないことはありえない」というのが、人間と相談の世界です。
普通に暮らしていれば、まず話すら聞くこともできなかった内容・体験に出会うことになります。
「ありえない」と思っていたことが実際にありえたわけですから、それだけあなたの思考と心の概念・枠組は破られることになります。
これがまた自己の拡大・多様なモノの見方につながるのです。
話は戻りますが、リーディング時における自他とのコミュニケーションの問題も、まず問題・課題があることを認識し、それに気づき、改善したり、よいところをさらに伸ばそうとしたりすることで、当然ながら「自分」及び「人」と向き合うことになります。
こうして、新たな自分がまた形成されていくのです。つまるところ、これも自己成長の一環です。
このように、タロットリーディングというのものは、もちろんリーディングがすらすらできるようになるのに越したことはありませんが、実は別の目的(自己の成長)もあり、それが達成されていくほうが、本当の意味ではよいといえるのです。
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