タロット学習に、タロット本は読まない。
4月になって、気分的にも新しいことを始めたいという人も多くいらっしゃると思います。
私のタロット講座でも、カルチャーセンターはじめ、新しい受講生の方が入られます。
そうすると、よく質問があるのが、「どんなタロットの本(解説書)を読めばいいですか?」
というものです。
また、こちらからお伝えるする前に、すでにもう書店に走って、自分でタロットの本を購入され、読まれる方もおります。
以前にも書いたかもしれませんが、私はこうしたご質問や対応には、
「タロットの本は、今の段階では読まないように」
というアドバイスをしています。
世にタロットのことを書いてある本は、それこそ山のようにあります。日本だけでもそうなのですから、世界中となるとどれくらいのものになるか、想像がつきません。
まあ、それだけタロットは、たくさんの人に関心をもってもらえるものだということがわかります。
しかし、ほかのタロット種のものは別としても、ことマルセイユタロットに関しては、日本において、現在マルセイユタロットをメインに扱って出版されている本は、ごくわずかです。正直一冊だけかもしれません。
今出ているものもどちらかというと、占い向きというもので、私の伝えるマルセイユタロットの趣旨とは異なるところがあります。
ですから、勢い、人によっては、ほかのタロット種の本までに手を出してしまうことになるのですが、マルセイユタロットとほかのタロットでは絵柄も違いますし、意味も違ってくるところがあります。背景や思想も異なります。
深くタロットそのものを追求している本ならばまた別かもしれませんが、たいていは「楽しく占う・・・」という、カードの意味と占い方だけを書いた軽めの売れ線スタイル本ですから、読むとかえってわけがわからなくなるおそれがあります。
これは巷に出ている本が悪いというのでなく、まさにスタイルの違い、表現と目的の違いですので、仕方のないことです。
トランプを「ゲーム」として使うか、「占い」で使うかによって、同じ「トランプ」という道具ではあっても、使う目的によって書かれている内容が違ってくるのは当たり前です。
これと似たようなことがあるのです。
では難しい象徴学や西洋魔法の専門書など読むとよいのかということになりますと、これもまた難しすぎて最初の段階では不適当です。
ということで、私の講座を受講していただく方にお勧めしているのは、スピリチュアルや精神世界系の本、自己啓発などの本です。また時には簡単な哲学書や心理学の入門書もよいと思っています。
タロットとは関係ないようでいて、実は大いに関連しており、こうしたやや近接した世界の書物から入ることで、マルセイユタロットを別の角度から、より理解することができるのです。
タロットそのものを学習しようとしても、そこにあるのは、ただのカードであり、絵柄です。
タロットが人間のように教えてくれたり、語ってくれたりするわけではありません。(本当は語ってくれるのですが・・・それは秘密です。(笑))
ですから、どうしても講師の言うことや、講師の提供するテキストなどの意味を覚えようと受講側はします。
それはそれで最初はいいのですが、こうしたことだけで学ぶのではなく、ほかのことからタロットに描かれているものが何なのか(つまり何を象徴しているのか)をとらえようとする思考活動が、タロットの理解を深める(補う)のです。
この観点から言えば、何も書物だけからとは限りません。人生におけるすべてのシーンがタロットの学びにもなるのです。
そして、実際はその逆(逆転構造)なのです。
タロットを学び、あらゆるものでタロットの象徴をつかもうと努力する時、あなたはタロットによって、再び自分の経験している今の世界を再構築・整理していくことになります。
これこそがタロットの最大の効果で、知らず知らず、あなたは自分の世界をタロットの象徴で把握していく能力に長けてくるようになります。
そうすると、自分の手中(タロットカード)に、外の世界が投影されるようになるのです。
つまりはコントロールしやすくなるというわけです。
私の目指すタロット学習とはこのようなことです。
一方的に講師から教えを受けて聞いていればいいというものではないのです。もちろん基本的な考え方・扱い方はお伝えいたします。
まずは皆さんには、「タロットが占いである」という思い込みの次元から脱却していただかねばなりません。
タロットが占いであるというのは、これまでの(特に日本の)社会が作った幻想(実体でもありますが)に過ぎません。もちろん占いの効果的なツールですが、真実は「占いにも使える」という言い方にあります。
マルセイユタロットとの出会い、そして私の講座に来ていただく皆さんには、新たなタロットの使い方・考え方を学んでいただき、自分の人生を有意義にしていただきたたいと思っています。
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