「1」と「世界」のカード

タロットカードと、そのカードについている数との関連については、以前にも何回か取り上げました。

私の個人的見解では、マルセイユタロットにおいては、それは意味がある(数とタロットとの関係で)と考えられるものと、また一般的な数秘術でいわれる数の意味とは異なる部分があるのと、両方でとらえています。

要するに、マルセイユタロットの場合、必ずしも、そのカードに持っている数が、そのまま絵柄を直接意味するわけではないということです。もちん関連はありますが。

しかし、「1」という数においては、結構、その数を持つ絵柄のカードは、「1」という数の意味をよく象徴していると感じます。

大アルカナの場合、「1」(正しくはローマ数字での表記)を持つカードは、「手品師」「力」「世界」となります。

やはりそれぞれ新しさや始まり的な意味合いが見えてきます。絵柄というより、順序の位置的なもののほうが強いかもしれません。

実はこの三枚は、ある段階や次元における始まり・出発を意味すると同時に、到達や完成をも表していると見ています。

しかし、数的には、10や20、つまり大アルカナで言うと「運命の輪」と「審判」も似たようなところがあります。

これは4と10の世界観でとらえるか、3と7の世界観でとらえるかの違いによって変わってくると言ってもよいでしょう。

何のことを言っているのか、わかりづらいと思いますが、詳細は基礎講座ハイクラスでお話しています。

とにかく、「1」を持つカードに、始まりと同時に終わりの意味もあり、しかし終わりではあってもやはり始まりでもあるという、いささか謎めいた意味合いが内包されているということは述べておきます。

ここで、最近の傾向ですが、私が人にタロットを引いたり、またリーディングのために引いてもらったりするカードに、「世界」がよく出る現象が続いています。

タロットカードは、個別の象徴性と全体性の象徴性、ふたつを同時に表します。(表すことがあります)

従って、ここの場合、私自身の個別での「世界」の意味と、受講生やクライアントの「世界」の意味、さらにはみんなが持つ「世界」の意味の三つが現れていると言えます。

そして、ここがとても重要なのですが、個別の意味は一見それぞれ違っているようでいて、全体性の意味と深くでは呼応し、共通しています。

つまり、「世界」を引く人が多いということは、全体的に「世界」の意味合いが強まっている、求められているということになります。

一般的なカード解釈では、「世界」は他のタロットもマルセイユタロットもほぼ同じだと思います。絵柄もよく似ています。

すなわち、完成、達成、成就、完全、永遠、宇宙、多様性・・・といったものです。

多くの人が」「世界」を引くということは、端的にいえば、まさしく世界は「世界」(カード)の意味に向かっているということです。

ただ、ここで最初に「1」の数のことを取り上げたのは、「世界」は完成で達成してしまったかのような錯覚にとらわれますが、やはり新規性・開始性・新しい動きと展開性を同時に持ちます。

そして、「世界」(のカード)による「完成」のイメージは、通常意識やこれまでの目標のイメージではなく、もっと拡大した、あるいは超越した、自分の想像以上のものであることが多いのです。

もしくは、そうした意識を持ちなさいということです。

「世界」は終わりのようで、実はもっと先があり、それをあなたは進める資格を得たというように、想像している世界よりももっと広い世界と可能性が広がっているということを示唆しているのです。(タロットの象徴性はいろいろとありますので、全部が全部そういうことではありませんが)

「世界」を引いたあなたは、「1」という数とも関連し、すでに新たな段階がその瞬間に始まっていると言えます。

その動き出す部分は全部の要素のこともあれば、ある1つである場合もあります。

これは「世界」に描かれている周囲の動物たちの意味とリンクし、そのどれとあなたや事柄が強く関連するかによって決まります。

「世界」を引いたあなた、もっと大きなイメージを自分に持ちましょう。

自分が(潜在的な心理も含めて)想像できないものは、現実にも起こりません。

現実はイメージの世界よりも縮小され、形となって固定されるからです。(逆にいえば削ぎ落とされ、効率的・実際的になる)

あなたは完全であり、完成のできる、拡大人間(神といってもよい)であることを「世界」は述べているのです。

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