タロットにおける動物表現

タロットの絵柄において、人間だけではなく、天使や動物といった存在もよく登場します。

それらにはもちろん意味があるのですが、一番有名なところでは、四大元素を象徴する動物や天使たちです。

このあたりは同じ西洋ものの「西洋占星術」の概念・象徴と同様(一部異なりますが)ですので、占星術を知っている方ならば、意味の解釈は容易です。逆に言えば、タロットの象徴理解は、占星術にも有益であると言えます。

さて、こうしたいわば、普遍的な意味とは別に、準普遍的もいえる意味があり、さらには個人的な意味ともいえる個別性を持った見方もできます。

これがタロットの象徴のよいところでもあり、難しいところなのです。

ところで皆さんもよくご存知の、西遊記という物語があります。孫悟空や三蔵法師が出るあれです。

西遊記はストーリーのプロット自体もよく使われますが、何よりもそのキャラクターがパロディになったり、モチーフとして使用されたりしますよね。

たとえば「孫悟空」といえば、今は漫画・アニメの「ドラゴンボール」の主人公と思う人が多いかもしれません。(笑) ドラゴンボール自体、もともと西遊記がベースになっています。(最初の7つのドラゴンボールを集めるための旅のメンバーなど)

それでその西遊記のメインの登場人物、孫悟空、猪八戒、沙悟浄、三蔵法師は、仏教的にはそれぞれある欲や境地を示していると言われています。(強さ、食・性、知識・プライドなど)

三蔵法師は欲がないようなよいお坊さんで、いいように思われていますが、別の見方になると、「悟り欲」みたいにも見えます。(実は三蔵法師も旅の道中、いろいろと迷わされますが(^_^;))

それはさておき、ここで動物(沙悟浄も一応動物的に見て)に注目してみると、猿、豚、カッパという異形のものたちで、人の持つ欲望あるいは能力が表現されているのがわかります。

実はタロットも同様なところがあり、タロットにおける動物たちが、準普遍的な意味では、人の持つ欲望羨望対象潜在能力などを表すことがあるのです。

また中国の話になりますが、中国人はよく動物を観察していて、形意拳など、動物の動きをまねた拳法があるくらいです。

これはタロットリーディングにおいても役に立ち、動物の象徴を単に意味で暗記するのではなく、なぜその象徴の意味が、その動物の形で表現されているのかを感覚としてもつかむことが大切です。

言ってみれば、自分がその動物になったかのごとく、心で演じてみれば、象徴の極意が伝わってくるというようなものです。

これがわかってくれば、いわゆる低次における「動物霊」とたとえられるような表現の意味も、また理解できるようになります。(それが見えるという意味ではありませんよ)

何事もそうですが、物事には両面があります。

特にタロットにおける動物象徴はネガティブにとらえられがちですが、もちろん逆のポジティブに見ることも可能です。

さらには、同じ種類の動物が何枚もカードで出るようだと、その動物による象徴が鍵であることは、一目瞭然です。

マルセイユタロットの場合、同じ動物でも意味をもって微妙に絵柄を変えていますので、その違いを細かく見れば、動物表現の中でも、どのような質が適しているのか、あるいはそうでないのかも見ることができます。

たとえば「鳥」でも、飛んでいるのがいいのか、木に止まっているのがよいのかというようなことです。

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