一枚のテーマカードを考察する方法

今日はタロット講座を受けていただいた方に、ためになる話(実践的な話)をしたいと思います。

普段はこういう話はメルマガ(誰でもOKのものではなく、受講者用のメルマガです)でしていますが、それほど専門的技術でもないので、ここでも書いてみます。

ということで、マルセイユタロットをよく知らない方や、私の講座を受けていない方にはちょっとわかりづらいかもしれませんが、ご容赦ください。

それでもマルセイユタロットを詳しく知らない人にも何か参考になることはあると思います。このブログはタロットのことを書いているようで、そうではないところもあるからです。(今日の記事も本当はタロット以外のことを言外に含んでいます)

さて、タロットを習うと、最初にリーディング方法として学ぶことが多いのが「一枚引き」です。

そして次第に枚数の多い展開法へと進むのですが、一枚引きならぱそのままズバリ、また複数枚を引く展開法であっても、一枚が特別に自分にとって意味を持ってくるように見える場合があります。

たとえば、質問を違えているのに、同じカードがやっぱりよく出るというようなケースです。

それは象徴的にいえば、やはりその人の今のテーマや課題が、そのカードによって表れていると見ていいでしょう。

そうなると、たいていの人は、たとえばそれが「審判」だったら、まずは「審判」の意味を把握したり、細かな図像まで調べたりして「審判」を理解しようとします。

それはもちろんよいことです。

ただ、ここで発想の転換をしてみることもお勧めします。そうすると、一枚のことがもっとわかってきます。

それは「一は全、全は一」というスピリチュアル・精神世界のたとえでは当たり前のことになっている概念を採り入れる方法です。

上記のケースで言えば、「審判」一枚はタロット全部であり、タロット全部はまたこの場合の「審判」であるとなるのです。

特定カードはその人の現在の課題でもあると言いましたので、前述の考え方に従えば、結局、そのカードは今の自分全部であり、また個別の特定問題でもあることになります。

何のことかはわかりづらいと思いますが、説明はあえて省き、その使い方・見方をお伝えします。

まず「審判」一枚(これはあくまで例で、自分にとって今、重要となっているカード一枚のことです)を置きます。

次にほかの大アルカナ21枚をそれぞれ、「審判」の横や上・下でもいいので、一枚ずつ置いてみます。数の順に「手品師」から置いてみてもいいですが、特に決まりはないので、シャッフルして出たカードを置くのが面白いかもしれません。

言ってみれば、一枚だけ固定した特種な二枚引きです。

ここで重要なのは、最初の固定カード(この場合では「審判」)をメインと見ることです。

二枚を同格として見るのではなく、あくまで最初のカードの中に次に引いたカードがあるとして考察するのです。

大アルカナが終われば、小アルカナでもやってみます。(二枚目を小アルカナで引く)

大アルカナと小アルカナの関係のとらえ方によっては、二枚目のカードを大アルカナで引き、次にその二枚目に引いた大アルカナの意味を補強する(より具体化する)意味で小アルカナを引くという、合計三枚で見る方法もあります。

もっと面白いやり方としては、もし同じタロットのミニサイズのタロットがあれば、最初のテーマカード(今の自分の課題となっている最初のカード)を普通サイズで置いておき、ほかの21枚(大アルカナの場合)をミニタロットで全部、そのテーマカードの周囲に並べて見てみるとよいでしょう。

もちろん、テーマカード自体もほかの21枚にプラスして意味を持ちますので、22枚を統合して見ると自分のそのテーマにおける過不足や調整具合もわかってくるでしょう。

これはほかの種類のタロットカードでもできなくはありませんが、やはり伝統的タロットの枚数と体系を受け継ぐものでないと難しいでしょう。

なぜならば、「一は全、全は一」のフラクタル構造を、全体として計算されて作られているかどうかについては、創作系タロットではその意識は希薄だからです。

ほんの小さな局面にも大なることが象徴されており、その逆の、大なることにも小さな世界が表れるのです。(「占い」も基本は、この考え方があるからできるのです)

マルセイユタロットは何かといえば、このような、世界や宇宙・人間・心理などの構造をタロットを通してつかむために作られているものと言えます。

それは別にタロットでなくてもよいのですが、不思議なことに、マルセイユタロットは怖ろしいほどよくできているので、私も止められないわけです。(笑)

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