メリハリ、リセットの必要性。
お盆の時期ですが、仕事がお休みで家や実家でゆっくり過ごされている人もいるでしょう。
本来は祖先信仰、先祖や亡くなられた人への供養と交流の意味がある期間ではありますが、まず日常とは違うこと、霊的な意味も強められるなどのことで、自分を見つめる時間としても使えます。
そこで考えたいのが、「リセット」の意識です。
現代人は常に忙しい状態にさせられたり、気持ちを高揚させられたりしますので、多くの人はなかなか落ち着く暇がありません。
つまり、いわゆる「そのまま流される」ということになりやすいのです。もっと言えば、メリハリがない状態です。
昔は季節感のある生活や行事があり、半ば強制的・習慣的にもそうした行事に参加することで、周期的なものの中にもメリハリを感じさせるような仕組みになっていました。
メリハリがあるということは、終わりと始まり、進行と反転、仕切り直しなどの特異点が認識されていたということです。
エネルギー的に見れば、充電と放電、またその逆の放電と充電の切り替えポイントでもあります。総合的にはリセットすること、あるいは原初の状態に戻すと言ってもいいでしょう。
タロットリーディングにおいても、儀式をすることで、前のリーディングから新しいリーディングへの切り替え・リセットを行います。
何事も同じ状態は続かず、放置していても、自然に状況は推移・変化していくものですが、ただ外(環境や他人)に任せるのではなく、自分(内)から心境や体調をリセットして変化させたり、元に戻したりすることもできるのです。
大きなスパンで言えば、人生そのものもリセットすることもができますし、短ければ一日の期間でもできます。
人生のリセットと言うと大げさで、何か「死ぬ」ことではないかと疑う人もいるかもしれませんが、そういうことではなく、「人生これから」「今から新しい人生が始まる」という意識と行動のことです。
ただ象徴的には古い自分が死に、新しい自分が生まれるとも言えますので、リセットはどんな場合でも、「死と再生」が内包されていると言えます。
細胞も新陳代謝として毎日新しいものへ変わっているのですし、「生きる」意味で、毎日を新しくしてもよく、また思いついた時から再生した人生になると決意してもよいわけです。
そもそも古代では、日が昇り新しい日になる度に、世界が再生され、自分も新しくなるのだという考えがありました。太陽信仰の基盤には再生復活の象徴が込められています。(タロットでは「太陽」の次に「審判」のカードが来ているのは興味深いです)
過去の経験や体験は今の自分を創っているという意味では大きなものではありますが、逆に多重宇宙や多重世界を想定すると、過去の自分と今の自分は別人であって、その瞬間瞬間に、そのエネルギー状態として存在した人間だと考えることができます。
そこから考えますと、いつも新しい自分が生まれている(選択されている)ことにもなります。
また、過去にこだわり過ぎるのも解放や自由な人生を歩む上で足を引っ張ることになりかねません。くよくよと起こってしまったことに悩むより、今と未来に意識を向けたほうがよいでしょう。
ここで必ず出てくるのが、「もう年だから・・・」というような年齢の問題です。
しかし、人生は「終わりよければすべて良し」みたいな一面もあります。亡くなる時に「ああ、良かった」と思えればいいのです。
過去の恥ずかしいこと、失敗、怠惰、悪習慣、しがらみ・・・これらはその時点では確かにまずかったかもしれませんが、振り返って「あれがあったから今の私がある」とか「あれも止むを得なかった」「あれも経験のうち」というように思うことができれば、過去の問題も肯定的にとらえることができます。
そしてそれは、振り返る時点が自分にとって充実していたり、ある種の悟り状態であったり、穏やかであったりした時に言えることなのです。
ということは、過去のすべてを受け入れられるためには、自分が その過去を許容できる精神状態(心境の拡大、心のとらわれの解放)か、現実環境(成功や余裕の状況)にあればよいということであり、特に精神のそれは、死の間際でさえ可能だということなのです。
ならば、年齢は関係なくなります。
あなたがリセットの意識を持ちさえすれば、そこから人生は変わるのです。
この「リセット」をもっとも象徴するマルセイユタロットのカードは「13」です。その次の数を持つ「節制」は救済の天使です。そう、リセット後、あなたは再生され、救済に導かれるのです。
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