記号読みと象徴読み。

タロットカードの絵柄は象徴であり、記号ではありません。ただ「記号」になることもあります。

ここで「記号」というのは、ある形やイメージに、決まった意味をつけるものと定義しておきます。

この記号的な読み方は実は、タロットリーディングにおいては大変楽な方法です。単純にカードに意味をあてはめるだけだからです。

別に記号読みを否定したり、悪く言ったりしているわけではありません。カードリーディングの初級においては、まずカードとなじみ、「自分でも読めた」という気持ちを持つためには、記号読みは時に必要なステップとなります。

私がもしタロットを一日で読める講座を開くとすれば、記号的読みを徹底して、先日お話したわかりやい固定的スプレッドを採用して教えます。そうすると、おそらく即席のタロットリーダーを誕生させることが可能でしょう。

しかしながら、すでに予測がつくように、記号読みは、タロットの絵柄から意味を象徴的に見いだすプロセスをすっとばしていますので、すぐに限界が来ます

それで実践経験(あるいは事例リーディング練習)を積んで、自分なりの意味や象徴的な解釈を次第に身につけいくようになる・・・というのがこれまでのタロット学習者には多かった傾向だと思います。

占い師・タロットリーダーとして、人の問題をカードで見てアドバイスしたいという方は、これでもよいと思います。

しかしタロットによって、自分を高めたり、象徴的理解を自分のものにして、もっと世界観を多層にして行ったりく(つまりは自己解放につながることです)することを目的にする場合は、やはり記号読みは一時的なものとして、早くに象徴読みに移行しなければなりません。

もっと言うと、「読める」ということがポイントではなく、象徴として読むプロセス・過程の重要さを認識するということが大切となります。

カードを象徴読みするには、「同心円」をイメージしてみるとよいでしょう。

中心から波紋のように同心円状に広がるものをイメージしてみてください。

この中心となるものが、そのカードが表す物事の「元型」であり、言葉では言い換えることができないものです。いわば、心でとらえるものと言ってもよいでしょう。しかしながら、誰にでも、あるいは何にでもあてはめられる根源的・象徴的・普遍的な「何か」です。

そしてここから外に広がる同心円の大きさが、根源性から具体性に移っていく過程を示しています。同じ円周上ではレベルも同一ということであり、円が大きくなっている分、個別性(具体性)も増えていて、つまりは意味がたくさん出てくるということになります。

そして円周上は同じながらも、円が大きくなっていることで、横同士のつながりが見えにくくなってきます。AさんとBさんから見たあるカードの意味が、まったく違うようになる場合もあるということです。

記号の場合は、それほど大きな円ではありませんが、中心でもなく、ある円周上にあるひとつかふたつかの言葉を引っ張り出して覚えているに過ぎません。

ここで重要なのは、すべての円は派生的に、または集約的につながっている、関係しているということです。円の大きさは違いますが、カードのある中心軸(点)から発生しているということでは同じなのです。

この円すべてが「象徴」です。どの次元(円)の大きさで理解するかはケースバイケースですが、かなり大きな範疇から細部の局面まで、同じカードが関連づけられることが何となくイメージできるのではないでしょうか。

さらに、平面的な円で理解するだけではなく、立体的な、いわば太陽系や銀河系宇宙のような天体・星系のように見てみると、まさに象徴というものの偉大さがわかってきます。

一枚のカードにも、占星術のように、木星的解釈、土星的解釈のようなものがあるということです。

中心になるのは太陽ではなくカードの根源象徴で、さらには自分自身になるのです。(占星術では地球・自分を中心に据えます)

カードを記号的に読めば、確かに楽ですが、それは私たちの今の常識で縛られた世界観での見方に過ぎません。これではあまりタロットを学習している意味がないと言えるでしょう。

カードを象徴的に読むことで、飛躍的にあなたの魂は解放に向かい始めるのです。

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