思考の現実化において必要な、ひとつの過程。
マルセイユタロットの「女帝」と「皇帝」の関係(それ以外の組み合わせも多数)にも言えますが、思ったことを現実に表すためには、現実世界のルールにあてはめる必要があると考えられます。
ここで言う現実世界とは、すなわち私たちが認識し、住んでいる普通の物理的世界のことです。
その特徴は、一言で言えば「モノに形がある」ということで、いわば三次元だということになります。
一方、心や精神の世界は立体ではなく平面・二次元が中心です。ホログラムぽく、三次元に見えても、実在としての立体ではありません。
ということは、二次元のものを三次元にしていくためには、立体化が求められるわけです。
アニメや漫画の世界は二次元なので、実は心の世界に近いのですが、ここで出てくるキャラクターはもちろん現実にはいません。
そこでファンやオタクの人は、好きなキャラクターのフィギィアなど製作したり、購入したりして「立体化」し、あたかも現実に存在しているかのように感じる術を施すのです。
これは魔法のひとつに近いものがありますが、もちろん、一般的には意識されません。
こう書くと、フィギュアを作る種類のアニメファンの人は気持ち悪いと思う人もいるかもしれませんが、意外な分野でこれと同じようなことは行われているのです。
それは偶像崇拝のある宗教の世界です。
イスラム教・カトリックキリスト教など、メジャーな宗教は実は偶像崇拝が禁止されているのですが、結局、特にキリスト教では絵とか像を作って神を表現している場合が多いです。(理屈では偶像崇拝ではないとされていますが)
仏教系は仏像を作ることが多く、それによって皆さん仏様を感じ、拝んでいます。
これらもつまるところ、心や精神で感じる世界を立体化して、我々の通常認識している現実世界になじむようにしているわけです。言わば、神や仏の現実化です。
ということで、何か思っていることを現実化するためには、シンボルとしてそれを何らかの方法で立体化するとよいわけです。
もちろん、立体化したそれであっても、もともと思っていたそのものではないのですが、ミニチュアだったり、立体化された象徴だったりして、そこに魂(エネルギー)が入ります。いや、入れるのです。
「仏を作って魂入れず」では、あまり効果はないわけです。
自分の作った、あるいは選んだ願望の立体物が、本当に自分の思いの象徴なのだと強く信じ、なおかつ「触れて」現実にあることを実感することが大事です。
簡単な例でいえば、家がほしければ家のミニチュアを作って、それにふれる・味わうといった感じです。
この時、さらにシンボル・象徴として意味づけが強化されるものがあれば、(「護符」的なものとかタロットとか)さらに有効になってきます。
とにかく思考と現実の間、言い換えれば非物理と物理の境目には、そのままでは次元が違うので通過せず、そこに変容過程が必要なことは覚えておくとよいでしょう。
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