潜在意識(活用)は万能なのか?

昨今、成功理論や心理の関心とともに、潜在意識がとても注目されるようになりました。

いわく、潜在意識にすり込めば自動的に行動できて成功に導かれるとか、表面でわかっていても潜在意識は理解していないとダメだとか、あなたの潜在意識の力を使うと叶えられないことはないとか・・・まあ、まるで潜在意識=万能の神みたいな風潮があります。

私自身もタロット講義の際に潜在意識の話をしますし、タロットを自分に活用するためには、潜在意識とタロットとの関係を仮説ながらも知っておいたほうが有効だとは考えています。

ただ、私も含めまして、潜在意識のことをお話する方々は、完全に潜在意識なるものを解明しているのかといえば、それは疑問のところがあります。

そういった意味では、私はあくまで想定モデル・仮説のような形で説明するに留めています。

仏教(純粋なブッダの教えという意味ではなく、受け継がれてきた仏教的な教説という意味で)などでも、古くから今で言う潜在意識のことは説かれています。

それを観るだけでも、潜在意識の構造は何層にもなり、簡単には捕らえがたいところがあるように思います。文字通り「潜在」する意識ですから。

これはあくまで私の考えですが、潜在意識というのはそれこそ広大で、個人で潜在しているものと集団・全人類的に潜在してるもののように(これはユングの説とともによく知られていますが)、いくつもの階層と次元があり、そのオーダー・階層をきちんと把握しないと、簡単に潜在意識を活用すると言っても難しいのではないかと想像しています。

そして多くの成功理論で説明している方は、個人の感情レベルでの層・オーダーに注視していて、そのレベルは実はかなり上のほう(顕在)の意識に近く、同時にそれでも自分でコントロールはしにくいものであると、私は「感じて」います。

タロットには四大元素と第5元素の理論と概念があり、よく言われる潜在意識は四大元素の一部(一部のレベル)を取り扱っているに過ぎないように思います。

あと個人的に思うのは、潜在意識のことを言う前に、顕在意識のほうも重要で、そしてこのふたつは実は境目があるようでない、またないようであるという極めて密接かつ不透明な関係にあると想像しています。

従って、実のところ、人が行動レベルで真に影響を与えやすいのは、むしろというか、当たり前なのですが、顕在意識への働きかけが効果的だということです。

そういうと、「では潜在する心の納得性は必要ないのか?」という質問も出そうですが、私たちが自分で感じることのできる「心」というものは、顕在しないととらえられない、感じられないということが忘れられていることが多いのです。

グッド・バッドフィーリングは、自分がそう感じているという認識が顕在的に存在しているからです。まあ、平たくいえば「感じていることを感じている」と知覚している状態です。

よって「頭でわかって心で納得」ということも顕在意識でのことだとも考えられるので、自分の顕在意識が「そうだ、その通り」と理解し、「納得」と感じることが結局は自分の行動・状況を決めているように思います。これは知性の働きでもあります。

今の潜在意識万能説では、知性というものが置き去りにされてる傾向があるように思います。

そして本当に潜在している意識というのは、何層ものレベルにあり、その影響は個人のものだけではなく、他人の意識、自然環境、地球・天体・宇宙・・などとのつながりがあって、実のところ個人の覚醒レベルによって潜在意識の活用レベルは異なってくるのではないかと考えています。

えらくスピリチュアルな話になりましたが(苦笑)、要は個人レベルでの潜在意識の活用は万能ではなく、また全体に共通している活用法があっても、かなり個人差(個性)が出るものではないかということです。

さらにいえば、人間が人間たる生命を維持できること、あなたがあなた(らしく)でいられるのものも潜在意識によるところもあると考えられ、下手に潜在意識への働きかけを行うと、逆効果や危険性さえありそうです。(通常はだからブロックされており、そうやすやすとコントロールされないようにはなっていると考えられますから、普通は安全ではありますが)

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