タロットにたくさん意味があること。

タロットのことに携わってきますと、タロットカードの解釈(意味)には、実にいろいろなものがあると感じます。

まず一般的な意味と言いますか、初心者でよくやりがちなものとして、テキスト・書籍に載っているものととか、専門家らしい人の解釈をそのまま覚えてしまうというものがあります。言い換えれば、人の言っていることを意味として理解するというものです。

それから、カード図像・絵柄からの見たまま、感じたままの解釈があります。

さらには、絵柄の細かい部分や、ほかのカードとの連繋的のものから解釈できるものもあります。これには伝説とか神話といったものから出る意味もあります。

そして、そうした視点とは別の、個人的なものと全体的なものという区別による解釈もあります。簡単に言えば、一般的にいわれている意味とは別の、個人的にカードから出てくる意味もあるということです。

占いをされている方には、あるカードには特定の意味が付与される(このカードが出ると、この意味になるという個人的に強い結びつきのある)解釈が結構あり、それがこのパターンに入るでしょう。

また、カード展開やカードの位置による意味もあります。これはたとえば、カードの正逆などが顕著です。さらにはカードの種類によっても、当然意味・解釈が異なることがあります。

そして個別の意味と同じようなことになりますが、同じカード種類で、出た展開とカード内容も同じなのに、人によって、あるいは相談内容によって、意味や解釈が異なってくる事もあり得ます。

それからこれはあまり言われませんが、タロットを続けていくと、個人の中にある別々の知識・経験等が結びつき、カード自体に飛躍した解釈や、飛び抜けたようなインスピレーションによる意味が出る場合があります。それには、タロットの精霊とのコンタクトによって得られる霊的なものもあります。

まとめますと、

●一般解釈・個別解釈がある

●図柄・絵の感覚的解釈がある

●一枚や部分的なパート解釈と、カードの複合性・総合性によって出る解釈がある

●カードの位置・展開の違いによる解釈(の相違)がある

●カード種類によっての解釈の違いがある

●自己の蓄積したもの、霊的なものからのインスピレーション的解釈がある

ざっとこのようになるでしょうか。

このように見てきますと、タロットとは意味が固定されていないあやふやなもの、信用するに値しないものとおっしゃる方もいるでしょう。

現代の科学的な実証のように、同じ条件で同じものが再現され、意味も同じでなければ確かなものではないという見方をすれば、当然タロットは不確かなものとなります。

ただ、タロットはあくまで「象徴」なのです。

象徴であるからこそ、同じ現象に対してもたくさんの意味が解釈されたり、付与されたりします。ひとつの答えしかない数学的質疑応答・解釈とは異なるということが大切です。

ここにタロットをする人の、思考の転換が普段から求められる理由があります。

私たちの現代生活では、ひとつのことはひとつの絶対的回答があるかのような錯覚を強いられる世の中であるとも言えます。

正解・不正解、正義・不正義(正しい、正しくない)の二極構造にいると言い換えてもよいでしょう。

上記で解説しましたタロットの意味・解釈の様々な違いも、実は根本的には全て同じなのです。その「同じ」という考え方・次元が、普通の思考方法とは異なりますので、なかなかタロットの意味というものがわかりづらいわけです。

その理解の鍵こそが、「象徴である」ということなのです。

従って、象徴とは何か?をつかむこと、これがタロットを読み解くキーとなりますし、リーディングの上達のコツでもあります。

逆に言えば、私たちの慣らされた思考方法とは別の「象徴的把握と理解」方法の獲得のために、タロットは用意されたのだと考えることができるのです。

おそらく古代では、この象徴的解釈法というのがむしろ通常でできていたのではないかと思います。それがために神や天使、精霊、自然ということが実感として理解可能だったのです。

今の私たちは象徴的理解法を失ってしまったので、様々なトラブルに見舞われているのだと見ることもできるのです。

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