ふたつの錬金術
いきなりですが、「お金」と聞いてあなたはどのような感じを受けますか?
キラキラと輝く素敵なものとイメージする人もいれば、ズバリ札束やコインを思い浮かべる人もいるでしょう。
また、感情的に「嫌だな」「卑しい」と思う人や、逆に「楽しい」「嬉しい」「大好き」「ワクワク」と感じる人もいるでしょう。
意外にも、その第一印象やイメージ、わき起こる感情があなたの「お金」に対する思いを表していることが多いものです。
心理的には、ここ数年、お金に縁がない人、今ひとつ経済的に思うような状態になっていない人に対して、「お金」に対するブロックという面でとらえられることが増えました。
そのアプローチは、時にとても効果的ものを生み出すように思います。
まあ、お金に限らず、いわゆるメンタルブロックというものは、様々に自分の人生に影響を及ぼしており、うまく本来の自分を表現できてない要因(現実が不幸に思える状況)は、メンタルブロックであることも少なくありません。
しかし、何でもかでもメンタルブロックだという主張もどうかと思います。ブロックも悪いことだけではなく、自分を守るための盾となっていることもあるからです。
これは「お金」についても言えるのではないかと考えます。
お金をエネルギーや表現としてとらえた場合、タロットをしたり、精神的なことで仕事をしたりする人には多いのですが、単純にエネルギーをお金に価値変換できないだけという場合もあると思われます。
端的に言えば、自分の提供する・表現するエネルギーを、お金という形に換える方法や手段に疎いということです。
これはブロックというより、情報の問題です。お金にする技術を知っているか知っていないかということが大きいのです。
例えば、子供の頃を思い出していただければ、「商売」や「お金を手にする」というもののイメージが、何かをモノを売ることだったり、漠然とただ「働くこと」と思っていたりしていただけではないでしょうか。
大人になれば、「お金」を手にするいろいろな方法を知ります。単純に雇われて働くことだけではないのです。
情報や知識を売ることもできれば、スポーツ(選手)も実はお金になることが(子供の頃はお金の視点より、ヒーローとかヒロイン的な視点だったでしょう)わかります。株や不動産などの投資も同様です。
さらには、何かがお金に換わっていくシステムそのものを知見することにもなっていきます。(これは非常に重要な視点です)
自分の携わる企業・組織、関係する人たちとの交流によって、自分のそれまでの常識でのお金の稼ぎ方から、あり得ないと思っていた方法での獲得を「情報」として知ることになるわけです。
まあ、その過程で極端に言えば、詐欺・犯罪的なグループや組織に影響されて手を出してしまう人もいます。これは悪い例ですが、本質だけを見れば、自分の(それまでの)常識を超えた情報による金銭の入手ということになるわけです。
つまり、実は「錬金術」の知識と技術が問われているのです。
「錬金術」はタロットにおいても重要なファクターとして登場しますが、古代から中世における、いわゆるいにしえの「錬金術」と、現代で言われるところの経済的な「錬金術」とはもちろん異なります。
前者は卑金属を金に変える技術ですが、この「金」というのは象徴で、霊的な意味も含みます。
後者は単純に「お金」を生み出す(稼ぐ)方法ということで使われます。
ただ、象徴的には似ているところがあり、あながち、昔の「錬金術」と現代の人が使う意味での「錬金術」が全く違うとは言えないのです。
古代の錬金術も、いわばエネルギーや情報の世界と関連するからです。四大元素論とも通じるところがあります。
ということで、情報は非常に重要です。
かつての錬金術師が、師や霊的な文書(このふたつは「ヘルメス」という言葉で象徴されます)を求めたように、現代的なお金の構築にも、自分を超えた人や情報の世界に接触する必要があるでしょう。
そこには詐欺や欺瞞の世界として、昔の錬金術と同様、危険なものもあります。しかしながら、自分をこれまでの範疇の世界観を超えないと、その求める情報次元の世界には移行できないところがあります。
またたとえそういった情報に接しても、やはりメンタルなブロックが強くあると、行動を制限してしまいますので、メンタルブロックの解除との同時進行は必要かもしれません。(行動そのものが、メンタルブロックを解除させる装置になることもあります)
錬金術の世界に入ることは、マルセイユタロットでは「手品師」のカードで象徴されています。
このカードが「1」という最初の数を持ち、出発点であることも興味深いことです。なお、「手品師」は「仕事」も象徴しますので、お金を稼ぐ第一歩でもあるのです。
スピリチュアルな傾向の人は経済的なことやお金を後回しにしがちですが、マルセイユタロットの場合は、現実面での成功の道が最初であることも謳われており、マルセイユタロット的にも、それ(現実の充実)は無視できないものと言えるのです。
なお、お金の分野については、「宮廷(コート)カード」の通称コイン、「玉」の人物たちとも深く関係するので、注目するとよいでしょう。
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