占いではないタロット再び。

先にお知らせをいくつか。

昨日30日に、メルマガ(受講者・修了者用)を配信しましたので、登録されている方はご覧ください。

何通かメールが戻ってきておりますので、届いていない方はアドレスを確認されるか、当方までご連絡ください。

それから、7月に行いましたマルセイユタロット体験会を大阪か京都あたりで、9月後半に開催したいと思っております。

体験会は、まずマルセイユタロットがどんなものであり、何を伝えているのかといったお話をしたあと、参加者の方々に公開でお一人ずつタロットリーディングを行うというものです。

文字通り、マルセイユタロットを体験したい方にお勧めです。9/18(木)にはよみうり神戸文化センター
でも体験会があります、

ほかにも、まだ時期は未定ですが、神奈川県藤沢市(駅近く)でも体験会のようなものを開催したいと思っておりますが、もしこちらのほうに参加ご希望の関東方面の方がいらっしゃれば、お問い合せください。

では記事に移ります。

最近、またリーディングのお問い合せを受けることが増えてきましたが、何人の方は、やはりタロットということで、私が「タロットを使った占いをしてくれるもの」と思い込んでおられるようです。

このブログでも書いていますように、私が行ったり、伝えたりしているタロットは占いが目的ではありません。

もちろんタロットで占いをすることも可能です。ですから、巷でも多くの占い師がタロットを使って「占い」をしています。

日本でタロットを実際に持っている人、学習している人のほとんどは、占いを目的としているか、それに関係していると言っても過言ではないでしょう。

しかし私は違うわけです。これは占いがいいとか悪いとかの問題ではなく、ただそういうタロットの活用や意味・教義の世界を選択している、スタンスの違いだということです。

従って、「占いの世界が大好き」「占いを活用して人生を楽しみたい、幸せにしたい」という価値観の人とはあまり合わないことになります。

とはいえ、道具・ツール(タロット)として、占いフィールドと共通しますから、無関係ではいられず、その境界線にある人たちとクロスし、占い(に興味を持つ)世界の人と関わることになります。

また最初は占いからということで、タロット学習の出発点になる人も少なくありません。

それも自然なことであり、先にもいいましたように、いい・悪いのものではないのです。ただ、私の場合、そこ(占い)から移行する世界(観)が違うと言っているのですね。

では、私がタロットを使って何をしているのかと言えば、一言でいえば、自己の発展や統合的成長のためです。

けれども、一般的な成功や幸せの意味での自己成長・発展という意味とは限りません。

それでも、これだけは確かに言えるのは、目的や結果として、認識の拡大、多様性の獲得があります。それにより、結局、世間でいう一般的な幸せ概念に導かれることもあります。

なぜなら、自らの不幸は、認識の偏り・矮小・限定によるところが大きいからです。

もう少しアプローチを変えて話します。

占いでタロットを使うということは、結果的に人の悩みや問題を楽にしたり、解消したりすることにはなるかもしれませんが、プロセスが私の言うタロットリーディングとは異なります。

占いの場合、当たる当たらないとか、何かの選択における吉凶判断(損得になっていることが多い)、託宣的な指針(占い師が示すよい方法や適切なTPOの選択)というパターンが主体となります。

まあ、言ってみれば、カードの意味がこうだからこういうことは悪い・こういうことは良い、相手はこんな気持ちでしょうとか、そういうものを相談者(クライアント)に告げるというような感じです。

さて、占いでの問題の焦点はどこにあるのかといえば、「未来」にあります。正直、「過去」とか「今(現在)」はどうでもいいのです。

こう言いますと、「過去」はともかく、「今」はどうでもよくないのじゃないですか? 「今」に問題があるから占いに来ているのでしょう?と思う人もいるでしょう。

しかし、占いにおいて相談者が聞きたいことは、これから(未来)のことです。今が問題(悩みや迷い)なので、これからどうすればよいか、よい方向を示してほしいということになるからです。

私の言うタロットリーディングにおいても、今の問題に注視し、これからのことはタロットとともに傾向として見ていきます。それだけ取り上げれば、占いと形では同じかもしれません。

しかし、決定的に違うのは、「過去」も重視することです。同時に、過去・現在・未来を明確なタイムラインで区別せず、同時の象徴としてもカードを見ます。

「占い」での過去の扱いは、たいてい、当たっているかどうかの判定装置、その占いが信用に値するかどうかの確認のために実質行われています。

つまり、例えばタロットの場合、過去に出たカードが、その相談者の過去にピッタリ当てはまっていて驚いたという感じになり、では未来に出たカードもその通りになるはずと感じられ、占いの未来予測を信頼するようになるわけです。

リーディングの場合もカードと実際の過去を照らし合わせますが、当たっているかはずれているかを問題とするのではありません。

象徴としてとらえ、現在における問題や悩み事の現象が過去カードにも関係されており、今の問題が過去に象徴されていることを確認することで、その再発生を今に見たり、問題解消のために別の現象として象徴的に今後に現れてきている可能性などを分析したりするためにあります。(それだけではありませんが)

結局、いい・悪い、運の良し悪しを占い師がカードから判定するのではなく、カードの象徴性、実際のクライアントの置かれている状況や思考・感情、選択行動パターンなどの情報、これらを重ね合わせて統合させながら、クライアント自らが、本当はどうすればよいのかどんな気持ちが奥底にあるのか自己の成長のためには何を見て、どう行動すればよいのかといったことを一緒に導き出すのが、私の考えるタロットリーディングなのです。

ですから、「この仕事は向いているかどうか」とか、「この人は結婚するほうがよいのか」とか、「私にいい人が現れるのはいつで、どんなところに行けばいいのか」みたいな、占いに多い質問にそのまま答えることはないのです。

もしそれを安易に行うと、外側からの回答を押しつけることになり、自己の選択と責任からはずれ、自身の持つパワーを外に明け渡してしまう行為につながりやすくなります。

占い形式の質問の多くは表面的なものであり、本当の自分と向き合うためには、質問自体はあまり意味をなさず、例えば仕事の問題でも恋愛とからんでいたり、その逆であったりと、問題の本質自体は象徴的にはひとつとして考えられ、それをタロットで展開して読み解くことに意義があるのです。

いわば占いは現実的・具体的ことが求められ、それに答えるという点では高度な技術も要求される(従って占いの技術自体はすばらしい)のですが、私の言うタロットリーディングはどちらかといえば、心理的なものです。

ですが、具体性に欠くのではなく、その具体性の出し方が、本人(クライアント由来)なのか、占い師やタロットリーダーからの比重が大きいかの違いにあると言えましょう。

簡単に言えば、実は具体的なことは本人が知っているのです。ただその導きまでが、今の状態では自分だけでは難しく、タロットとタロットリーダーのサポートが必要となるのです。

ただ、心理的と言いましたが、タロットはカードに描かれた象徴的な絵札ということだけではなく、タロットの精霊とコンタクトして得られるような世界での情報もありますので、見た目、霊感タロットのようなお告げ的な示唆をすることもありえます。

そのあたりは誤解されるかもしれませんし、占いと同じ形式といえばそうかもしれません。コンタクトする階層は人によって違いますので、怪しいと思う人は怪しいと感じることもあるでしょう。

そのため、タロットは一見簡単なようで、難しい複雑な世界観を持つのです。しかし、それはタロットというより、タロットをどう扱い、どのように使うのかの意識の差によるとも言えます。

私の考えでは、マルセイユタロットはもうそれだけで完全性を象徴するものであり、ですから人間世界(だけではありませんが)のどんなものでも表現し、比喩し、象徴させることができます。

ということは、占いでも、リーディングでも何でも許容し、その世界に応じた表現を見せるといことでもあるのです。

タロットを伝える人がどういう価値観と世界観をもって話をしているかによって、そのタロットの活用の仕方も変わってきます。

最初は占いに興味はあっても、占いとは違う世界(観)でマルセイユタロットを語る人の講義を受けるうちに、占いとは別の新世界へ移行することもあります。

マルセイユタロットはそもそも「占いより」ではないと考えられますので、学べば自ずと、違う活用に目覚めていくことになるでしょう。

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