タロットにおける「杖」

10月になりました。

秋は学びのシーズンでもあり、当方でもこの時期からスタートさせるタロット講座がいくつかあります。

今のところ、新大阪で開催するマルセイユタロット基礎講座ハイクラス
は、まだ応募が可能です。

それから関西に通うことのできない遠方の人には、スカイプでの講座も提供しておりますが、スカイプと直接講義の両方で行う方法も人によってはOKです。

これは基本、スカイプでの講義を受講しながら、どこかの日にちで関西(新大阪)に来て学んでいただくという形式で、スカイプ講座単体の時よりも学習期間の短縮と、直接講師と対面しての指導が受けられるという点ではよいところもあります。交通費等も、全部通いの場合よりも負担は少なく済むでしょう。

個人講座の場合、その人の学びやすい形を作るため、様々な方法を一緒になって考えますので、個人講座をご希望の人もお問い合せ
いただければと存じます。

さて、本日の記事です。

タロットの、特に小アルカナと呼ばれるパートには顕著なのですか、4組・四大元素というものが象徴されています。

トランプでも、スペード・ハート・クラブ・ダイヤと、日本で使われているメジャーなものには、この4つで構成されていることがわかります。この4つのスート(組)は、見た目にもタロットの4組と関係すると考えられます。

タロットの4組は、これも一般的には、ソード・カップ・ワンド・コインという形で分けられています。(タロットの種類によっては、この4つのモノが違う場合もあります)

私はこの4組のスートを日本語にして、「剣」「杯」「杖」「玉」と呼ぶことを採用しいます。

それはさておき、この4つの中でも意外にわかりにくいのが、「杖」だと思っています。

タロットの種類によって、4つの組の代表的解釈は異なることが多いのですが、中でも、「杖」はかなり個性を持つ気がします。(タロット種、同じタロットの中でもいろいろと解釈が分かれるということ)

それもそのはず、ソードつまり剣とか、コイン(玉)とか、カップ(杯)ならば、まあ、そのモノの種類はたくさんあっても用途は限られることが多いでしょう。

コインはまさにお金ですし、カップは飲み物とか水(液体)を溜めるものだとか、ソード・剣は切るもの、鋭いモノみたいにイメージと意味的なものもすぐ浮かんできます。

ところが「杖」は、名前も「ワンド」で日本人にはわかりづらいですし、「杖」はほかの4組のモノよりも、たくさん種類があり、長短・大小、用途などを含めると、いったいどの「杖」をイメージすればよいのか、わかりにくいと思います。

特に私たち日本人の場合は、杖を見たり使ったりするのが、歩行のための補助杖みたいなものしか浮かびにくいのではないでしょうか。

しかし海外では、杖は儀式の時に使うものも含めて、権威を象徴したり、祝福を与えたり、呪文を唱えたりする時に使ったり、目に見えないパワーをコントロールしたりする時などに使用されたり、もともとは武器であったりしたものなど、本当に様々な種類と使い道があります。

厳密にいえば、形や長さによって、何のための杖か決まっているようなものです。

それらを一緒くたにしてしまうので、「杖」と一口に言っても混乱するわけです。

むしろ、大人よりも、ゲームに親しんでいる子供のほうが、「杖」が何なのか、ゲームのシーンでの使われ方、アイテムの効用などから理解しているのではないかと思います。

ですから、本当は、特に西洋の「杖」というものを写真や図で見たり、その意味合いを知っておくことも、タロットのワンド・杖解釈には有用だと思います。

タロットは、4組に限らず、カードの意味をただ覚えればいいというものではありません。

カードの意味をいくつかの言葉で覚えるのは、カードそのものを象徴している「何か」を把握するための方法なのです。

これは非常に重要なことなので、繰り返し書きますが、カードの意味を覚えることがタロット理解の目的ではなく、逆であり、タロットを理解するために、便宜上、それを表していると思える言葉を意味として覚えているのです。

覚えている言葉と意味は、そのカードやカードの組それ自身ではないのです。そこに近づくための、ひとつのアプローチ法が代表的な意味とか言葉を覚えることなのです。

人によってはカードを意味(言葉)を全く覚えなくていい、直感や、使っていれば自然にわかるようになるからと言われる人もいますが、私はそうは思いません。

確かにそういうこともないことはないのですが、カードの表している「本質」を把握するためには、言葉とか、代表的な意味も少しは覚えたり、知っておいたりするほうが、理解の手助けになるからです。

ただし、先述したように、その言葉や意味は、カードのそれ自身ではありませんから、意味や言葉を覚えることだけに囚われると、本末転倒のことになり、いったい自分が何をやっているのかわからなくなったり、膨大な覚える作業に嫌気がさしたりして、タロットから離れてしまう危険性もあります。

覚える言葉は少しでいいのです。つまりは本質を得るための呼び水、きっかけに過ぎません。

タロット学習において、自分のやっている作業が何の意味と目的があるのか、常に意識しておくことは重要であり、わからなければ、習っている先生に聞くことです。(あえて教えない先生もいらっしゃるでしょうが、もし意図的ではなく、本当にやっている、やらせている意味について答えられない先生がいれば問題です)

さて「杖」の話に戻りますが、マルセイユタロットの場合、「杖」は大アルカナにおいてもきちんと区分けして描かれています。

従って、同じような種類の杖が複数登場するようなことになれば、その「杖」の種類の象徴性によって、意味が決まってくるともいえます。

「杖」全体を示すようなエネルギーとでもいうべき意味と象徴性はあるにしても、細かく言えば、このように、「杖」もいろいろと分けられるので、そこまで意識すると、具体的な読みや示唆を得られるわけです。

ここにタロットにおける知識の重要性があります。

大ざっぱで抽象的な全体的エネルギーをとらえることも大事なのですが、それでは、個別性・具体性まで踏み込んでいくことが難しくなります。(その反対に、細かなことにこだわりすぎて、本質が見えなくなっている場合ももちろんあります)

「杖」はわかりづらいからこそ、逆に細かく見ていけば、私たちにいろいろなものを示唆してくれるでしょう。

「杖」については、まだまだ書きたいことがありますので、また違った角度から、いつか記事にしてみたいと思います。

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