相談する、される人の技術と人間
最近はセラピストやカウンセラー、スピリチュアルな技法を使っての対人援助など、人の役に立ちたい、人の問題や葛藤、ブロックを浄化したり、解放させたりしたいという人が増えてきました。
昔はそういった人の人数も少なかったですし、また扱う技法や種類も多くなかったと思いますが、今は百花繚乱と言いますか、人も種類も飛躍的に増え、ますます増加の一途という感じでもあります。
そういった意味では、クライアント(相談する立場側の人)としては、いろいろと迷ってしまう状況とも言えます。
また相談を受ける側を志すにしても、自分にはどれ(どの技法)が合っているのか、どれを使えばいいのかということに悩んでしまうこともあるでしょう。
人と人に相性があるように、自分と技法・技術・ツールとの間にも相性のようなものがあると考えられ、クライアントとしても、それはある(まず人と人、そしてその人が使っている技法との相性)と想像されます。
それから人の出会いとやはり同じように、出会う縁というのもあるでしょう。
さらにはその人固有のそれぞれのリズムのようなものもあり、そのタイミングによっては、同じ人・同じ技術でも、以前は合っていたのに、今は合わない(その逆もあり)ということもありますし、相談内容によっても、人と技術の相性があるように思います。
ということで、自分がもし何かに困っていることがあれば、たとえ一度のことでうまく行かなくても、複数回試みてみるのもありですし、人や技法を変えて相談を受けてみるのもよいかもしれません。
また相談を受ける側を目指す人でも、学び始めたものや、自分が最初に選択したものに、違和感を覚え始めたり、ほかの技法に魅力や効果を感じ始めたりしたのなら、思いきって変えてみる気持ちになると、自分に本当に合うものが見つかるかもしれません。
また、すでに学んだ技法や技術にプラスして、新しいものを身につけ、臨機応変に使いこなしたり、組み合わせたりして、セッションや相談を行うことも可能です。
だいたいタイプとして、ひとつの技術やツールに惚れ込んでそれを極めようとする人と、とにかく効果があるのなら、なんでも採り入れてやってみようというタイプの人がいます。もちろんその中間の人もいますが。
前者は技術・ツールが比較的ウリとなりますし、後者はやっている人物・人間像・キャラクターが魅力的であり、力があるということのほうが多いように思います。
まあ、プロでやる限り、技術がよいのは当たり前のことです。
営業的なことで言えば、メソッド・ツールが独特ですばらしいものであり、それに対する知識と技術も確かで、さらには人として魅力的(いい人であるとか、人格的にすばらしいということとは少し違います。超個性的と言ったほうがいいでしょう)であれば、人を集めることができるでしょう。
人を集めるだけならば、メソッドが独特か、魅力的な人(自分の世界観が強烈にできている人)であるだけでもOKな場合がありますが、あくまで人の相談をするということでは、それだけでは問題と言えます。(まあしかし、魅力的な人は、普通レベルの技術・メソッドくらいは、たいてい会得しているものですが)
いずれにしても、セッションや人の相談の場合は、目的をはっきりとしておかないといけません。
その目的というのは、相手の問題を解決したり、癒したり、今よりよい状態にして行くという相談本来の目的です。
相談において、技術自慢・ツール自慢になったり、相談に来られた人をないがしろにして、相談を受ける側の自分が、技術やツールを使って変に楽しんでしまっている(一種の遊び状態)であるのは問題です。
いえ、相談していて楽しくなってはいけないというわけではありません。
高度な意味での楽しい状態は、法悦に近いものなので、クライアントとともに、マルセイユタロットで言いますと、「世界」のカード状態のダンスが踊られるものとなり、癒しや解決の波動が出ることになります。
ここで言っているのは、低次の遊びレベルのことであり、いい加減な相談をしたり、相手のことより、利己的に自分が楽しんだり、満足したりすることに焦点が合っている場合を言っています。
それから相談するクライアント側にも、注意する点がいろいろとあります。
そのひとつに、わざと頑なな態度を作っていくというのがあります。
自分でも気がついていないブロックならばいいのですが、わざと自分にブロックや壁を作り、占いでいうと、「当ててみろ!」的な態度や、セラピーでも、「こんなものが効くわけがない」と、かなり疑いと抵抗を持って臨むような姿勢です。
いえ、ある程度の疑いはむしろ持つべきかもしれません。
簡単に洗脳されたり、いいように誘導されたりしないためにも、冷静な視点で疑いは持っていてもよいでしょう。
しかし、問題を解決してほしい、悩みをほどいて欲しい、気持ちを軽くして欲しいというような望みでわざわざお金を払ってまで行く(お金がいらない場合もあるでしょうが)のですから、自分自身も心をオープンにして、素直に臨むということも大切です。
抵抗や疑いが強い分、それを解いていく過程に時間がかかり、効率としても悪いことになるからです。
例えば、病気になって医者にかかるということで考えてみるとわかりやすいでしょう。
医者から「今日はどうされましたか?」と聞かれて、
「先生、私がどんな病気か当ててください、そしてすぐ治療してください」
といきなり言ったところで、お医者さんも困ってしまうはずです。
どんな症状があり、いつ頃からそんな状態で・・・など語ったり、見せてくれたりしないと、どんな名医でも治療することは難しいでしょう。
もちろん見た目だけの予測も、少しは立つかもしれませんが、やはり患者さん自身が積極的に治ろう、治療してもらおうと思って、そのために自分の情報や状態を素直に伝えるということのほうが、治りも早くなったり、治療方法が適切であったりする可能性は高いと言えます。
さて、クライアント側として、自分の問題の解決に役立つ人や方法を求めるにしろ、相談を受ける側で、自分に合ったメソッドやツールとの出会いを期待にするにしろ、「求めよ、さらば得られん」という言葉があるように、求めていれば、人はいつか自分にふつわしいもの(人)と出会える気がします。
最初にマルセイユタロットを勉強しようと思ったのは、自分自身に理解したいメンタル面での疑問や不安があった時、小さい頃から興味のあったタロット(占い本を見て引いていたのですが)で一瞬の解放感を得られたからです。
先生のブログを読ませていただいて、人の為にも役に立てれるようになれたらいいなぁと思い出しました。プロになるというのはハードルがたかく恐れ多いですが…
私の周りではタロット=占いなので、その辺の認知度から変えていけるように勉強して行きたいです。
よろしくお願いします。
タロットは自分にも人にも役立てられるものです。
そのやり方にも個性に応じて様々な方法があります。
ただやはり、世間一般的にはまだまだ占いという認識ですね。
(占いが悪いわけでもありません)
プロリーダーになるには、それ相応の技術と知識が必要ですが、
どんな人も最初は皆さん初心者からですからね。
少しずつ高めて行きましょう。