小アルカナ4組による理解の大切さ

マルセイユタロットの小アルカナで、特に数カードは、わかりづらい記号的な模様になっています。

この理由は、講座で詳しく説明しておりますし、またこのブログでも何度か説明しているので、今日は書きません。(でも、わかる人には今日も一部書いていることが見えるでしょう)

小アルカナは大アルカナと違い、具体的・現実的次元を象徴するものと、マルセイユタロットでは考えられますが、具体世界とは、言い換えれば個別の世界であり、それこそ、実は無数(一人一人個人)の世界と言え、カードで表せばキリがありまん。

カードが象徴であるからには、ある程度の集合性、類型、パターン、枠組が必要となります。

それが小アルカナでは「4組」と言われるものになります。

これは、古代の思想ではおなじみの、「四大元素」というものを表しています。

簡単にいえば、小アルカナ(の世界)は四大元素の枠組でまとめあげられている、象徴されているということなのです。

四大元素は、風・水・火・土という、素朴な自然現象から導き出されたものと推定できますが、しかしながら、単純なようで奧が深く、従って、これを実際の世界に働いている原理として当てはめようとすると、なかなか普通、あるいは現代的感覚では難しくなります。

そこで、それを具体的な物質の形にすることで、原理・本質を実際化、視覚化しようと試みたのが、「剣(ソード)・杯(カップ)・杖(ワンド)・玉(コイン)」という、4組のモノである、と考えられます。

ということは、これらの4つのモノの印象、手触り、働き(どう使うのか、またどう動くかなど)を見ることによって、四大元素が現実的・実際的(な世界)に作用するものが見えてくることになります。

例えば、問題の処理や解決に当たって、どうするのか?ということを考えた場合、剣では切っていくこと、細かくしていくこと、杯ではカップなので、水を入れること、流すこと、杖は杖をついて歩く、その杖(棍棒)が木なので燃え上がっていくこと、玉はコインや金属として、固まること、安定すること、お金を使っていくことなどがイメージできるでしょう。

これをもっと実際的なことに変換した場合、剣は切るので、無駄を省いたり、シンプルにしたり、一気にスピードあげて処理や解決を行ったり、物事をはっきりと決断したり、細かく分析したりということになります。

杯では、受け入れる、溜める、流すという感じになり、気持ちや感情に関わることもありますし、カップに入ればその形になるように、流動的、臨機応変さも想定できます。

杖は、やはり運動的・行動的になりますし、熱意や使命、やりとげる意志のようなものが発生し、創造する、生み出すこと、直感的に動くこともイメージできます。

玉となりますと、固め、安定させていくので、しっかりとした選択、経済的な観点重視、守りも大切、動かないことも選択に入ってきます。

ですから、小アルカナを使うことで、自分が速く(早く)動くべきなのか、ゆっくりでいいのか、あるはもっと待つべきなのか、臨機応変にするのか、生み出すのか、そぎ落とすのか、お金を使うのか、知恵を働かせるのか、人を使うのかなど、大アルカナより、はっきりしてくるのです。

と言っても、小アルカナも象徴であることには変わりないので、具体的なことを示唆するにせよ、その読み取り、受け取りは、最初は多様的・抽象的になることもあります。

しかし、まずは小アルカナの原理である「四大元素」、そしてそれ(四大の本質・エネルギー)が実際世界において行使される形・方法を表すモノとしての「4組」を把握することが大切となってきます。

大アルカナと小アルカナの絵柄がはっきり異なるマルセイユタロットは、その意味があり、これを理解することで、世の中の仕組み、宇宙の原理と働きにおいて、様々なレベルで通底していることを見ることができます。

ああ、こんな風に宇宙はなっているのね、私たちの生活する世界に働いている(影響している)のね、みたいなことが、マルセイユタロットという目を通して得られるのです。

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