愛情表現 他人と自分

先日、タロット受講生限定の「恋愛セミナー」を開催しました。

過去に二度、一般者向けに行ったことのあるセミナーなのですが、あれから10年近くも経過したので、あらゆるバージョンが更新され、今回はまったく違った内容のセミナーになりました。

「恋愛セミナー」と言っても、恋愛上手やその方法を示唆するものではなく(そんな指導は私にはできません(^_^;))、恋愛とは何かということを、マルセイユタロットの「恋人」カードを中心に、現実的・精神的・統合的に語るというものです。

そしてタロットリーダーとして、恋愛の相談を受ける時に、基本となる考え方などをお伝えします。

その内容は、意外にあまり言われていないことで、それでいて実は多くの人(相談者やクライアント)が自然にしている(無意識にしている)ことなのですが、それを改めて、ある概念や、とらえ方の範疇を利用して、まとめあげたものです。

さて、このセミナーでも、少し紹介したのですが、ゲーリー・チャップマン氏の「愛を伝える5つの方法」という本があります。

詳しくは本を読んでもらえればわかりますが、要するに、人には愛情の伝え方・表現(愛を感じる・愛を感じてもらえると思っているもの)として、5つのタイプがあり、それは人によって言葉だったり、行動だったりして違うということです。

言わば、愛情表現にも個性があるわけです。

従って、「私はスキンシップを大切にして、それをされると愛を感じるけれど、パートナーはモノでプレゼントばかりしてくる」など、お互いの違いで不満が出るのです。

そして、自分の愛の感じ方を知るのも重要ですが、その次には、自分が愛を感じる方法で、相手に対してそれを表現してしまうことに注意を払うことだと感じます。

いわば、それしか愛情表現を知らない、それがもっとも自分が愛だと思っていることが極めて問題でもあるのです。

つまるところ、それは相手への表現のようでいて自分への愛であり、あとで述べることと関係してきますが、自分に対する愛情表現にもなっているのです。

ところで、マルセイユタロットで正逆の意味の違いを取る時、「」のカードが逆で出ると、まるで「星」の女神の水瓶から水が無駄に流されているように見えます。

こうしたことから、愛情を注ぎ過ぎているとか、注ぐ対象や、注ぎ方が間違っている時があるなどと象徴的に読むことができます。

それは同じ水瓶を持つ、「節制」のカードにも関係してきます。

先述のゲーリー・チャップマン氏の本では、これを(個人の)ラブタンクから水が漏れているラブタンクが一杯にならない状態と表現していたように覚えています。

一生懸命、相手に愛情表現していても、相手のタンクには水が入っていない(相手からの水も自分のタンクに入って来ない)、もしくは穴が空いている状態(それは愛を受け取れないブロックや心理的要因の存在)かもしれないのです。

これは「愛」という表現を「誠意」とか、「相手の為の思い」とかで変えると、何も恋愛やパートナーシップに限らず、親子や友人関係、およそ人間関係と名のつくものには、すべて当てはまることがあるでしょう。

さて、このこと(愛情表現の個性・違い)は、実は他人との関係だけではなく、自分自身に対しての場合もあるのではないかと想像しています。

例えば、自分への愛を、お金を使うこと、物質を満たすことでしていることもあれば、体に対するケアや、自分を励ます言葉かけで表現していることもあるでしょう。

それは、どんなものであれ、エゴも含めて、全部、自分にとっては広義の意味で愛だと思います。

しかし、やはり表現の適用を考慮する必要はありそうです。

私たちが実際に生きているのは現実(の時空間)であるので、思いだけとかでは済まされず、モノや形も存在し、影響し合います。

よって、自分自身への愛情表現が心だけではなく、形が必要なこともあれば、逆に形が過剰になって、それに偏愛となっていることもあると思います。

要はバランスでしょう。それも個人・個人異なるバランスです。

自分自身への愛情表現が「それ」ではないという時、たいてい、体調がおかしかったり、心情的にストレスや不満を抱えたりします。

誤解しがちなのは、好きなこと、気持ちのいいことをやっていれば、自分への愛情だと思うことです。

もちろん愛情のことである場合は多いのですが、そうとは限らず、自分をいじめている、自分を過保護にしている愛情表現となっている場合もあるのです。

反対も結構あり、必死で頑張ることが「自分への愛」みたいになっていることもあります。

肉体がなく、魂だけの次元に生きているのならともかく、現実空間においては、時と場合・環境を考慮し、その時々において、自分自身への愛情表現も選択していくことが求められるのです。

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