タロットへの質問について
タロットの使い方は人それぞれで、本来は自由なものです。
タロットリーディングにおける質問においても、これをやってはいけないとか、これが望ましいというのも、あくまで人間のルールにおいての解釈となります。
とはいえ、タロットで答えにくい質問、というより、タロットからの解釈が難しい質問というものは存在します。
また時代や環境、設定によっても、質問の内容が変化してきていることもあるでしょう。
ということでは、私の独断と偏見も入っていますが、タロットリーディングにおける質問の注意点を書いてみたいと思います。(基本的に「タロット占い」とは異なる点に注意してください)
●常識と非常識の範囲
タロットで見るより、物理的・常識的にすでにわかる事柄や、普通に行動したり、調べたりすることで判明できるもの、または緊急性を要するものなど、わさわざタロットで確認するよりも、別の方法でするほうが早く、確実で、適切だということがあります。
いわゆる常識の範囲の調べものや処置・対応については、タロットを使うのは望ましくないという当たり前のことです。
例えば、人が交通事故に遭ったとか、重篤な怪我をしたとか、心臓や血管の突発的病とか、特に救急的処置が必要なのに、「この人をどう救うべきだろうか?」とか、「診察を受けるべきだろうか?」「倒れている原因は何だろうか?」と、タロットで引くなんてことは非常識です。
また、連絡ができない人ならばともかく、普通にいつでも連絡できるのに、タロットで「今連絡をあの人にすべきだろうか?」「あの人は今いるだろうか?」みたいにカードを引いて調べようとするのもおかしく、本当のタイミングを失います。電話やメールを、その時すればいいだけの話です。
さらに、勉強もしていないのに、「偏差値の高い学校に合格できるか?」みたいな質問も非常識であり、まだ「合格するにはどうすればよいか?」という質問なら救いがありますが、最初から奇跡頼みでは、タロットに質問する以前の問題です。
タロットは超マジックを教えてくれるものではありません。
タロットは、タロットで見ないとわかりにくいことをリーディングするのです、いちいち、なんでもタロットで展開するのは、タロットを本当の意味で使っているとは言わず、それはタロットというものを「何でも叶えてくれる魔法ツール」みたいに位置づけた「依存」でしかありません。
●生き死にの問題
人の生死の問題は、「占い」でも禁止事項になっていることがほとんどだと思いますが、その理由は、人間の調べてよい(知ってよい)範囲の領分を超えていることに関わることであるためとか、占い師の命を削ることになるとか、いろいろと言われていますが、いずれにしても、人の生死に関わることはリーディングの質問には望ましくないでしょう。
普通に考えても、特に時期の当たりはずれとかになりますと、重大な過失や責めを負わされる危険性があるからです。また特に人の死については、それを知ることで、かえって寿命を縮めてしまったり、生きる希望を失わせたり、家族側の医学的な治療処置を誤らせたりするおそれもあります。
調べ、見た時期が、本当にその人の死期なのかどうかは、まさに神のみぞ知るの世界で、正しいかそうでないかなんて、誰にもわかりません。
人の生死の問題は、見るほうも見られるほうも、精神的に普通ではいらない重さがあるから、質問としては適切ではないと言えます。
●同じ質問の時期(間隔)について
よく「タロット占い」では、同じ質問は3ヶ月開けなくてはならないと言われます。
個人的には、この根拠は、人と宇宙のサイクルの問題としてあるにはあると考えていますが、必ずしもそうとは限りません。
しかし、3ヶ月という期間が、物事や人間の変化に適度な期間(一定の変化スパン)ということであり、その前に同じ質問をしても、あまり意味がなく、前に見た通りですよ、みたいなところがあるから、そう言われているところもあります。
そもそも同じ質問を繰り返してタロットを展開することは、象徴性の解釈の誤解が生じやすいことがあげられます。何度も象徴が違ったもので出てしまうと、本質を見失うからです。
とはいえ、質問の内容によっては、3ヶ月という期間を画一的に当てはめるものでもありません。
例えば転職を計画していて、一ヶ月におきに注意点をタロットで確認していくということもできます。
また3ヶ月のうちに大きな転機を迎えた場合もあるかもしれず、結局、質問してタロットリーディングを行ったあとで、本人の行動や状況によって、臨機応変に再度質問していけばいいのです。
ただ、リーディングした内容を意識して行動していれば、自ずと3ヶ月も経たないうちに変化が出てきて、同じ質問をすることはほとんどなくなるでしょうし、たとえしたとしても前とは質が違い、実は実質的に別の質問になっているのです。
●イエスかノーか、などの二者択一系
これも「占い」としてはできないことはないですし、そうした技術もあります。むしろ「タロット占い」の世界ではポピュラーなことかもしれません。
ただ、私の考える「タロットリーディング」では、これに直接そのままタロットを展開したり、答えないようにしたりしています。
この質問に陥っている時は、必ずではないですが、マルセイユタロットでいえば「恋人」カードの示唆状態にあり、どちらかを選ぶより、それに悩み、その次元から脱却することが本当のテーマとなっていることが多いからです。
どちらを選んでも、それは自分の価値観か、世間一般のいい悪い、幸不幸価値観に左右されたものの結果で、それが魂次元や霊的次元、統合次元からの観点では、ほとんど意味をなさないか、後退やループとなる場合もあるのです。
●未来がどうなるかの質問
こちらも占いでは当然というか、見るのが当たり前でしょう。
そして、やはりこれも私の考えるタロットリーディングの世界では、質問は受けても、そのまま未来がどうなるかを確定させる見方(未来占い)はしません。
ひとつのビジョン、選択肢として見るというくらいです。ただし、過去と現在を整理して、行動に移した場合、ひとつの目指すべき方向性の示唆として活用することはあります。
重要なのは、現在の悩みや問題です。「未来がどうなるか?」というのも、つまるところ、今(と自分が記憶している過去)に問題や悩み、葛藤があるからそういう質問になるのです。
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