タロットにおける4組とその表現

マルセイユタロットのように古典的なタロットは、78枚をひと組みにして、大アルカナと小アルカナと呼ばれるパートに分かれています。

このうち、小アルカナは、さらに4つの組に区分けすることができ、それはいゆゆる「四大元素」という、西洋の重要な古代象徴システムに基づいています。

タロットを知らない皆さんでも、トランプカードを扱ったことはあると思います。このトランプにも、4組はあります。

聞くと「ああ」と皆さん思い出しますが、スペード・ハート・クラブ・ダイヤが一般的な、あれが4組です。

ですから、私はタロット講義の時に言っていますが、タロットの小アルカナがわかると、トランプ占いもできるようになります。

以前は、タロット講義に参加された皆さんに、最初にいきなり「トランプ占い」をして、パフォーマンスしていた時もありました。(笑)

この小アルカナの要になっている4組は、実は非常に洗練された象徴システムの一環であり、この世界がフラクタルな(一部と全体が同じ)構造になっているのを考察するうえでも、重要なシンボル性を持ちます。

タロットの4組は、剣(ソード)・杯(カップ)・杖(ワンド)・玉(コイン)というもので構成されますが、フラクタル構造的に見れば、すべてが入れ子構造、4つの要素ひとつひとつにも、さらに4つのものが内包されていると見ることができます。

例えば「杯(カップ)」の象徴性において、「」を見たとします。(なぜそうなるのか、あるいはそれが当てはまるのかのことは、ここでは書きません)

これが先述の入れ子構造的な4組の考え方になると、愛の中にも4つの形・表現があるということになります。

象徴的に書けば、剣(ソード)的な愛、杯(カップ)的な愛、杖(ワンド)的な愛、玉(コイン)的な愛です。

これ(のうちどれか)が自分の愛し方、愛の表現のパターンであったり、好きな愛され方であったりという分類も可能です。

4組は四大元素(風・水・火・地)の象徴ですから、つまりは、風のような愛し方、水のような愛し方、火のような愛し方、地(土)のような愛し方(それぞれ受容的に「愛され方」としてもよい)とも言えます。

もっと現実的でわかりやすい言い方をすれば、理性・普遍的・友情的な愛、感情・情緒・満たされるものとしての愛、燃え上がり、恋として熱中する愛、肉体・お金・安定・心地よさを中心とする愛などになってきます。

4組には優劣はありませんが、能動と受容、霊・精神と地上・物質というような、大まかなふたつの質に分類することはでき、そのため、どらち(能動と受容、天上と地上)に重きを置くかによっては、その人なりの優劣、価値観による差異は出ます。

愛においても、天上的な愛でひたすら理想を目指すのか、地上的な愛での現実と肉体の充足を図るのかによって、生き方そのものも変わります。

ただ面白いのは、天上の愛を目指す人には、とても濃い地上の愛の出来事が待っており、逆に地上の愛の表現においては、背景に天上の愛の存在に気づく出来事が待っていることが多いものです。

これも4組的には循環であり、つまりは、「」と「」の間に「」が介在し、私たち自身が「人間」として、天と地の両方に足をかけて回っている存在といえます。

最終的にはこの4つを統合することが霊的には重要になります。

そういう意味では、一通り、4つの性質をラウンドすることが必要なのかもしれません。

そして4つの性質を実感として味わいやすのは、ほかならぬこの地上・現実生活なのです。

私たちが「人」として生きている理由、または人になっている理由のひとつは、ここにありそうです。

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