マルセイユタロットの独学

マルセイユタロットを独学で学びたいという人もいらっしゃるかもしれません。

そこで、改めて日本で、独学でマルセイユタロットを学ぶという条件では、どのような勉強方法があるのか考えてみたいと思います。

最初に言っておきますが、これは、「結局、独学なんて難しいということで、自分のところに来てください」というような集客の意味で書いているわけではありません。(苦笑)

まあ、多少はそんなところもないわけではないですが(^_^;)、どちらかというと、純粋に日本のマルセイユタロット学習環境を考えたいという趣旨がメインです。

まず、独学となると、書籍が中心となるのが何事もセオリーになりますね。

では、マルセイユタロットの本はあるのかのかといえば、残念ながら、日本では非常に少ないと言わざるを得ません。昔あったものでも、今は絶版になっているなどのこともあります。

日本でよく使われる、メジャーなタロットは、ウェイト版、通称ライダー版といわれるタロットであり、そのタロットでのテキスト・解説本の類はとてもたくさんあります。

しかし現状、マルセイユタロットの本はほとんど見かけません。

「マルセイユタロット」というからには、フランスやヨーロッパでは書籍もあると思いますが、語学ができないと、たとえ入手しても厳しいと言えます。ですが、英語やフランス語ができる人は、独学で学ぶのなら、洋書は得たほうがよいでしょう。

さて、めぼしいところで、日本でのマルセイユタロットの本といえば、

●「マルセイユ版 タロットのABC」

●「秘伝カモワン・タロット」(※絶版)

「リーディング・ザ・タロット 大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィ」

●「新釈マルセイユタロット詳解―運勢好転への羅針盤」

●「タロットの宇宙」

くらいが検索して上がってきます。

ほかに、占星術でも有名な松村潔氏や鏡リュウジ氏の書いたタロット本などで、マルセイユタロットの絵柄があったり、説明されていたりすることもあります。個人的には松村潔氏の本のいくつかはおすすめできます。(マルセイユタロットを勉強するという意味より、タロットという象徴ツールが何であるのかとか、活用をどうするのかという意味においてです)

上記で挙げた伊泉氏の「リーディング・ザ・タロット」も、実はタロット(の成り立ち・歴史)紹介の意味合いが強く、マルセイユタロットを学習するという目的では、ちょっと異なると思います。

上記の本のうち、マルセイユタロット学習の意味で、もっとも高度で、強くおすすめしたいのは、やはりアレハンドロ・ホドロフスキー氏著の「タロットの宇宙」になると思います。(ホドロフスキー氏はタロット研究家・心理治療家であるとともに、本職は著名な映画監督でもあります) 

この本を読みこなしていけば、十分にマルセイユタロットを独学すること(特に象徴の理解として)は可能かと思います。

しかしこの本で紹介されているリーディングの実践については、相当なセンスも要求されますので、誰にも聞けないような、孤高の道的な難しさもあるでしょう。

「秘伝カモワン・タロット」も、いわゆるカモワン版マルセイユタロットの解説本としては唯一といえるもので、すでに絶版にはなっていますが、大変優れた本と言えます。

ただし、一見平易に書かれているように見えて、カモワンタロットやマルセイユタロットの講座を受けないと理解に苦労する、実は深い本とも言えます。

逆に、ある程度、西洋の秘教や象徴を学んだ人ならば、むしろわかりやすい本として、独学でカモワン版マルセイユタロットを学ぶことは可能かもしれません。

「マルセイユ版 タロットのABC」や「新釈マルセイユタロット詳解―運勢好転への羅針盤」は、タロット占いとして学ぶ場合には、よいのではないでしょうか。(占い的な)基本理解の独学の第一歩として、適切な本と言えます。

いずれにしても、本というものは知識や基本を理解するのには、はずせませんが、実践(リーディングや活用)ということでは、本だけ読んでも習熟できないのはどの分野でも同じです。

とはいえ、いきなり本を読んだ後、他人に向けてリーディングするというのも無謀ですので、少しずつ練習する機会を増やしていくことになります。

それでも、自分の読みがどうだったのかを誰かに検証してもらったり、指摘したもらったりすることが独学ではできにくいです。

ゆえに、完全な独学ということとは違いますが、一人で学ぶという点では、通信教育というものの利用が考えられます。

通信教育となると、どうしても添削・指導を受けることになり、純粋な独学とは言えませんが、それでも、単独で自宅で学習することは可能です。

学校に通ったり、師匠や先生のもとで学んだりするのが困難な時は、こうした通信教育やオンライン教育システムを利用するとよいかと思います。

それで、マルセイユタロットの通信教育があるのかですが、これは検索してみると、幾つか出てきますから、自分の目的や予算、指導者との適性・相性等を考慮して、チャレンジしてみるのもよいでしょう。

あと、これはマルセイユタロットに限らず、いわゆるタロットを霊感ツールのようなものとして扱う(ことを目指す)人は、人に習ったり、本を読んだりすることなく、ただ直感・感性でもって、ひたすらタロットを読んでいくという独自のトレーニングと学習方法があります。

言ってみれば、カードは既成のものではあっても、意味やツールとしては、自分用に特化させてしまうという感じになります。

ですから、こうしたやり方では、テキストに載っていたり、先生が説明したりする解釈とはまるで違ってOKであり、要するに、タロットをツールとして、大切なことがわかればよいのです。この場合はタロットの象徴性の正しさとか、伝統的解釈などとは無縁です。

独学の難しさは、質疑応答ができない(自分の疑問や質問に答えてくれる人がいない)ということと、実践の客観的指導・チェックがない学びのセルフコントロールが難しい(計画的にできにくい、挫折しやすい)ということでしょう。

そういう意味では、先生について学ぶ、学校で学ぶなどのほうがやりやすいのは確かです。

でも、人に学ぶと、まずお金がかかりますし、その人(教える機関)のカラーに染まって、先生や学校のやり方が絶対視されたり、先生に依存してしまったり、いろいろなしがらみなどで自由にできなかったりする面もあります。

前にも言いましたが、レベルや内容とは関係なく、人から学ぶ場合、最初に教えを受ける人(先生)にかなりの影響を受けますので、それは覚えておいたほうがいいです。あとで複数の先生に習っても、それは言えることなのです。

そういうのが面倒だなあ、と思う人は、難しい道ではありますが、独学や、せめて基礎だけとか、通信教育だけで学ぶということもありでしょう。

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