直接・間接、意識・無意識の縁

この世界は、たくさんの人が存在しています。

結局、たとえモノとの関係であっても、そのモノも、まったくの自然で形成される以外は、人が作っていることが多いですので、人との関係が自分の人生に大いに影響することがわかります。

人間同士の関係は、とにもかくにも、出会いがなければ始まりません。もちろん、現在は様々なツールの発達によって、直接会わなくても関係が生じることも増えましたが、いずれにしても、方法はどうあれ、何かを介して人間同士が意識しあう始まりがあります。

それは、「」と言ってもよいでしょう。ということは、縁の働き、あるいは働きかけは、とても重要なものとなります。

ただ、「縁は異なもの味なもの」と言われるように、自分の意志を超えた作用があり、よく神様が結ぶ縁みたいな表現で、見えない領域の力とが及ぶともされています。

ですから、縁は、自力縁・意識した縁と、無自覚で働く他力縁があると言えます。

また、別の分け方では、直接的な縁と、間接的な縁があるとも考えられます。

直接的な縁とは、文字通り、自分とほかの誰かとで直接生じる縁で、ほかの人をはさまないものです。

一方、間接的な縁は、間に誰かを介在させて結ばれる縁と言えましょう。

このふたつにおいても、先述したように、意識した縁と無意識的な縁があります。

ということは、この4つの分け方で区分すると、

1.意識的で直接的な縁

2.無意識的で直接的な縁

3.意識的で間接的な縁

4.無意識的で間接的な縁

があることになります。

1の縁が自分の力と意志で結ぶことができやすい縁といえ、反対に4になりますと、まったく自分では意識していなかった縁が、回り回って結ばれるという感じになるでしょう。

マルセイユタロットの「恋人」カードでは、下に三人の人間たち、上に天使(厳密には天使ではなく、クピドーとも言われます、いわゆるキューピッドのこと)が描かれています。

今あげた4つの縁は、この恋人カードで表すことができることに、マルセイユタロットを学んだ人なら気づけるかもしれません。

そうすると、タロットリーディングの、特に人間関係で働く縁の持ち方、現れ方を探ることも可能になります。(ただし、引いたほかのカードと

の関連も大きく作用します)

今回、特に言いたいのは、それぞれの縁の裏には、次の縁が隠されている可能性があるということです。

直接的・間接的で言いますと、自分が誰かと縁を生じたいと思って行動し、その人とつながることができても、それだけでは終わらず、その人からつながっている縁が、自分にも関係してくるようになるわけです。つまり、間接縁も直接縁ができると同時に、発生する可能性が高まるのです。

恋愛などでも、友達の紹介とか、知り合いの知り合いが今の彼氏・彼女になった・・・ということも案外多いものです。

コミュニケーションがあまりうまくない人であっても、誰かとてもコミュニケーションが上手で、友人や知人も多い人と何かのことでつながれば、自分の縁も広がってくチャンスがあります。

言葉のコミュニケーションが苦手な人は、意外に独特の個性、特技、雰囲気をもっていることがあります。ですから、多くの人とは違う印象を相手に与えることができる場合もあるのです。

だから、あきらめず、ただ一人の人とつながる(知り合いになる)という努力だけでもしてみるとよいでしょう。そこから縁が波及し、響き合い、あなたの未来のパートナーや、親友とつながることもあるかもしれないのです。

イメージでいえば、ネットワークの一部にフックをかけて、自分との配線をつなげておくという感じです。

さきほど区分けしたように、縁は無意識で、しかも間接的なものもありえます。自分がまったく自覚しないまま、どこからともなくつながる縁みたいなものです。

しかしながら、これとて、自分が何もしないで、勝手につながる(つなげてくれる)というものではないのです。

直接的で自覚的な目的・意図がないだけで、自らが何らかの活動をしている中で、人と人とがつながり、縁が運ばれてくるものです。

恋人カードで言えば、下に描かれている三人の人間(の活動)であり、もし三人ではなく、ただ自分一人(真ん中の人だけ)だとすれば、天使(キューピッド)も、たとえ矢を射かけたとしても、当たるのは自分だけであり、そうなると自分に惚れる(自惚れ)しかありません。(笑)

 

この矢がだとすると、やはり、自分以外の人に矢が当たる可能性が高い、たくさんの人がいなくてはならず、そのためにも、じっとしていたところでは始まらないわけです。

それから、直接・間接縁のことで付け加えるとしますと、自分の望みが間接縁によってもたられることもある、いや、そのほうがむしろ多いかもしれないと思っておくとよいです。

例えば、これは救済を意味する「節制」のカードとも関連しますが。直接的に誰かに助けてもらおうとしても、その人から必ずしも助けられるとは限らず、その人からつなかる誰か、紹介してもらった人・機関によって救われたということもあるわけです。

そして、ここも肝心なのですが、人間の知り合い同士での縁だけがネットワークではなく、目に見えない別のネットワーク系統があり、自分のある行動が、願っていることと関係するネットワーク情報、あるいは縁とつながることにより、目的が達成されるという場合もあります。

それは常識的なものとはちょっと異なるわけです。いわば、カルマとか、集合的無意識の層と関連してくるネットワークや情報のようなものです。

どいうことかと言いますと、今までの自分がつながりやすいネットワークのパターンがあり、しかもそれは、ネガティブな思考になったり、うまく行かないような人間たちとつながる傾向をもっていたりします。

しかし、このネットワークのつながり方が変わることにより、まるで電車の線路が切り替わるように、別のルートを通るようになるのです。

今までのつながり方になっていたのは、カルマや浄化ができていなかった部分無意識に形成されてきたパターンが反映されていたためと考えられます。運の悪さや悪縁のパターンと言ってもいいでしょう。

これが改善さることにより、縁の運ばれ方のパターンが変わり、うまく行ったり、スムースにつながったりするようになるわけです。

インドカルマ的な考え方で言うと、悪い縁も浄化であり、リセットするためには必要な状況なのかもしれません。しかし、おそらく自動的にされるより、自覚をもったほうが切り替えは早いのではないかと推測されます。

そういう意味では、無意識の縁はあるにせよ、自分の生じる縁について、もっと自覚的になってもよいのかもしれませんね。

同時に、自覚する意識以外からも発生している意外性に見える(無自覚な)縁も、プレゼントとして受け取って楽しむ心もあるとよいでしょう。

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