タロットとコラボする(させる)方法
ある技術・メソッドで、ヒーリングや相談系のセッションをされている方が、タロットを学習して、タロットを取り入れた内容(セッションメニュー)にしたいと考えられることがあります。
つまりは、タロットと自分の技術のコラボレーションです。
この場合に留意すべき点について、いくつか「タロット」(を扱う専門)側から述べてみたいと思います。
●五感の問題
タロットは五感で言えば視覚、絵を目で見てもらうツールです。
ですから、タロットとコラボ(組合せ)したいと考えている自分のものが、五感で言うと、何に一番訴えているか、効果があるのかを把握することが大事になります。
もちろん、いわゆる狭義のスピリチュアルなセッションであると、五感を超えたものが入ってくるでしょうが、それでも、人間はまずは五感という肉体を通した受容感覚器から物事を判断しようという傾向があるものです。
もし自分のものがタロットと同じ視覚効果が鍵となっているものならば、同時に見せることは視覚からの混乱を呼ぶおそれがあります。少なくとも、間をおくか、別々に行うことが望ましいでしょう。
ただし、クライアントに見せるのではなく、施術者のほうがタロット以外のカードなど、ほかの視覚効果を持つものを使う場合はOKですが、施術者がタロットとほかのカード(などのもの)とを混同せずに扱えている場合において、となりますが。
さて視覚以外、例えば触覚、体にふれることでヒーリングなど行う場合は、一緒に行うこともできるかもしれませんし、視覚と触覚からの両方の効果で相乗する可能性もあります。
しかし、ひとつの感覚に集中できないことも考えられ、どちらにしても注意は必要で、とにかくも、コラボにおいて五感に着目してみることは、重要な点だと思います。
●同時か別か
ここで、個人的に思う、タロットとのコラボへの結論めいた話になります。
私自身は、タロットはあくまで「タロットとして、ひとつの完結した技法」であり、基本的には、ほかのものと同時に組み合わせるのは問題だと考えています。ほかの技術も、それはそれで完結したもの(技術・理論として確立したもの)である場合がほとんどでしょうから、尚更なのです。
ですから、いわゆる別メニューのような形にして、タロット以外のメインの技術(施術)と、タロットリーディングとを分けたほうがよいということになります。
料理でいうと、フランス料理と日本料理のそれぞれ完成さたれ品々(コースや懐石のような一定の流れも含めて)を無理矢理ごちゃ混ぜにするような感じで、それぞれの良さを打ち消し合うようなことにもなりかねません。
ただし、先に「基本的には」と書いたように、例外もあると考えます。そのことは次に述べます。
●(コラボを)同時にする場合において
料理の例えを出したので、それで続けますが、フランス(料理風)懐石料理とか、日本料理にフランス料理の食材や技法(その逆もあり)が取り入れられて、実際においしい食事になっていることもありますから、必ずしも、一緒に技術を披露することが悪いとは言えません。
その場合、技術は別ものとしながらも、一連のセッションの流れとして同じ時間内に入れるものと、技術そのものが同時コラボする方法とがあります。
前者は、あくまでタロットリーディングはタロットリーディングだけをし、ほかの技術、たとえばエネルギーヒーリングとか、(カードなどクライアントの視覚によるものではない)チャネリングなど、それ自体は別で行いながらも、セッションとしてはひとつのサイクル(コースメニューのうちに入っているもの)になっている形式です。
単体でそれぞれやるよりも、総合的にクライアントへのヒーリング・浄化・気づきなどが上昇する場合があります。アプローチが違う分、クライアントへ働きかけられる部分も異なってきて、それがよい結果になることがあるわけです。
別々にそれぞれ単独で行う場合に比べると、その分、時間も当然ながら単発のものよりかかることになるでしょうから、いただく料金も高くなってくると思います。
さて後者は、セッション中に同時に技術を提供するというもので、本当の意味でのコラボ、合体と言ってもいいでしょう。
これはタロットも、そのほかの技術も同じくらい学んでいて、マスターしている必要があります。双方、同レベルであればあるほどコラボをしやすくなります。
例えば、タロットで心理的・潜在的情報を読み解きながら、肉体的に、ある部分にそれが問題として出ているところをヒーリングするみたいなこともありますし、タロットリーディングで浮かんだ問題を、自分の技術で具体的に浄化・調整したり、カウンセリングしたりするということも考えられます。
またタロットを使用したチャネリング(純粋なタロットリーディングとは違い、タロットを触媒・触発として使う、サイキック、もしくは霊的な情報収集と提供)のようなこともあるでしょう。
これらは、前者の、サイクル・セットメニューとして別々でやるものと似ていますが、その違いは、ひとまとまりの時間単位において、タロットを組み込んだ、ひとつの技術になっているというところです。
言い換えれば、タロットを取り入れた新しい創作的な技術様式になっており、これは逆に言うと、タロットとその他の技術が両方とも稼働してこその技術で、どちらも欠かすことのできない融合した「形式(スタイル)」になっているわけです。
このような、言わば、真にタロットがほかの技術と融合したような使い方は、タロットを使用しながらも、本来のタロットリーディングとは異なる別物であり、タロットというツールが、ほかのツールに変化したと言え、この場合は、タロット講座で学習したタロットリーディングの方法・セオリーから離れてもよいと個人的には考えています。
要するに、目的がクライアントの癒しや気づき、変容であるならば、ツール・技術はどんな使い方になっても、クライアントに効果があればそれはOKなものと言えます。
●あえて技術(施術)のランクをつける
結局、タロットがメインか、その他の技術・ツールがメインかということになり、重きを置く方、効果と自信のある方をメインとして、ほかのものはランクとして格下げしてしまうやり方もあります。
例えば、タロットがランクの下である時、訪問されたクライアントの気持ちをほぐしたり、関係をつけたりするための余興的な技術として、「タロット占い」を最初にやってみるなどの使い方があります。
タロット占いは、案外、エンターテイメント性があり、今の状況や未来を占って、今後を予想するなどしますと、なかなか面白く、コミュニケーションも捗ります。
簡単にでも一通り占ってみると、すっかり場が温まり(緊張がほぐれ)、「いよいよこれから本番のメニューへ」と、移行させることがスムースにできるでしょう。
このようにタロットを使う場合は、タロットはメインの前座(苦笑)ですから、観客のいる演目の前に、スタッフや弟子筋が前もって場を盛り上げておくというような感じの扱いに似ており、そのため、リーディング技術がそれほど高く(深く)なくてもよいケースとなります。
あと、前座ではなく、セッションの最後に一枚、あるいは数枚カードを出してクライアントへの後押し、今日のメッセージ(の代表・まとめとして)を視覚的・意味的に告げるという使い方もできます。こちらは幕引きの役ですね。
まあ、タロットをメインにする者からすれば、ちょっと寂しい扱いですが(笑)、実はタロットはいろいろな次元に登ったり降りたりすることができるもので、もとはゲームとして使われていたわけですから(今もゲーム道具としての役割はあります)、盛り上げ役でも楽しむことができるのがタロットなのです。(と、ゲーム的なタロットの精霊は言います)
以上、簡単ですが、タロットをほかのものとコラボさせる場合の観点について、お話させていただきました。
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