タロットの展開は真実を示しているのか? その2
お待たせしました。前回の記事の続きです。
まず、コメントをいただきました皆様にお礼を述べたいと思います。ありがとうございました。
このブログ自体は閲覧数も少ないのですが(^_^;)、それでもオープンなものなので、そこに勇気をもってコメントを書き込んでいただく方は、やはり、それなりのものをお持ちの方々だと思います。
そして、お読みすると、皆さんなかなかの根拠と考えで、どの意見も、私自身納得でした。
では、あくまで私の意見となりますが、答え(のようなもの)を書いてみます。
前回の記事では、タロット展開は嘘の話(嘘の問い)で展開した(タロットを引いて並べた)場合、それは嘘の話に基づいた展開なのか、それとも嘘をついている本人(質問者)の何か(本当のこと示しているとか、嘘をついていることを知らせるものとか、その他もろもろ・・・)が出ているのか、皆さんにも考えていただきました。
そして、選ぶ答えの選択パターンとして、
A 質問が嘘であることを示している展開図
B 嘘の質問内容に応じた展開図
C 質問の真偽に関係なく、質問者の何らかを表す展開図
D ケースバイケース 展開の意味は別の要因で決まる
というものを提示しました。
コメントいただいた方の中では、Dはなく、Cが一番多かったようです。
まあ、Cとされた人の多くが、マルセイユタロットを扱う私の生徒さんであるということもちょっと関係している(普段の私の教えを聴いていますので・・・)のかなと思います。では私の答えはCなのかと言えば、そうではありません。Cと多く答える理由がよくわかるということを言いたかったわけです。(苦笑)
では、私の答えは何かというと、反則みたいですみませんが、全部です。(笑)
ですが、コメントいただいた方の、どの答えと意見も賛同しますし、それでいいと私は思います。
と言っても、このまま終わっても中途半端ですので、もう少し説明を続けます。
結局、この問題は、突き詰めると、タロットの展開(図)は何を表しているのか? さらに、タロットの意味は何で決まるのか?ということになってきます。
タロットはあくまで、真実を語る、本当のことを出すのだという設定だとすると、答えは、AかCになります。
しかし、Aだとすると、その展開は「この質問者は嘘を言ってますよ」と告げる内容か、「本当の問題とは関係ないデタラメな展開を示している」ということになりますが、いずれにしても、展開されたものは、質問内容とはかけ離れたものであったり、タロットリーダーが見れば、「質問と展開がリンクしない、おかしいのでは?」と疑いを持つ展開図になっているものです。
おそらくタロットリーディングを他人に実践してきている人は、このようなことは経験則上あるのではないかと思います。私もそれは感じます。コメントされた方の中にも、「嘘の質問は出されたタロットの展開を見ればわかる」ようなことを書かれた人もいらっしゃるようにです。
ここから、タロットは嘘をつかない、質問するほうも嘘はつけないということが言える可能性は、確かにあると感じられます。
しかし、前回の事例では、質問者の嘘は何となく臭ったものの、明らかに嘘だと、会に参加していたメンバー全員が見破ったわけではありません。
でも会のメンバーは、タロットのど素人というわけではなく、皆さん、そこそこリーディング経験のある方ばかりでしたから、タロットリーディングの技術が未熟だったからという理由には必ずしもならないと思います。
となると、嘘の内容をもとにしたタロット展開であっても、展開図そのものが嘘を示しているとは、読んでいるほう(タロットリーダー)にはわからないこともあるわけです。
仮に、質問者の問いが嘘か本当かは置いておき、純粋なケース検討会・勉強会みたいな形で、ただ質問と展開図だけが示され、参加メンバーが課題としてリーディングしていくというスタイルであれば、皆さん、質問の虚実にはこだわらずに、そのまま出された質問と展開を見て読み、それなりの回答(リーディング)を導き出すでしょう。
その出されたリーデイング(内容)は何なのか?ということです。
場合によっては、質問に対するまともなリーディングもあるでしょうから、それは質問そのものに対して誠実に出されたリーディング回答であり、言ってみれば、タロットは嘘の問題に対しても、嘘でありながら真実的な(その質問自体に対して真っ当な展開の)答えを出すと言えなくもないわけです。
このようなことを考えていくと、結局、タロットの表すものが真実かどうかというよりも、タロットを解釈する側、リーディングする側(の思い・直感・知識・情報の入れ方)によって、タロットの象徴性(展開で示される意味)が変化すると見ることができます。
タロットは一枚であっても、数枚であっても、象徴カードでありますので、何らかの象徴を、存在するだけで表し(示し)ます。その象徴性は、根源的(本質的)にはカードごと、あるいは組合せごとにひとつとも考えられますが、具体や事象(実際的な読み解き方)は無数といっていいほどあります。(解釈パターンの多様性)
たとえ同じ展開が出たとしても、読み方の可能性は非常にたくさんあるわけです。
そうした中でも、ある意味が特定的に決まったり、選択されたりするのがリーディングです。
“シュレディンガーの猫”ではありませんが(ちょっと例えとしては違うかもですが・・・)、リーディングする前は、いろいろな可能性(選択)が同一に存在していますが、リーディングをすると、その多くの選択の中のひとつが決まってしまいます。
嘘の質問であっても、タロットは何からの展開を提示し、それを読んだ人・解釈する人が、質問とは違う展開内容だと見るか、嘘であっても本当であっても、とにかく質問者に関係した何らかの象徴性がタロットで表れていると見るか、はたまた嘘で設定した質問内容そのままとして見るか、それはどちらかといえば、リーダー側にゆだねられているわけです。
こうすると、ある意味、答えはDという結論にもなります。
とはいえ、目の前には、全部のタロットが無目的に並べられているわけではありません。
質問者がいて、質問があって、タロットが選ばれ、並べられているわけです。そこには、何段階もの集約、意図的、意志的ともいえる手順がはさまれています。
ということはまったくの無目的なタロット図ではなく、意志の力、意図的な選択の力が働いているのだと見ることができます。
つまりは、選ばれたタロットは、人間の思いとリンクしている可能性が高いということです。言い換えれば、タロットセッション、タロットリーディングにおける質問の意図、質問者の思いが、出たタロット(展開図)には影響していると予想されるわけです。
この問題は、タロットの展開が(質問の)真実を示しているかどうかというテーマもありますが、むしろ、そもそも(選ばれる)タロットは、何を根拠にして選ばれているのか、選ぶのか?という問題になってくると思います。
それについては、色々なタロティストが様々な意見を持っていると思いますが、どれかひとつには決められないでしょう。
ただ、タロットリーダーとしては、前にも書いたように、タロットを信用しないことには始まらないというか、タロットをする(扱う)意味がありません。
だから、今回のケースでは、少なくともCという考えをもっていないと、タロットを象徴カードとしてうまく扱うことができないでしょう。そして、Aも取り入れるとするのなら、タロットの展開図は、質問者の心に応じた内容を表すと考えることができます。
今回の事例でいうのなら、質問者の嘘の質問で、皆をテストするように、ふさわしい展開になっているということです。その意味では、Bにもなっているのです。
質問は嘘だけど、皆でリーディング勉強するのにふさわしい展開図ですよ、みたいなものです。なんとなく嘘くさいけど、質問に応じたそれらしい展開図・・って感じ・・・こう言えばわかるでしょうか。(笑)
はい、これでAからD、すべて出ましたよね。だから、全部答えとしてOKなのです。(苦笑)
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