「運命の輪」の切り替え
タロットの展開では、過去・現在・未来を示すパートのカードを引くテクニックがよく用いられます。(有名なものではスリーカード)
このうち、一般的な関心として、また占いごととして、未来の部分に人は注目する人が多いでしょう。
そして、次に現在。
これは、今のことですから、現在に関心があるというより、現状はタロットで示すとどうなのか?という、いわば、自分の今を客観視するような部分と言えます。
これはこれで、やってみると、やはり重要だ思えるでしょう。
では、過去はいかがでしょうか?
過去はすでに終わったことであり、普通、今から変えられるわけではありませんから、そもそも、この過去パートのカードを出す意味、リーディングする意味があるのかと疑問を持つ人も少ないかもしれません。
ただ、ここも、現在と同じく、今までの経過を冷静に確認するためには、意味のある部分といえます。
そして、今日は、また別の意味で、この過去(そして未来)の部分と関係する話となります。
マルセイユタロットの「運命の輪」によりますと、「運命は切り替えられる」と言います。
(私がタロットカードの具体名をあげて語る時、知識として学び、受け継いだ象徴的部分と、実際にカードからのインスピレーションや、ある種のカードの人格的存在とのコミュニケーションによって得ている部分のものがあり、従って書籍とか、普通に言われていることとは異なる内容も含まれます)
ちょうど、それは、列車のポイント切り替えのような感じで、今走っているレールから別のレールに乗り換えることができるような印象です。
「運命の輪」は、まさにその名前の通り、運命が回転しているさまを一説には表し、そして、その輪の回転は、個人間で違うだけではなく、同じ人の中にも、次々と入れ替わる(切り替わる)「運命の輪」があると考えられます。
ここに、もし運命というのものがひとつだけだと思ってしまったり、変える(変えられる)といっても、ある特別な場合だけと思い込んだりしてしまうと、運命の切り替えは簡単にはいかなくなってしまいます。
そうした人は、昔風の列車の切り替えポイントで例えると、かなり重たい切り替え装置になっているということになります。
実は、「運命の輪」は(によれば)、それこそ「輪」はいくらでもあり、その分、様々な回転による無数の運命が展開されているというのです。
それに気がつかないと、輪の中の動物のようにグルグル同じところを回り続けることになります。
「運命の輪」には、輪から逃れているスフィンクス状の異質な動物がおり、つまりは、このスフィンクスの境地がカギであるのです。
簡単に言えば、自分がスフィンクスとなって、嫌な状態や望んでいない今の運命の回転を切り替えていくということです。
「これではない(この運命の輪の回転を望んではいない)」と、新たに選択(ポイントの切り替えを)していくような感覚ですね。
この方法は、訓練すればするほど、現実に影響を及ぼす可能性は高くなると思います。
スピリチュア的には、一種の波動転換儀式みたいなものです。(ただ、感覚次元の相違を実感していく必要はあると思います、単に儀式をするだけでは効果は半減するでしょう、つまり切り替わる前と後の違いを感覚として意識できるかということです)
そして、このことはこれから先の現在と未来だけではなく、過去にも及ぶのです。
「運命の輪」には、三つの動物がおり、その三つは、時の神(女神)を表現したものとも想定できます。つまるところ、それは過去・現在・未来意識による時間の流れ、運命としての感覚です。
それらが輪を通じて一体化しているものとも言えます。そう、過去も現在も未来も(一方向の直線としてではなく円環として)つながっているのです。
今、運命の切り替えを行ったあなたは、自分が変えた運命の輪を通して、過去の運命の輪も移行させており、過去の事実的な記憶としては変わっていないかもしれませんが、影響は現在→未来→過去というように向かっていると考えられるのです。
心理的には過去の重さの軽減、あるいは浄化、実際のものとしては、トラウマとか過去の失敗の思いがなくなったとか、現在と未来が、過去から応援されているように感じられる(使命の発見)とか、成功や達成の加速感がこれまでと違うという感じが出てくるでしょう。
そう、「運命の輪」的には、切り替えが行われると同時に、過去・現在・未来すべての輪も乗り換えられているのです。
自転車でたとえると、自転車の前輪を変えると(今から未来への切り替え)、後輪(過去)もそれに合わせて変えざるを得ず、従って過去も前輪にひっばられるかのように変質しているのだということです。
あるいは、こうも言えます。自転車そのものを乗り換えたので、今までの過去も新しい自転車にふさわしいものに変化していくのだと。
アニメでは、「輪るピングドラム」という作品がありますが、この作品描かれている内容のひとつは、運命を変える(乗り換える)内的な力のことが描かれています。(その他にも、深いテーマが象徴的にたくさん隠されている興味深い作品です)
私たちは普通、時系列が一方向しかないという強い現実感覚を持っていますので、過去が変わるというのはまったく理解不能だと思います。
しかし、過去というものは、いや、今や未来においても、その本質は事実やデータではなく、いかに自分が思うか、記憶するかのことによります。
同じことが起こっても、そこにいた人全員、微妙に違う記憶を持ち、さらに信念や感情まで入ると、事実というものは記憶(または印象)でしかないことがわかります。
だから過去は、歴史でさえ、たくさん改変されているのです。
あなたが学生時代学習した歴史の授業での常識さえ、新しい発見(それはたとえ過去のことであっても、今や未来に見つかることなのです!)や、多くの人が納得する説が出れば、変わってしまうものです。
ましてや個人の過去の記憶など、いかようにでも今から変わっていくことができると言えます。
今までの記憶はすべて自分の中にありつつも、実際の生活や意識のうえでは、個人がその都度選択したり、幻想としての世界を見させられているに過ぎないのかもしれません。
たとえ、過去はもう終わって、変えられないという常識でもってしても、今とこれからの「運命の輪」を、ポイント切り替えしていく儀式を続けていれば、自分の望む「運命の輪」(回転)に入ることは、しやすくなるのではないかと思います。
まずは、自分が望まない「運命の輪」が回っていることを意識・顕在化することから始め、希望する現実の回転・輪にシフトしていくように、自分(の意識)を切り替えるトレーニングが必要かと思います。
なお、「運命の輪」は同調し合うこともありますから、いいと思う人や場所で過ごすと、その影響が自分にも同調し、悪いと思う場所と人についても同じですので、自力だけではなく、他力による「運命の輪」の変換・切り替えもあると思って、やっていくとよいでしょう。
受講者用のメルマガでは、「運命の輪」のカードをもとにした、具体的な運命切り替えテクニックをお伝えしたいと思います。
こうしたことも、カードと対話していると、カード側から教えられることがあるのです。
まさに、タロットカードは生き物であることを実感しますね。
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