タロットリーディング半実例体験
占星術的にも、いて座に木星が移行するというエポックな時に来ましたので、今日は私のやっているタロットリーディングで、半実例的なものを皆さんに披露したいと思います。
“半”とつけているのは、実際のクライアントの方へのリーディング事例ではなく、まさに、このブログを今お読みになっているあなたに対して行うという意味で、半としているわけです。(笑)
今の私は、ブログをご覧いただいているあなたの問題や悩みは知りません。
しかし、読者を想定して、マルセイユタロットをすでに展開しております。
ただ、展開法の全容につきましては、オリジナルなところもありますし、煩雑になりますから、ここで明かすことはしませんが、出たカードや重要なポイントとなるところは、カードの示唆・意味とともに書いていきます。
タロットリーディングが象徴をとらえることであり、現実的(具体的)解決やアドバイスを出すというのは、実はタロットリーダー側の役割ではないことも、少しは理解してもらえるでしょう。(占い現場に立つ人は、それでも具体策やきちっとした運勢の方向性を出すことは求められます、ここでしている意味のタロットリーディングは「占い」ではないものです)
まず、明かせる範囲内での展開で言いますと、最初にスリーカードとして、三枚の重要なテーマともいえるカードを出しました。
それは、「斎王」(一般的には女教皇と呼ばれるカード)、「世界」、「神の家」(一般的には塔と呼ばれるカード)でした。
そして、さらに追加して、数枚、今回のテーマに重要なサポートとなるカードを引きますと、「正義」、(名前のない)「13」、「隠者」というカードたちも登場しています。
最初のスリーカードとしては、完成に向けた取り組み、または大きな変化を期待している状態、理想や志も高くあるようなカードたちが出ています。ここから、継続的な学びや学習、何かやりたいことや夢の実現に向かって、準備していることがうかがえます。
しかしながら、反面、思うだけで、なかなか手に届かないこと、どうやって、夢や理想にたどりつけばよいのか、そもそも、自分にその道が合っているのか、やる資格はあるのか?という疑念、自己卑下、思案している状態ということも感じます。(※カードは、ポジとネガ両面を象徴として見ていくことができるのです)
また、女性的な「斎王」、男性的な「神の家」との間に、「世界」という両性具有的(真ん中の人物)ともいえるカードがあり、両親的な影響、男女のつきあい、結婚などの問題、自身のうちにあるセクシャルな(あるいは二元性の)問題の統合というテーマも見えてきます。
それらに対して、サポートするカードが、先述したように、「正義」、「隠者」、「13」(順不同)です。本当は、最初に出たスリーカードたちの一枚一枚にも対応しているのですが、ここでは全体的な一連のサポートカードとして統括して見ていきたいと思います。
すると、「正義」と「13」には、剣と鎌があって、何か鋭い刃物が共通して出ていることがわかりますし、「隠者」はランタンのようなものをかざして、(フードによって柔らかになっている)光を掲げているのが見えてきます。
剣や鎌、「隠者」の光などの象徴性はきちんとある一定の決められた意味があり、しかも、それは多重性を持ちますが、今回は、初心者にわかりやすく、見たままのモノの印象から読み解きます。
刃物なのですから、何かを切る、そぎ落とすことであり、また(もし刃物がさび付いていると)磨いて光らせることかもしれません。
ただ、「正義」のほうは、まさに正義の剣を振り下ろすイメージもあり、カッティング的なシーン(始まりや、モノのシェア)も思い浮かび、一方、「13」では、鎌なので、刈り取る、処理する、収穫する(終わらす)というイメージが出ます。細かく言えば、同じ刃物でも、使い方や目的も異なるわけです。
そして「隠者」は智慧や経験のある老賢人の姿でもあります。こういう人物が光を持って現れており、何かを授けてくれる雰囲気も醸し出しています。しかし、すぐに見つかるような。あるいは虚栄心で目立つ人物ではなく、隠れた実力者とも言えます。そして、あなたに、自分の良さを自覚できるよう、(光をあてて)フォーカスしてくれそうでもあります。
「13」は一見、怖いカードですが、試練を含む変容のカードでもあり、「隠者」もある種の新しい(特に霊的、精神的な)体験を施すイニシエーション的な意味を持ちます。
ということは、この二枚が出ているので、少なくとも学びの蓄積、回収や効果によって、新しい次元が開かれる準備が来ていることがうかがえますし、実際の人かどうかは別として、あなたを(厳しくも、時には優しく)引上げ、導く人も出現するかもしれません。(または自分が探すこと)
少なくとも、剣が出ていることで、自分が磨き続けた知識・経験・感性が、役に立つのだと信じる、役に立つ時が来たと思うことは大切です。それがあなたを変え、救う光ともなるのです。(刃物は磨くと光輝きますが、それを示唆しているのが「隠者」(のランタン)とも言えます)
「正義」の剣は決断を促し、学びだけではなく、すでに実践や新しい段階へと、勇気をもってスタートすることも言っているかのようです。成功や失敗の概念で悩むのも、また両天秤の成させる技ですが、逆にそれはまた、「正義」からの解決的な提案も語ります。
それは、天秤のように、ふたつをかけ持つこと、また剣を重視して、覚悟を決めて、今までメインではなかったことをメインにし、マイナーとメジャーの交換を促すということです。もし一人でその決意ができない、自信が得られない時は、「隠者」として専門家のサポートも受けるとよいでしょう。
いずれにしても、「13」があるので、中途半端に悩むより、できることの処理を進めて、したいことへの決断を早めるべきだと感じます。それはあなたにとっては、時にはつらいことや大きな変化でもあるのですが、それを受け入れることが進化でもあるのです。
そもそも、最初に出た三枚のカードたちも、自分自身を受け入れていない部分が過去から残存していることが示唆されており、それを認めていくことが、何よりも達成したいことへの近道であることを表しています。
親や他人、パートナーたちの願い・思いよりも、あなた自身の世界(真ん中は世界のカードです)を構築する、いや楽しむことです。しかし、やり方は複数ありますし、あなた一人がすべてやるのではなく、苦手なものは、ほかの人に移譲する許可と赦しも持つことが肝心です。目的のための、楽と効率性は選択してよいのです。
あなたは、弱くて決断力もないと自分では思っているかもしれないですが、マルセイユタロットは、本当のあなたはそうではないと言っており、むしろ、それはあなたが作り上げてきた逃避的殻(シェルター)であると語っています。
「神の家」は、そのシェルターを破壊しますが、同時にあなた本来の自立、魂(神性)に生きる人生を始めることができます。もうグズグズしてはいられないのです。
以上、ざっと、初歩的なレベルでリーディングしましたが、これだと、とても抽象的だと感じられたでしょう。
特に占いタロットをしている人には、そう思えるはずです。こんなものはアドバイスにならないと。
しかし、カードを見ながら、もう一度、よく読んでみてください。
例えば、あなたが仕事の選択で悩んでいたら、どういう意味として読めるでしょうか?
恋愛の問題で悩んでいたら、どう解釈できるでしょうか?
生き方をどうすべきかで悩んでいたら、このタロットの示唆からどう思われるでしょうか?
占いの場合は、占い師から、あなたの運勢的、現世利益的幸運の道を具体的に示してくれることが多いです。それは楽で安心できることでもあります。だから、本当に自分では判断がつかない、わけがわらない、緊急だという時には、占いもよいと思います。
ところが、占いではないタロットリーディングとなってきますと、このように一見、抽象的な読み方にもなります。
このブログを読んでいる人の悩み・問いはいろいろで、まさに個別的なものでしょう。(最初にも言ったように、当然、私は皆さんの悩みひとつひとつは知りません)
それでも、展開したタロットから見る共通する象徴性があり、それを具体的次元・事象として、あなたが落とし込めば(あてはめれば)、おのずと、どうすればよいのか、どういう状態なのか、自分自身で気づくことができるはずです。
これこそが、象徴(抽象次元)と、現実(具体次元)をつなぎあわせる力となり、自らの創造性の力の発揮とも関係してくるのです。
右か左かが、言われなくても自然にわかってくる、あるいは右でも左でもないという本質的問題・テーマが見えてくると言ったほうがよいでしょうか。
タロットリーダーはあなた(クライアント)自身ではありません。タロットにあなたの思いや状態を映し出すことはできても、その本当の解答は、まさに、あなた(クライアント)自身でしかわからないことなのです。
それでも、タロットには、実際的・具体的次元にまで落として、わかりやすくさせる技法もあります。これは具体性を示唆させるための、タロットからの親切な手ほどきです。
それがタロットに小アルカナのある意味のひとつです。(それでも、それは正しいとか間違いを指すものではありません。現実の中で、あなたの性質をどう生かすのか、どう調整するかの判断を、大アルカナよりも、具体的な形で示すというものです、運・不運を示すことでもないのです)
タロットリーディングは、タロットリーダーのタロットの象徴知識、直観性と、クライアントの実際的情報、カードへの印象、直感などが相まって、共同作業としてワークし、タロットリーダーのサポートのもとに、クライアント自身で、自らの解決や気づき、癒しを得ていくものなのです。
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