チャネラータイプとタロット

私たちは「斎王」と呼びますが、一般的には大アルカナナンバー2の「女教皇」と呼称されているカードが今日のテーマと関係します。

今回、なぜこのカードを取り上げたのかと言いますと、タロットとチャネリングの関係を少しお話したいと思ったからです。

チャネリングが何であるのか、これにも定義や解釈が色々とあるようですから、細かく言い出すときりがないので、ここでは簡単に高次の存在や(心)霊的なもの、目に見えないものからの情報をキャッチできる能力としておきましょう。

名前の通り、見えない何かの情報とチャンネルを合わせることのできる能力、あるいはそうする行為というわけです。

現実でも、テレビや携帯などで、チャンネル・周波数、情報階層を合わせないと見ることも聞くこともできず、通信が成り立たないですよね。でもチャンネルを合わすと通じるわけです。それと同じようなことです。

そして、マルセイユタロット的には、チャネリングを行う(行える)人の象徴を、この「斎王」で表すわけです。もちろん、チャネリングの象徴は、他のカードでも示すことが可能で、「斎王」だけというわけではありません。

ただ、マルセイユタロットには、システマチックに考えられる要素があり、それによれば、この「斎王」がまさに現実の世界で、人間として(通常や常識範囲の人間)のレベルでは見えない、わからない情報を受容することのできる存在に、全体のカード構成からも言えるものなのです。

このカードは、大アルカナが22枚もある中で、数的には二番目に位置するということは、非常に大きな意味があるのではないかと推測されます。

端的に言えば、おそらく古代では、私たちが意識する日常生活とは別の次元(レベル・世界観)と、普通にチャネリングのようなことができる人たちが多くいたのではないかということです。

もっと言うと、それは難しいことではなかったと想像できるのです。(タロットのナンバーが少なめ、最初のほうに出ていることは、そういう意味も言えるかもしれないということです)

しかしながら、やはり誰にでもできるわけではなく、「斎王」が女性で描かれているように、まず性別として女性である必要があったと思われます。

タロットを見ていると、人間としての平等観、統一感(ひとつなる存在感)は強調されつつも、むしろ性では、その差や役割、別の特質が、よりはっきり区別されているように感じられます。

タロット的に言えば、画一的に男女を等しく扱うことは、逆に差別的になるような気がします。

やはり、女性には女性性としての、そして男性には男性性の、性による違いと役割があり、それらが森羅万象の二元表現とリンクし、最終的には、ふたつが統合されるところに真の平和と神なる次元の具現があるのだと、タロットからは考察されます。

いわば、分離があるからこそ統合に向かい、その統合感の喜びもまた、分離していた分、大なるものがあるのだと想定できます。

それはともかく、今日の主題は、実際にチャネリング的な能力がある人が、タロットを使う場合の話です。

私のタロット講座にも、いわゆるチャネラータイプの女性が学びに来られることがあります。そういう人は、タロットに呼ばれたとか、自分のチャネリングによって、このタロットとの縁を知ったとか、マルセイユタロットを学べと言われたとか、いわゆる狭義のスピリチュアル的な理由で来られることが多い気がします。

けれども、私自身は男性であり、教え方や教える内容も、タロットという、一般的には直感的なツールと思われているものでも、論理的なほうになります。

だから、もしかすると、チャネラータイプの人には合わないのかもしれませんが、幸い、私の講座は少人数制やマンツーマンが多いので、その人の個性に応じた配慮もすることができます。

ですから、チャネラータイプの人には、特にタロットリーディングにつきましては、普遍的な基礎技術はお伝えしますが、結局は、チャネラーとしてのタロット使いの推進をサポートする方向になって行きます。

ちょっと前に、カウンセリングとタロットリーディングの違いを書きましたが、チャネリングとタロットリーディングも、ふたつは似ているところはありますが、やはり違うものなのです。

まず、チャネラーの人が、チャネリングをメインとしながら、タロットを補助道具として使用するケースがあります。

逆に、タロットリーダーの中(タロットの情報を中心にリーディングする場合)に、チャネラー的素養があり、タロットを読みつつも、別のところから情報を得ている人もいます。ただ、これを自覚している人といない人がいます。

チャネラーを主とする人は、本来、タロットがなくても現実を超えた、あるいは現実の次元とは異なる情報を自らのチャネリング能力によって得ることができるはずですが、タロットを学習して使うことで、利点もあるのです。

それは、まず、何も道具がなく、直接自分の能力で、ある情報次元につながることは、結構なエネルギーを使うことでもあり、慣れないチャネラーや、エネルギーコントロールの未熟なチャネラーでは、かなり疲れてしまうことがあるわけです。

そこにタロットというツールを間に入れることで、緩衝材のようになり、チャネリングの情報(エネルギー)を、カードに一度グラウンディングするかのように落とし込んで、相手に伝えると、自分の負担が減るのです。

相手(クライアント)もカードを見るので、カード自体の象徴性と情報もありますから、チャネラー本人がすべて読む、情報を降ろすということをしなくても、クライアント自身で気づいてもらう、情報を得てもらうことも起こります。

また、もう少しチャネラーが慣れてくると、タロットの象徴システムを利用して、自分のコンタクトしている次元にリンクさせて、タロットカードをコンタクトゲートやプロトコル、パネルのようにしてしまうことも可能です。

こうした場合、タロットの意味というより、タロットを通して降りてくる情報を、相手に伝えるというような形になります。こうすると、情報ダウンロードの時点で、雑音や混信も少なくなるのではないかと予想されます。

タロットを通信道具の逆方向(地上から天上・別次元への方向)として使うこともでき、それは、タロットを通して、バランスの崩れた現実次元の情報を高次元に送ることでクリアにしたり、調整したり、昇華したりしていくように持っていくことができるでしょう。

これはタロットをヒーリング装置に使うことでも、同じようなことが言えます。

結局、チャネラータイプの人は、タロットは自分のチャネリングの時の消費エネルギーを減らしたり、安全にチャネリングを行ったりする補助・整理ツールとして使え、さらには、チャネリング能力を磨くための途中の過程として、タロットを能力の磨き砂ように使えます。

ですから、最終的には、タロットはいらなくなると思います。

これとは別に、タロットリーダーではあるものの、チャネリング能力も開花させていく人は、タロットの象徴と、自分がコンタクトする次元の情報とを合わせて、クライアントに伝えていくということになり、個性ある独特なタロットリーダーになっていく可能性があります。(またチャネリング能力の向上が飛躍的に進んで、タロットから離れて、純粋なチャネラーになる方も人によってはあるでしょう)

広義の意味では、誰もがチャネラーと言えますが、やはり職業的・プロ的なものを求められるとなると、それなりの修行や能力の向上、様々なもののコントロール技術も必要となるでしょう。

そのためのプロセス、安全段階として、タロットを使うこともある得るのです。

それと、チャネリングとはまた違う話になりますが、「斎王」は女性にとっての聖性や巫女性を象徴し、この部分を回復させることは、女性性においても、またパートナーとの関係においても重要となりますから、普段日常にまみれ(現実に振り回されて)ギスギスしてしまっている人は、「斎王」というカードを大切にしてみるとよいでしょう。

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