特別な人との関係の理由 その2
前回の続きです。
前の記事では、人間関係や恋愛などにおいて、特別となる人との関係性について、こうしたものは縁のものとは言え、自分の納得する理由が欲しくなり、その理由を探したくなることをお話しました。
そして、見方として、心理的なものと、霊的なものがあるとご紹介したところで、「つづく」となったわけです。(笑)
では、早速お話していきます。
特別な人となってしまう人との関係の理由についてですが、これははっきり自覚できるものがあれば、別に理由を求める必要性はありません。逆に言えば、自分でもなぜこんなにまでなってしまうのか、気にしてしまうのかと、よく理由がわからないこそ、それを知りたいと思うわけです。
それは、言わば、見えない理由のようなものです。
そのように考えると、たいてい、見えない世界というのは、心理的なもの(サイキック分野含む)か、霊的なものとなります。
ですから、特別な人との関係性のわかりづらい理由は、見えない世界にあると考えてもいいわけです。ここに、タロットの世界、スピリチュアルなものと関連してくるのです。
まず、心理的なものですが、これは、範囲を限れば、自分の生育歴におけるものからの理由が大半と思えます。
心理分野は確かに見えない世界のことではありますが、心理学がメジャーとなった今、案外と常識的・現実的な考えでもあります。
つまり、自分のこれまでの生きた歴史の中に、その相手と特別になってしまう何がが働くようになっていたというものです。
よくあるパターンとしては、幼少期の両親、あるいは家族との関係から来るもの(理由)です。
父や母との関係、兄弟姉妹との関係など、家族の中で、自分がどのような位置を占め、育てられてきたか(愛情のかけられ方)によって、大人になっても人間関係(それ以外でも)に影響を及ぼしているケースです。
問題となっていた(当時は問題とは意識しておらず、自然や当然の行為と思っていた場合もあります)家族との関係性を再現させて、自己を守ったり、浄化を図ったりすることもあれば、刻み込まれた自覚のないパターンとして、他人を家族の代替のようにして、関係性を繰り返します。
あなたが特別だと思っている人、どうしても気になってしまう人の中には、こうした自分の家族との関係が隠されていることがよくあるのです。
こう説明すると、自分でもわかりそうなものですが、意外に自分にはわからないもので、しかし、他人が見ると、結構ははっきりします。
ましてや心理カウンセラーやセラピストなどのプロの人にとっては、明確にわかるでしょうから、どうにもある人との関係が拭い去れない、忘れられない、同じような人や人間関係を繰り返して困っているという人は、そのような人に相談するとよいでしょう。
次に霊的な分野での理由です。
こちらは、心理的なものよりもわかりづらいですし、心理的なもの(トランスバーソナルな心理分野は別として)より範囲が広くなり、例えば、時間的なもので言えば、自分だけの人生(今生)だけではなく、過去や未来の生も入ると考える場合もあります。
あと、時系列(時間の流れとしての方向)だけではなく、縦階層の理由も、霊的になってくると現れます。
縦階層とは、次元やレベルのような考えで、私たちの一般的な中心観点は、今は三次元的物質次元にありますが、もっと高次(逆に低次)の、別の次元階層もあると想定して、それらの意識(データ・情報)からの理由が、人との関係性においてあると見ます。
カルマ的な概念は、時間的流れと縦階層のものとの両方があると見てよいかもしれません。
物語風に言えば、過去(生)で関わった特別な人なので、やはり今生でもそうなるとか、未来に何らかの関係や理由が作られるために、今会っている(気になっている)とか、自分と宇宙の進化のために、その人を意識するようなことが組み込まれている、イベントとして(自分)が選んでいる・・・そのような感じです。
簡単に言えば、魂のデータがそれを企画し、実行しているみたいなことでしょうか。
ですから、今の自分の普通の記憶とか、常識、推測を超えたところにあるので、理由がわからないわけです。しかし、そうした領域から見れば、理由はあると考えられものです。
ですが、問題なのは、その理由がはっきり最後までは(今生の自覚意識の人生では)、気づかないまま終わることもあるわけです。
むしろ、理由がわからないままに、あえて自らの魂がしている可能性さえあります。それは隠されたほうがよいという理由が、やはりあるからだと思われ、もしかすると、自分の(霊的な)成長にならないのかもしれません。
しかし、ここが重要ですが、それは今の時点のあなたの意識と行動における状況であり、もし何かのことで、あなたの意識が向上し、いわば、霊的な発展を遂げていくことができれば、生きているうちに、わからなかった、特別な関係性の人との理由が判明するかもしれません。
マルセイユタロットで言えば、「運命の輪」を超えて、同じ10という数の二倍の数20を持つ「審判」に至った時と言えましょうか。(気づきのスピードも、覚醒すれば早くなります)
そして、タロットリーディングをしていて思うのは、理由を求めすぎてもいけないということです。
先述したように、変な言い方になりますが、現在の自分の状態では理由がわからないから、やはり、わからないのです。
いくら調べよう、知ろうとしても、自分の意識のレベルが本当の理由を明かす(理解する)レベルに至っていないので、徒労に終わることも多いのです。
ですが、自分が変われば、気づきは自然にやってきます。それも思いもかけない時に。
例えば、新たな出会いがあった時に、以前、悩んでいた人との関係の理由がはっきりしたというケースもありますし、こだわっていた人の思いが、いつの間にか薄れ始めたことに気づいた時、突如。目覚めのように、感謝のような理由(ギフト的な感じ)に思い至ることもあります。
ですから、大切なのは、自分のレベルを上げる、特に霊的な向上であり、それは「上げる」というような表現より、統合とか融和とか、そのままの中で意識が変わっているような感覚です。見方の変化、こだわりの消失、受け入れる幅の増大というのに近いでしょう。
もちろん、これには自分の浄化として、まずは傷がついている場合、癒しが必要になります。過去生まで癒しを求めるのであれば、そうした療法を受け入れてみるのもありかもしれません。(事実か否かより、自己のセラピーとして大切と考える)
未来に進むのには、過去に戻ったり、今の足踏みの状態をあえて続ける(深い落とし込みのために、続かざるを得ない期間がある、マルセイユタロットで言うと「吊るし」の期間)こともあります。救いを求めてさまようような場合もあるかもしれません。
ただ闇雲にあせったり、理由を今の時点ではっきりさせたいと強く思い過ぎたりすると、「運命の輪」はますますループしてしまい、その輪から抜け出ることができなくなります。
人は思考と感情での両方の納得を必要とします。思考・頭だけでは腑に落ちず、また、感情が納得しても、その経験を俯瞰したり、普遍化したりすることが難しいです。(これは自己の経験を、ほかの人の役に立たせることでもあります)
混乱している人は、その人との関係の理由をつきとめようとせず、理由が知りたい(知りたがっている)自分というものを受け入れ(認め赦し)、つらいですが、「今の自分のレベルではわからないようになっている」のだと思うことも、逆に救いになります。
人に相談することによって、理由の一端が示されることもありますが、それもひとつの仮説であり、正しいとは限りません。そもそも正しい答えというのはないと言ってもいいでしょう。
ですから、自分が、最終的に「ああ、そういうことだったのか!」と気づくもの、そのストーリーで正解なのだと思います。(細部は異なっていても、象徴的な意味では合っていること)
理由がわからない時は、情報の断片を拾い集め、そうしているうちに、自分の目覚めや向上が起き、自分が納得する理由を、自分の内から見つけることができるでしょう。
たとえ見つけられなかったとしても、自分の人生で必要だった人、会うべき人、思いや気持ちを入れてしまうような、自分の人生を彩る人だったということが、ネガティブな意味ではなく、振り返ることができるようになると思います。
あなたの人生劇場が輝くよう、祈っています。
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