自分の力とタロットの力の関係性

タロットカードと自分との関係は、一定ではありません。

これはちょうど、人間関係と同じようなもので、基本的な関係性(役割、立場等)は同じであっても、その質や深度(進度でもあります)が変わってくるのです。

そして、自分がレベルアップすれば、タロットの力も増すことになります。まるで鏡のようなものです。

つまり、使う側の能力、意識によって、タロットのパワー(フォースといったほうがいいかもしれません)も変化していくわけです。

このことは、タロットとの関係性が深まれば深まるほど、あるいは長くなればなるほど、実感してくることでしょう。

そのような、個人とタロットとの関係性による変化もあるのですが、実はまだタロットの力が変化する要因がほかにもあります。

それをいくつか挙げることができますが、その中のひとつとして、時代性というものを指摘しておきます。

不思議なもので、時代の特徴が、タロット(へ)の認識を変えると言いますか、タロットの力を引き出したり、弱めたりすることもあるのだと思っています。

例えば、通俗的な意味での「オカルト」(本当の「オカルト」の意味は別にあります)ブームのような時は、タロットにも神秘性が与えられて、特に昔は(今もですが)占い的な力があると目されていたことがあります。

そして、実際に、占いでタロットを使うと、未来を予見したり、相手のことがわかったりして、つまりは当たることがよくあるような感じになるのです。

それは、心理的に言えば、タロットに不思議な力があると多くの人が信じ込むことで、当たるという現象(錯覚や思い込みのこともあります)を引き起こしやすくなるからだと推測されます。

メルヘン的に言えば、タロットさんが「自分を信じてくれているなら、あなた(みんな)の望む方向に、力を発揮してやろう」としてくれたのだと言ってもよいかもしれません。(笑)

言わば、時代の雰囲気によって、タロットも変わるということです。

そして、平成から令和になり、2020年という年を迎えている今日、おそらく、精神世界などに関心のある人には、時代が大きく変わってきているのを実感しているでしょう。

あくまで私の見解ではありますが、それは、統合に向けて、まず個の独立、確立が高まるということです。

SNSや、Youtube、TikTokなど動画も含めても、自己発信・自己表現が簡単にできる時代になっており、皆が手軽に自分の世界を出しています。

もはや、昭和の頃のような、旧メディア、テレビ・新聞などの画一的な、ある意味、洗脳的とも言える情報発信は古く、通用しなくなっており、個性(それぞれの自分)を無視したものは、信用さえ失ってきています。

統合と言えば、「ひとつになる」というようなイメージを持ちがちですが、誰もが金太郎アメ的な同じになる意味ではなく、まずは個を認めて、そのうえで、全体として統合していく(個を消すわけではありません)のが、霊的な流れではないかと考えられます。

ですから、今の時代の様相は、実は正しく進んでいるように思います。(間違ったところもあるかもしれませんが)

個を活かす、確立するということは、自分を認めるということにつながりますから、巨大な支配的な何かに自分をささげて生きるような時代は終わりを告げ、一人一人が自分を受け入れ、認め、発信していくようになるのは普通だと思います。

ただ、人に認めてもらえることのために、自己発信をしていくと、結局他人に力を明け渡すことになりますから(他人や外の世界の許可が必要だということになります)、自己の確立とは真逆の方向になります。

自分が好きなことをただ行う、自分がやりたいことをやって発信する、見てもらう、考えてもらう、楽しんでもらう・・・まずは、こういうスタイルでいいのだと思います。

さて、話をタロットに戻します。

このような、統合に向けての個の確立が進む時代になってきていますので、タロットも時代の影響によって変化するとすれば、そうした自己表現、自己の確立に向けた流れに寄与していく力が増すことになります。

すると、タロットリーディングしていても、これまでは全体や社会の力を借りないとできなかったこと、または、社会規範・常識・ルールみたいなものに則って自分を表現せざるを得なかった者が、自分ひとりでとか、少ない人数の同好グループとか、今までの常識に囚われないやり方で、自分を確立していく可能性が、これまで以上に、タロットから読むことができるようになると考えられます。

端的に言えば、不可能性が可能性に変化するということであり、タロットの読み方のレベルと言いますか、許可できる範囲が広くなる(普通では無理とか、不可能と思っていたことに、「できる」という許可を見出すことができる)のではないかと推察します。

タロットでは、大アルカナの場合は、22枚のカードがあり、マルセイユタロット的に見れば、「愚者」と「世界」を除けば、ある種、カードの受け持つ所定の範囲とかレベル、限界性みたいなものがあるわけです。

それぞれのカードの担当範囲とでもいうべきものは、時代によって変化し、これからの時代、かつてのカードのレベルを超えた力、読み方が登場し、それが日常性をもってくる(担当範囲として定着してくる)のではないかと想像されます。

しかし、最初にも述べたように、個人とタロットとの関係性もありますから、自分が成長し、もっと軽やかに、可動範囲を広くしていくことができてくればの話にもなります。

自分で自分を束縛していれば、その分、タロットも締め付けられ、自由に力を発揮することができなくなります。

一言で言えば、どれだけ自分を信じられるかによって、すべてが変わると言ってもよいかもしれません。それはタロットでさえもそうなのです。

もちろん、すぐに自分を信じる、つまり自信を持つことができない場合もあります。人間ですから、落ち込み、悩み、自分を卑下してしまうことも現実の人生では少なくありません。

しかし、そんな自分に悩みつつも、少しずつでも自分を認め、自信が持てるようになってくれば、取り戻したあなたの力が、タロットのみならず、あらゆる面で、力を昔より、出していけるようになるでしょう。

自分を認めるには、その前段階として、自分を癒す必要もあります。癒されていない部分を無理矢理、強くしようとしても苦しいばかりです。癒しながら、自分を回復し、そしてまた落ち込めば、さらに癒し・・・を繰り返してもいいと思いますし、それが普通でしょう。

強くなろうとするのではなく、自分に素直に向き合っていくと、自然に強さに導かれるようなものです。

タロットはあなたの鏡にもなりますから、タロットに力を感じられるようになれば、あなたにも力が蘇ってきている証拠になります。

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