生年月日を元にした数のタロット技法

タロットと数秘術を合わせたような技法で、パーソナルカードとかソウルカードというものがあります。

これも流派によっては少し計算方法が異なるのですが、基本的には生年月日をもとに行う方法という点では変わりないものと思います。

これは、生年月日から導き出された数を、タロットの大アルカナに付与されている数と関連させて、その数を持つカードと自分の特性を象徴させるというものになります。

パーソナルカードは、計算によって22の数のうちどれか(22の場合は「愚者」に当はめる)にするので、大アルカナの数と合うことになり(と言うより合わせているので)、違和感は少ないのですが、ソウルカードの場合は一桁の数のみ(1から9)で表されるため、大アルカナの数と合わなくなります。

そういうこともあって(他の理由もありますが)、私個人としては、この見方はほとんどタロットの技術としては重視せず、あくまでタロットリーダー・タロットティストとして、絵柄をメインとした使い方を推奨しています。

しかし、数秘的に見るのが、結構好きな人もいますし、エンターテイメント的に面白いところもありますので、時と場合によっては、やってみてもよいかもしれません。

ただやはり、先述したようなタロットとの数の問題があり、違和感はぬぐえません。

そこで、私は生年月日から数を出してタロットと関連させる方法としては、別の方法をいくつか考えました。

そのひとつをご紹介したいと思います。

これは先日書いた、ある基本数で大アルカナを分けることに由来するものです。

今回は、その分ける基本数を「10」として援用します。

しかし、「10」で大アルカナを分けると、2枚余ってしまいます。ですが、その二枚を「愚者」と「世界」にすると、うまく分けることができます。

というのは、「愚者」は数を持ちませんし、「世界」は21という数はありますが、「世界」のカードの象徴は最高度の状態を示し、「すべてある、完成された世界」と考えると、ある意味、どの数にもなってどれでもないという「愚者」に近い概念になり、ほかの20枚の枠からはずすことが可能になります。

こうした「10」のまとまりで、二つのグループに大アルカナを分けておきます。

具体的に言いますと、1から10(「手品師」から「運命の輪」)のグループと、11から20(「力」から「審判」)のグループとなります。

次に、この二つのグループの大アルカナにおいて、下一桁の同じ数を見て、二枚セットにして10組に分類して行きます。

これも具体的に示しますと、「1と11」「2と12」「3と13」「4と14」「5と15」「6と16」「7と17」「8と18」「9と19」「10と20」という具合です。(もちろんその数を持つ大アルカナ同士ということです)

そして、自分や見たい人の生年月日の数をばらして、全部足しこみます。例えば、1985年9月25日生まれの人の場合、1+9+8+5+9+2+5=39となります。

ここで「10」の数を基本としてタロットを分けていますので、「10」の数と比べることをします。 合計数が10より大きい場合、合計数をさらにばらして足しこみます。それでもまだ10より大きい場合は、さらにばらして足しこみます。つまり、1から10のどれかの数になるまで、ばらして足しこむという作業になります。

例の人の場合だと、合計数が39ですから、これは10より数が多いですので、3+9=12とし、これでもまだ10より大きいですから、さらに1+2=3と計算します。ここでようやく10以下となりましたから、この人は「3」の数を持つとみなします。

そうしたうえで、さきほど、二枚セットで10組分けた大アルカナのうち、このケースの人の場合、「3」の組に相当すると考えます。具体的には「女帝」と名前のない「13」です。

生年月日を数秘とタロットの数(大アルカナ)から見て、この例の人の場合、「女帝」と「13」のカードとの関係があるとみなし、その性格や特質、個性の傾向がこの二枚に関係すると考えます。

どちらかと言えば、1から10のシリーズ表向きや、自分としてもわかりやすい傾向で、11から20のシリーズのほうがであったり、ここぞという時に出るもの、自分にもわかりにくい傾向と見ることができるかもしれません。

また、1-10シリーズが地上的・実際的(現実世界での表現)、11から20天上的・精神的(内なるものや大いなる観点からの表現)と分析できる場合もあります。

例の人の場合、「女帝」と「13」ですから、創造的・クリエィティブなことが好きで、実際的にもそのような傾向で選択したり、人生を生きたいと思ったりすることが多くなると思いますが、裏では「13」の象徴のような思い切った変革性や合理性にあふれ、時には苛烈にふるまうこともあるということです。まあ簡単に言えば「創造」と「破壊」の性格を併せ持つみたいな感じでしょうか。

この技法なら、10進法的に符合させやすいので、数秘的にも使い勝手がよく、大アルカナにおいても、「愚者」と「世界」は例外的になりますが、「10」という意味のある数のひとまとまり、一サイクルといってもいいシリーズで大アルカナと関連させることができますので、タロット(の数)的にもそれほど違和感はないと思います。

とは言え、これも数秘術を基本としたタロット技法なので、絵柄を主とするタロットにおいては、邪道と言いますか、イレギュラーな見方ですから、遊びや簡単な占い、個人の傾向を数秘的なものからうかがう補助技法くらいに思って扱うのが適切かと思います。

まあ、ソウルカードよりかは、タロットの数的には親和性は高いと思いますので、こちらも利用してみてください。

結局、数秘的な技術も、タロットとの親縁性を深めたり、高めたりする技術の一つと言えます。

つまりは、リーディングする相手とのコミュニーションと、タロットとのコミュニケーションという、二重の意味でのコミュニケーション技術と考えるとよいのです。

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